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お悩み解決!就活探偵団2019就活女子コーデ、どこまでOK? 企業に聞く

お悩み解決!就活探偵団2019 就活女子コーデ、どこまでOK? 企業に聞く
authored by 就活探偵団'19

 普段はファッションに敏感な女子学生も、いざ就活となるとリクルートスーツに身を包む。でも、「おしゃれをあきらめない」就活があってもいいのではないか。襟付きシャツをカットソーに、スカートをフレアに替えたらNGだろうか――。女子学生の就活コーデの境界線を探った。

 調査した探偵(女性記者)がまず疑問に思ったのが、一口にリクルートスーツといっても「スカートとパンツ、どちらが好印象?」という問題だ。探偵自身も就活中に迷った経験がある。

 就職情報会社ディスコ(東京・文京)で学生に就活マナーなどを教える杉原真理子・学生広報課長に聞いたところ、「それはどちらでも良いです」と言われ、やや拍子抜けした。「選考でリラックスするためにも自分が好きな方を着ればいい。迷ったらどちらが似合うかを親や友達に見てもらうのがオススメ」(杉原さん)だそうだ。

 さて、杉原さんのアドバイスも参考に、サンプルを(1)~(8)の計8種作成。これを様々な企業や業種の採用担当に示し、「どこまで許容できるか」と聞いてみた。

 (1)は王道のリクルートスーツだ。スカートとパンツはアドバイスに従って横一線。中には襟付きの白色シャツを着た。

 (2)~(4)はリクルートスーツのバリエーション。中を、(2)はカットソー、(3)はストライプや色付きのシャツ。(4)はリボンタイが付いたシフォン素材のシャツにした。

 (5)~(8)は徐々にカジュアルになる。いずれもジャケットは着るが、上下で色や素材が異なる。

 探偵は特に(5)と(6)に注目した。ジャケットとフレアスカートの組み合わせ。いかにも「清楚(せいそ)なお嬢様」という印象だ。一般的な好感度も高く、「愛されコーデ」と呼ばれている。20代の通学・通勤スタイルを紹介する女性ファッション誌では必ず見かける鉄板スタイルだ。

 (7)は、さらにスカートを無地から花柄などの柄付きに変えた。

 (8)は、チェック柄のワイドパンツを合わせた。ワイドパンツはトレンドアイテムで、ゆったりと裾が広がったシルエットに特徴がある。

 それでは企業の回答を見てみよう。

「中」は重視せず?

 リクルートスーツがベースの(1)~(4)は、(1)2社・自治体、(2)ゼロ、(3)1社、(4)12社という結果に。質問はあくまで「許容範囲」だが、最もアレンジが効いた(4)に回答が集中した。これを見る限り、「リクルートスーツ以外はNG」という企業でも、中に何を着るかはあまり重視していないようだ。

 (1)の森永製菓は「食品を扱う会社なので、清潔感や爽やかさを重視する」と回答した。「短時間で学生を選考する面接では、服装も選考対象の一つになる」とも。

 東京都は「服装が選考に与える影響はない」としたうえで「過度に華美なものではなく、清潔な印象を与える服装が妥当」と説明した。

 業務との関連性を感じる回答も目立つ。

 (3)を選んだオリンパスは製品として内視鏡などを扱っており、取引先には医療機関も多い。「医師を相手にすることがあるため、服装に関してはやや堅めの基準になっている」という。

 (4)の全日本空輸は、客室乗務員や地上職のように利用客と関わる機会が多い。「髪形、化粧などがお客様に不快感を与えないか、清潔感があるか重視する」とした。

 同じく(4)を選んだ日本マクドナルドホールディングスも「清潔感のない華美な化粧や派手な髪形などは、入社の際に改めてもらう」としており、「その覚悟や理解が得られない場合は選考にも影響する」と答えた。

 たかが服装、されど服装。見た目からは多くの情報が読み取れる。

 ある企業の担当者は「就活のスタイルに関する情報がこれだけ浸透している中で、ルールに従っていないのは準備不足だと感じる」と指摘した。

カギは清潔感に

 一方、上下セットではないカジュアルなスタイルを許容範囲としたのは16社で、半数を超えた。

 (5)と(6)の、いわゆる愛されコーデを選んだ企業は東京ガスや大手銀行など5社に上った。いずれも説明会などで、リクルートスーツ姿の学生を見ることが多い業界だ。

 大手電力は「清潔感があれば、服装が合否に影響を与えることはない」と述べた。このコメントからは「清潔感」の有無が女子学生の服装における最重要のキーワードであることがわかる。

女子学生もリクルートスーツが基本であることに変わりはない(2017年6月の採用面接解禁時)

 愛されコーデの売り物は清楚さ。リクルートスーツの清潔感とも相通じるだけに、就活との相性が良いということか。

 ただ、同じフレアスカートでも、(7)のように柄が入ると一気にカジュアルな印象が強くなるためか、「花柄は避けた方が望ましい」(東京ガス)という声もあった。

 そして、意外にも、今回の調査で(4)の次に多かったのが、トレンドアイテムの(8)だった。

 「価値観や、専門職に求められるスキルを重視する」(サイバーエージェント)など、IT業界では選考基準に服装を考慮しない回答が多い。

 バンダイナムコエンターテインメントは「服装やスタイルは自己表現の一環」としており、服装から個性や素顔を探る企業もあるようだ。

 セレクトショップのユナイテッドアローズに至っては、面接の事前案内で「おしゃれをしてきてほしい」と伝えている。「髪色、髪形、化粧も自由。選考で不利になることはない。自社ブランドの雰囲気に合う装いの学生は印象が良い」という。アパレル業界を志望する学生は、ファッションへのこだわりを服装で表現しても良いだろう。

理由はあるか?

 調査の結果を見ると、おおむね業種によって許容範囲が分かれたものの、必ずしもリクルートスーツを着なければいけない訳ではなさそうだ。ただし、カジュアル寄りの服装を可とした企業では、「なぜその格好で来たかを聞く」という声も聞かれた。

 (6)を選んだ大手銀行は「周りと違う格好で来た場合は本人に理由を聞くようにしている」そうだ。安易にカジュアルな格好で面接に臨むのは注意が必要だ。

 一方、企業の姿勢や職場環境にも変化の兆しはある。2017年にディスコが発表した「外国人留学生の就職活動に関する調査結果」によると、留学生が日本の就活でおかしいと思った制度や習慣では「服装」が30%超で、「就活時期」に次いで2番目に多かった。

 そもそもリクルートスーツというものがある国は日本だけだという。最近は留学生やグローバル人材の採用拡大などで、組織の多様化を目指す企業が増えているだけに、今後はリクルートスーツが王道でなくなる時代も来るかもしれない。
[日経電子版2018年2月6日付]

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