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liberal arts-大学生の常識

カラー芯が折れにくいシャープペン
三菱鉛筆「ユニカラー」(新製品・解剖)

カラー芯が折れにくいシャープペン三菱鉛筆「ユニカラー」(新製品・解剖)

 カラー芯は柔らかく傷つきやすいことから、三菱鉛筆は芯が折れにくい構造のシャープペンシルを開発した。芯径は最も一般的な0.5ミリメートルと0.7ミリを用意した。女子学生を中心に、授業の記録とまとめノート作成の際にカラフルな文字やイラストを多用する機会が増えたことに対応する。100円と手ごろな価格設定に加え、スリムなペン軸のため学生が何本も持ち歩きやすい。

三菱鉛筆のシャープペン「ユニカラー」

 多色使いの筆記具として水性ゲルボールペンやサインペンと違って筆圧調整による濃淡が出しやすく輪郭が明確になる。文字を上書きしやすい。販売商品に入れた同社のカラー替え芯「ユニナノダイヤカラー」を使えば消しゴムできれいに直せる。修正液を使うボールペンやサインペンと異なり書き直しても汚れない。

 芯を同色のペン軸に入れればひと目で目当ての色を探せる。オレンジやピンクで書いた文字は同色のフィルムシートをかぶせると蛍光ペン同様に見えなくなるため暗記学習用に利用することも可能だ。三菱以外のカラー芯を入れても有効だが、強度を高めた前出のナノダイヤカラーを使うと相乗効果を発揮する。

 黒芯が折れにくいシャープペンはゼブラ「デルガード」の大ヒットをはじめ人気が高まっている。三菱はその利点をカラー芯に広げた。

【評価委員の目】

■軽量・シンプル・低価格で対抗

 「芯が折れない」など人気の高機能シャープに軽量・シンプル・低価格で対抗した。機能面も単なる普及価格品にとどまらない。昨今のカラーゲルインキに鮮やかさでは見劣りするが、消しゴムできれいに消せる点に価値が見いだせるなら買っていい。柔らかく粘りのある色芯に軽い本体を組み合わせたためか、予想以上に書き出しは重い。ずっしりした高機能シャープと組み合わせた方が書きやすいかもしれない。〈文房具ライター〉

■筆圧かけてもスムーズに書ける

 同じ三菱のカラー替え芯「ユニナノダイヤカラー」は全7色と色数が豊富なうえ消しゴムできれいに消せ、カラフルなノート作りに余念がない女子学生に支持されている。今回のペン構造の改良で、さらに折れにくい。実際に試用すると、かなり筆圧をかけてもスムーズに書け、濃淡も自在でとても書き心地がよい。芯折れをどこかで警戒する心配が消える。1本100円で色別に何本も持ち歩けるので、人気が出るだろう。〈日用品メーカー関係者〉

■微妙なタッチや濃淡を出しやすい

 文字を消せるペンではパイロット「フリクション」が圧倒的な人気を誇り、色鉛筆タイプも知られるが、カラーシャープペンという切り口で今製品が徐々に浸透していくと思わせる。画像投稿サイト「インスタグラム」向けにも、微妙なタッチや濃淡を出しやすい強みが生きそう。願わくば芯のカラーバリエーションを増やし、本体デザインもフリクションのスリムタイプに負けないセンスや質感を磨いてほしい。〈流通コンサルタント〉

【リサーチャーの視点】スリムなペン軸、学生に使いやすく

 日本のシャープペン市場は高機能タイプのおかげですっかり息を吹き返した。芯先が回転してとがり続ける三菱「クルトガ」はベストセラーとして定着している。昨年、上位モデル「アドバンス」を追加したところ売れ行きはすこぶるいい。文字の太さがぶれない美観を磨き、600円弱にもかかわらず学生の支持を集めている。

 市場のカンフル剤となったのは、芯が折れないゼブラ「デルガード」とぺんてる「オレンズ」の相次ぐヒットだろう。今回、三菱はその強みをカラフルな芯にからめた製品を提案する。親指のノックで開閉する部品の力加減により芯先を守る。ペン軸をスリムにすることで学生がペンケースに何本も入れやすく、価格も抑えた。

 筆記具としての色鉛筆はイラストや文字に表情を付けやすい強みを持つ。トップメーカーの三菱は「大人の塗り絵」向けに昨年、その売り上げを大きく伸ばしたが、20~40歳代の女性が主導したブームは一服している。今度は舞台をシャープペンに、ターゲットを女子中高生にそれぞれ移し、ユニカラーで学習ノートのカラーコーディネートをサポートする。(リサーチャー 田中紹夫)

【製品の仕様】
■発売日 2017年12月28日
■価 格 108円(1本)、864円(消しゴム入り7色セット)
■芯 色 ピンク、赤、オレンジ、緑、ミントブルー、青、ラベンダーの7種類(同色の芯入りだが別の色の芯に変えられる)

【ベンチマーク製品】

 なし。カラー芯専用に折れにくいシャープペンは独自性が高いので絶対評価とした。

 「新製品・解剖」は注目の新製品を選び、同業他社や、卸・小売店の担当者ら流通関係者、大学教授や評論家などの専門家に1品目について3~5人に評価を依頼しています。コンセプト、新規性、技術革新度、生活提案性、性能・品質、デザイン、環境・健康への配慮度、価格メリット、使い勝手、広告宣伝力、販売チャネルの多寡、ブランド力の12項目をベンチマーク製品(競合製品)と比較して採点しています。独自性の高い商品は絶対評価しています。新製品・解剖に取り上げた商品以外についても日経産業新聞・新製品面「解剖NEW FACE」で概略を紹介しています。

[日経電子版2018年2月8日付]

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