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普通の学生がESで勝つ方法~意外なポイントに勝機あり

ホンネの就活ツッコミ論(50)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「エントリーシート(ES)講座・中級編」です。前々回に初級編を掲載。今回はその続きです。なお、初級編を読んでいないという方、お願いですから読んでください。初級編に挙げた4点は私がこれまでに添削した学生(年間で200人から300人)のうち、90%が引っ掛かっています。これを直せば楽勝とまでは言いませんが、大きくは変わるはず。

さて、文章の基本的な部分は初級編をお読みいただくとして。この中級編では文章の構成・ネタの選択について3点、挙げていきます。構成・ネタの選択は、就活マニュアル本やネットのエントリーシート情報サイトなどにもよく出ています。しかし、その大半はやや古い情報をずっと上書き保存で出し続けているだけにすぎません。

しかも、そこから、カラーペンを使えだの、箇条書きにしろだの、テクニック的な話ばかり。え? ここでは、そんなのシャラップ、でおしまいです。

「普通」「飲食」でまとめない

2017年に始まった本連載2回目にも書いた「普通の詳細」。就活に失敗しやすい学生ほど、やたらと「普通」を強調します。エントリーシートだと「飲食のアルバイト」「販売の仕事」とか。同じ飲食でも、コーヒーショップか、焼き鳥屋か、それとも料亭か。販売なら、ユニクロなのか、スーパーか、それとも宝飾店か。どこが良くてどこが悪い、というわけではありません。その中で頑張ったことは少しずつ違うはず。これは有名なチェーン、たとえばスターバックスにしても、店舗によって働き方は少しずつ違います。

もちろん、学生アルバイトを指揮する店長や社員、先輩アルバイトなどによっても違うでしょう。色々書こうと思えば書けるはず。それを「普通」「飲食」でまとめてしまうのはコミュニケーションの断絶に他なりません。飲食アルバイトがよくありきたり、と言いますが、そんなことはありません。自身の経験を丁寧に書けばいくらでもエントリーシートは通過します。通過しないのはネタがまずいのではありません。「普通」「飲食」でざっくりまとめすぎていて判別不可能だから通過しないのです。

派手な短期の成果より地味でも長期の経過ネタを

古いマニュアル本やネット情報には「成果を書こう」「多少盛ってもいい」などとあります。盛る、とは、要するにウソをつく、ということですね。困ったことに、この話、現在、流通しているマニュアル本やネットにも同じ話が書かれています。

それらを読んだ学生は勝手に誤解。かくて、派手な短期間の成果を書きたがります。かくて、採用担当者の元には短期間の成果を強調したエントリーシートが大量に届きます。よさこいサークルなら大会優勝から地区大会の予選突破まで揃います。他の体育会系部活も同様です。

もし、よさこいの踊り子なり、スポーツ競技の社会人選手なりを募集するのであれば、大会成績を書くべきです。しかし、日本の総合職採用はその大半が無関係。頑張ってくれそう、会社を大きくしてくれそう、一緒に働いていて楽しそう、地味な努力重ねてくれそう......。

こうした「見込み」という視点、学生は意外と知りません。さて、この「見込み」という視点で考えた時、期間の長さは次のうち、どれが適切でしょうか。なお、自己PRは粘り強さとします。

「2日」「3日」「1週間」「10日」「1カ月」「3カ月」「半年」「1年」「2年」「3年」「5年」「10年」

ネタは、何でも構いません。よさこいでも弓道でも和民でも留学でも大学祭実行委員会でもインターンシップ、何でも可。

さて、自己PRとよく合う期間はどれがいいでしょうか? おそらく、長いものを選ぶ方が大半のはず。ところが、実際のエントリーシートでは、短い期間を選択する学生が極端に増えます。その理由は他でもない、成果を書くためです。

たとえば「大学祭実行委員会で頑張った。その結果、2日間の集客が前年比150%となった」とか。「3日間のインターンシップでトップ賞を取ることができた」とか。実際に書類選考でも面接でも通過しやすいのは地味でいいので長い期間の話です。それを学生は理解していません。その結果、やたらと短い期間の成果を強調してしまうのです。

自己PR的なまとめは不要

学生の原文)
(ガクチカをあれこれ書いた後)この経験から、コミュニケーション力や目標を立てて実行していくことの大切さを学びました。貴社でもコミュニケーション能力を生かした仕事をしてみたいと考えています。

エントリーシートのお題は大別すれば3点。自己PR、志望動機、「学生時代に力を入れたこと」(略してガクチカ)。このガクチカでほぼ全員が必ず、自己PR的なまとめを入れたがります。あってもなくてもいいのですが、そうすると大半の学生は入れたがります。学生によってはガクチカが400字しか書けないところ、200字も自己PR的なまとめを入れていました。

この自己PR的なまとめ、長ければ長いほど、本来のガクチカが書けなくなります。当然ですが、それだけ内容が薄くなり、書類選考が通過しづらくなります。私はこの自己PR的なまとめ、「カレーライスにおける、ラッキョウ(または福神漬け)」と呼んでいます。カレーライスでラッキョウでも福神漬けでもチーズ......。何でもいいのですが、一味変えるものがあった方がいい、という人はいるでしょう(私はラッキョウが好きです)。一方、そういうものが特に好きではない、という人もいるはず。さて、学生が料理人(カレーを作る人)、採用担当者が客(カレーを食べる人)としましょう。

客はどんな好みかは不明です。テーブルの上には何も置けません。さてどうしますか? 多少、福神漬けなりラッキョウなりを少し添える程度ならどうでしょうか。好き、という客には受けるでしょう。もし、嫌い、という客でもスプーンでよければいいだけです。しかし、カレールウもご飯も覆うくらいにラッキョウ(あるいは福神漬け)がのっていたらどうでしょうか。ラッキョウが好き、という客でもうんざりするはずです。嫌いな客なら「これはカレーライスではなく漬物ライスだろ」と怒り出すはずです。このラッキョウ(または福神漬け)が「自己PR的なまとめ」なのです。

学生がこれを入れたがるのは、おそらくは3点、理由があります。1点目は、成果主義。成果を強調するには、こうした自己PR的なまとめが必要です。2点目は文章指導。特に新聞社出身の講師がやたらと文章の構成にこだわります。起承転結などとよく言いますが、それを考えると必要、となります。3点目は自己PRが全盛だった時代の名残り。バブル崩壊後から2000年代後半にかけて自己PR(とそれを敷衍した志望動機)が重要視されていた時代がありました。その結果、就活マニュアル本では必ずと言っていいほど「ガクチカのラストには自己PRを入れて強調を」と指導していました。それが、2018年現在も引き継がれているのです。

ただ、今となっては3点とも微妙。成果主義がそもそも日本の新卒で重視されていないのは先に書いた通り。文章の構成もたがだか400字程度の文字数制限しかない中でこだわっても無意味です。ガクチカに自己PRを入れて強調する、という手法も今となっては時代遅れ。以上、3点にこだわってみてください。かなり大きく変わるはずです。もちろん、あと1回(か2回)は続きますので、乞うご期待。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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