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チェック!今週の日経(47)5Gって何? 高速大容量通信は世界を変える?

チェック!今週の日経(47) 5Gって何? 高速大容量通信は世界を変える?
authored by 日経カレッジカフェ 

 日経の研修・解説委員や日経カレッジカフェの編集スタッフが、この1週間の日経電子版や日本経済新聞から企業ニュースを中心にピックアップし、解説する「チェック!今週の日経」。今回は、次世代高速通信規格「5G」をめぐる動きを取り上げてみましょう。

世界各社、19年の5G商用化を発表

紙面
2月27日付朝刊

 2月27日朝刊の1面トップは次のような記事でした。

5G 世界で来年一斉に 日本も前倒し検討、IoTや自動運転に応用(2月27日)

 世界の通信事業者や機器メーカーが2019年の5G商用化を目指す計画を次々発表したことを伝えた記事です。発表の舞台となったのは、スペイン・バルセロナで毎年この時期に開かれる世界最大のモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」。ここに集まった各国の通信事業者が、記者会見などでなどで19年中の商用化に言及したのです。

 次世代高速通信といわれても、何をするものなのかイメージがつかみにくいですよね。今のスマートフォンなどの通信に使われているのが4G。4Gの次の世代ということで5Gです。通信の実効速度で100倍、同時に接続できる数も100倍、通信の遅れは10分の1になるという規格です。今の通信規格でもスマホで動画コンテンツは十分楽しめますし、ビデオチャットも問題なくできます。あまり不満を感じている人は多くないと思いますが、その次を目指して多くのIT関連企業が動き出しているのです。記事では、「あらゆるモノがネットにつながる『IoT』の進化やつながるクルマ『コネクテッドカー』の開発など、世界的な投資やサービスの高度化に弾みがつきそう」と大づかみな進化の方向性を示しています。

ドイツテレコム
ドイツテレコムはドイツ上空の機内とビデオ通話する5Gのデモを披露した

 記事から各国の動向を見てみましょう。米国ではベライゾン、AT&Tの大手2社が18年中の商用化を計画、TモバイルUSも19年の商用化を予定しています。中国ではスマート工場の実現を目指し、中国移動通信集団が欧州のエリクソン、ノキアと提携することを発表しました。韓国の通信大手、KTは平昌五輪で5Gの大規模なデモを実施し、19年の商用化を計画しています。欧州では英ボーダフォンや仏オレンジなどが18年中に5Gの試験運用を始めます。

日本は20年の予定

 日本ではNTTドコモ、au、ソフトバンクの携帯大手3社が東京五輪の20年に5G商用化を計画しています。今のところ各社とも前倒しには慎重姿勢ですが、総務省は18年度末までに5G向けの電波の割り当てを決める計画で、19年度から各社が5Gのネットワークを展開できるように制度整備を進めています。やろうと思えばできるという状態で、世界との競争を意識したり、有力な新サービスなど使う側の動きが急になったりすれば、日本でも前倒しの動きが出てくる可能性もあります。これからの各社の動静が気になるところです。

 ITジャーナリスト、石川温氏による日経電子版の独自コラム「モバイルの達人」ではNTTドコモの戦略に焦点を当てています。

ドコモも模索「5Gでどう稼ぐ」 猶予はあと2年(3月2日、日経電子版)

 この記事によれば、基調講演に登壇したNTTドコモの吉沢和弘社長は、5Gに対応した建設重機を遠隔で制御するコマツとの実証実験を紹介。また和歌山県で大学病院と診療所を5Gで結んだ実証実験も披露しました。講演を振り返った吉沢社長は「5Gの利用方法や活用方法を発信していく時期にきている。もう、抽象的な話では仕方ない。課題はマネタイズ方法だ。我々もまだ見えていないところがある。まずは利用方法を見せていき、携帯電話事業者(キャリア)だけではなく、パートナーと5Gの世界をつくっていく。その方向を理解してもらえたのではないか」と発言しています。

高まるユーザー企業の関心

会場入り口
MWC初日のオープン前から入場を待つ人も見られた

 「パートナーとつくっていく5Gの世界」。これが日本の5G戦略のキーワードになっていきそうです。記事では、ドコモが5Gに関心のある企業に向けて、情報や技術検証環境を提供していく「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を開始、すでに600社以上が参加に名乗りを上げているという状況も伝えています。こうした取り組みから、どんな企業がどんな目的で5Gに関心を持っているのかにも迫っています。

 例えば、高速大容量に着目するのは警備保障会社。混雑した場所から監視カメラの映像を4Kで複数本の送ることができないか。こんなニーズです。4Gだと1本が限度なのだそうです。低遅延という特徴から関心を持っているのは、建設重機やロボットの会社。遠隔操作をリアルと同じ感覚でできるようにするには、5Gを待たなければいけません。記事のなかで、NTTドコモ5G推進室の中村武宏室長は「5Gは夢のシステムではなく現実のシステム。サービス開始に向けて現実を見せていきたい」と語っています。

 利用技術ではニーズの宝庫ともいえる日本で通信事業者と利用企業との戦略的な提携が花開くとき、ビジネスとしての5Gが静かに立ち上がっていくのかもしれません。

(企画委員 水柿武志)

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