"マイプロジェクト"に参加する高校生が未来を照らす
これからの女子キャリと生き方(30)
こんにちは。manmaの新居日南恵です。今回はNPO法人カタリバが開催した、マイプロジェクトアワードの様子をご紹介します。
自ら取り組む"マイ"プロジェクト
マイプロジェクトアワードとは、全国の高校生がそれぞれの行っている取り組みをプレゼンする場です。住んでいる地域の魅力を発信するイベントを開催していたり、学校のルール改正のために先生に働きかけるプロジェクトを行っていたり。
それぞれの取り組み、そしてかけてきた想いやプロジェクトから得たことについて、気持ちを込めてプレゼンします。最初の選考を突破した高校生たちが、東京大会、九州大会、オンライン大会等の支部大会に進出します。そして、これらの大会で勝ち残った高校生が、3月に開催される全国大会に出場します。
私は東京大会の審査員を務めさせていただきました。5つのチームのプレゼンテーションを聞き、全国大会に進む1チームを決定します。
担当したGブロックには、
・サイバー防衛に関心を持ってもらうために「サマーウォーズ」を題材にしたワークショップを行っている高校生
・騒がしい自習室を静かに勉強できる空間にするために、ルールの策定を学校に働きかけ行っている高校生
・アイガモ農法でお米を栽培し、食の大切さを伝えるイベントも開催している農業高校の高校生
などなど、本当に個性豊かなメンバーが揃いました。
みなさん、学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校という高校はご存知でしょうか。通学日数を週1日から5日まで選べる「ネットの学校」です。ネットで授業を受けるもよし、学校に通学するもよし。授業もプログラミングを始めユニークな科目が充実しています。どんな通い方をして、何を学ぶのか、自分で決めることのできる学校です。
こちらのN高等学校からも多くの高校生が参加していました。元々は中高一貫の進学校にいたという高校2年生は、N高等学校で生徒会を自ら立ち上げたそうです。なんのために高校に通い、なんのために大学に行くのかが分からなかったといいます。N高で生徒会を立ち上げ、試行錯誤する中で「教師」になるという夢が芽生えたそうです。
試行錯誤を通して未来を模索する
マイプロジェクトの価値は、まさにここにあるんじゃないかなと思っています。「もっとこうなったらいいな」と思うことってありますよね。不便だなあと感じることや、もっと深く知りたいなあと思うこと。まずはそれに気づくことから始まります。
そして、どんな小さなことでもいいから、まず一歩それにまつわるアクションをしてみることが大事です。「自習室、静かな環境にしたいと思わない?」と仲良しな友達と、5分お喋りするのも一歩。生徒会を立ち上げたいと声を上げた仲間に「いいね!」と賛同するのも一歩。
小さな一歩を踏み出すと、共感してくれる人が現れます。「私もそう思ってた!」と共感してくれる人が必ず現れます。そして同時に、問題も発生します。自習室を静かな環境にしようと思ったら、意外と多くの学生はお喋りしたくて自習室に来ていたりするかもしれません。
動いてみないと分からなかったことが、少しずつはっきりしてきます。そして、またその問題を1個ずつ、一生懸命に考えて解決をしていく。
想いを乗せたプロジェクトへ
この繰り返しを粘り強く続ければ、必ず一緒に取り組んでくれる仲間が現れます。支援してくれる人が現れます。自分が始めたプロジェクトが自分だけのものではなくて、これまで関わってくれた全ての人の想いを乗せたものになります。
全国大会に進んだマイプロは、まさに富士吉田市の地域の人たちの想いを背負っていました。富士吉田市という富士山のふもとの町に住む高校生たちが、地元の織物の魅力に惹きつけられ、その素晴らしさを子供達に伝えるワークショップを企画しています。織物の職人さんたちや、地元の役所の方まで、多くの人に支えられています。こんな風に、みんなに愛されているプロジェクトは、仮に本人たちの心が折れそうになっても、必ず励ましてくれる人が現れて、続けていくことができます。
今年でマイプロの審査員は3年目になりますが、これまで書いてきたことが、全部できているチームを選ぶようにしています。きっと高校生だけではなく、全ての人が自分の未来の道を切り開く、とってもシンプルなプロセスだと思います。ぜひ参考にしてみてください。
そして、まず一歩を踏み出したいと思った方、ぜひ家族留学にも参加してみてくださいね。子育て中の素敵な先輩方に、会いに行ってその暮らしを体験したり、お話を聞いたりできるチャンスです。
新しい人に出会って話してみることで、少し見える世界も広がるかもしれません。
こちらからお申し込みをお待ちしています。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。