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始動!書評合戦ビブリオバトル(1)「読書通じ夢の実現を支援したい!」
活字離れに危機感、社会的起業志す

始動!書評合戦ビブリオバトル(1) 「読書通じ夢の実現を支援したい!」 活字離れに危機感、社会的起業志す
authored by 小松雄也一般社団法人ビブリオポルトス代表理事

 はじめまして、社会起業家の小松雄也です。私は神奈川県川崎市の出身で学生時代、周りの「読書離れ」が進んだ現状に強い危機感を抱きました。大学図書館で一人奮闘する中、書評合戦ビブリオバトルと出会い、本を通じた人々の交流に可能性を見出します。

 ビブリオバトルとは、参加者が自分の好きな本を発表し合って「どの本が一番読みたくなったか」を決めるコミュニケーションゲームです。私はこの活動を広めて行くことで、より多くの人に「読書」の魅力を届ける活動をしています。(ビブリオバトル公式ルール

留学機に猛烈に読書

ビブリオバトルで紹介する筆者

 私が本と関わるきっかけになったのは、高校卒業後のカナダバンクーバーへの短期留学です。この留学で、日本のことを詳しく説明することができない自分に気が付き、それが悔しくて帰国後に猛烈に本を読み始めました。それまで読書習慣はありませんでした。

 大学入学までに3年間も(!) 受験浪人をしていたのですが、この期間で約7,000時間以上を費やして本を読みました。兵庫県の祖父母の家に籠り、当時の全財産を書籍代に費やし、まさに読書に全身全霊を捧げる時期でした(勉強しろ!笑)。 あの時間がなかったら、今の自分はいなかったと思います。読めば読むほど自分の知らなかった世界が広がって行く、そんな果てしない本の世界を全力で体験していました。

 大学入学後も本が傍にありました。私が入った2012年当時の明治大学では、日本最先端の環境を備えた「和泉図書館」が開館したばかりで、そこで図書館に関連したイベントには全て関わりました。自分が選書した本棚を公開したり、買いたい本を100万円分選ぶ「ブックハンティング」をしたり、様々なイベントに参加していました。

 そして2014年(当時大学3年生)には読書を通じた世代間の交流、地域活性化や読書教育へと本格的に取り組むため、大学在学中に一般社団法人ビブリオポルトスを設立しました。ラテン語で「本の港」という名前の通り、あらゆる場所に本を届けられる存在になることができればと思います。

 ビブリオバトルについて知ったのは大学2年生の時です。考案者の谷口忠大先生が書いた本を友達に薦められて興味を持ち、すぐに先生の講演会に行きました。ビブリオバトルは「本を通して人を知る・人を通して本を知る」ことができるゲームで、お気に入りの本を紹介し合った人たちがすぐに仲良くなれることに大きな魅力を感じました。

 もう1つ感じた可能性としては、特に学校教育の現場で「いじめ」を減らせるかもしれないことです。これは中学生を対象として国語の授業に導入した際に気が付いたことなのですが、ビブリオバトルを始めると、みんな自分の好きなことを話すものだからすごく活き活きと話します。具体的には目の瞳孔が開く。だからこそ、本の紹介は相手を知るきっかけになるのだと衝撃を受けました。

 「いじめ」の解決は難しいテーマですが、相手が生身の人間であることを知ること、想像力を育むこと、相手の気持ちになって考えること、この3点を徹底すればなくせると私は確信しているので、お互いを知るきっかけになるビブリオバトルの活動は「いじめ」減少に繋がると感じています。

ビブリオバトル体験授業の後に生徒たちと

学生が本を読むきっかけ作りたい

 今後は高校生・大学生の読書時間の向上に取り組んでいきたいです。平成28年に実施された「第62回学校読書調査」と「第52回学生生活実態調査」によると、一か月に一冊も本を読まない「不読者」の割合は、高校生は57.1%、大学生は49.1%という衝撃的な調査結果が出ています。これは国を挙げた問題ではないでしょうか。読書は自分の考えを深める絶好の機会になりますので、特に大学生のような時間がたくさんある貴重な時期に、読書に時間を割いて欲しいと思います。

 取り組みとして考えていることの一つは、就職活動の面接やグループワークの機会にビブリオバトルを取り入れることです。面接でよくある「理想的な社会人像とは何か」のような抽象的な課題をただ学生たちに議論させるのではなく、自分で選んだ一冊の本について紹介する方が良いと思います。本の紹介を通じて、面接官はより学生のことを知ることができるのではないでしょうか。「就活」を1つの機会に学生が本をたくさん読むようになれば嬉しいです。

【図書寄贈のためのクラウドファンディングが本日始動!】

 本日の2018年3月1日より「児童養護施設に本を届ける」ためのクラウドファンディングを開始しました。直接のご支援もとても嬉しいですが、Facebookでの「いいね!」や「コメント付のシェア」だけでもとても大きな力となりますので、是非とも以下のURLからご一読をお願いします。

https://readyfor.jp/projects/biblio-portus15585

本とお酒を楽しむイベントBar-Bonで参加者と