新入生による関西圏大学オールスター入学式
関西学生プロジェクト始動(1)
初めまして、関西学生プロジェクト委員会代表の前田海斗です。私たちは今年度関西圏の大学に進学する高校生のために、大学生3人と高校生127人が協力し、新入生応援団体として活動しています。この連載では、今私たちが企画している新入生による新入生のための「入学式」について書きます。
新生活スタートの日
私は昨年の4月に、関西学院大学に入学しました。入学式当日、新しい仲間、知識との出合いに思いを馳せ、学校へ向かいました。これから毎日乗ることになる電車、通学路、全てが新鮮でした。同じ日には、北海道から沖縄まで様々な思いを持った新1年生が、これから始まる新生活のために関西に集結し、強い期待と希望を胸に入学式に参加していました。
入学式はあっという間に終わり、会場の外では、たくさんのサークルや部活動の先輩が、新人を勧誘しており、自分がすごい価値ある存在と思えました。いろんな団体がありましたが、私はその中でも特に興味を持った広告研究会に入り、春夏の合宿、学園祭と日増しに仲間との結束力を高めていきました。そうして学園祭が終わった頃に、他にも色々やってみようと考え退部しました。
私はこの時期にとりあえず退部するという決断をしましたが、私を含め多くの大学生は、決まった友人の輪、サークルやバイトといったいわゆるコンフォタブルゾーンを、入学後は我先にと言わんばかりにつくり始めます。そこはとても快適で、一度入るとなかなか抜け出すことが難しく、聞くところによると多くの学生は人生で最もアカデミックな期間である4年間の大学生活のほとんどをそこで終えます。
本当にこれでいいのだろうか?みずから動くことによって様々なネットワークをつくる事は、私たち大学生が社会に出て新しい価値を生み出そうとするとき、必ず助けになるはずです。
それから私は、様々な交流会や勉強会にも参加しました。大学の壁を超えた学生、社会人、企業との出会いは刺激的で、様々な価値観に触れることで自分の学生生活を見つめ直し人生の選択肢を増やすきっかけにもなりました。そこで感じたのは、関西には学びの場や学んでいる学生、活動が連携するためのプラットフォームが少なく、他大学の学生との人間関係のつながりを作ることは簡単ではないということです。大学に入学後はその大学でしかコミュニティーが作れなくなることを実感しました。
高校生が集まる
「なんとかしないと」。そう考え、私は昨年11月にこれから関西学院大学に入学する高校生の相談に乗ったり、コミュニティーをつくる手助けをしたりする団体を、関学サポート実行委員会として立ち上げました。はじめは、大学生2人とAO入試や推薦等で受験に合格し今年度関西学院大学に入学する予定の高校生15名ほどで、メンバーはこの団体から何を学び何を得たいか、大学入学を控える高校生は何を不安に思い、何を求めているのかなどを話し合い共有し活動を始めました。
もうすぐ大学生になる高校生たちの悩みを解決できるように、ホームページに加えてLINE@やTwitterでの質問窓口を開設。月に2回は交流会を実施し、新入生のコミュニティーづくりのお手伝いをしました。運営をしていく中で他の大学に進学予定の高校生からも自分の大学にもそう行った組織、活動があったらなあという声を度々聞くようになりました。昨年12月末にはついに同志社など他の大学に進学予定の高校生も仲間に加え、関西学生プロジェクト委員会としての活動が始まりました。
そして「何か」が生まれる
大学の壁を超えた学生たちがどんどん団体に入って繋がっていくにつれ、それぞれのやりたいことや考え方も多種多様で、色んなアイディアが出てきたり、これまでには見えてこなかった課題が見えてきたりしました。そこにあったのはこれまでになかった、何かが生まれ、何かを成し遂げそうな力でした。私は、新しい「何か」は、なんの囲いもない大きなネットワークの中の人と人の間の情報の流れのつながりから生まれるということを確信しました。これから大学で学ぶ大学生は、将来きっと色々な分野で活躍することでしょう。しかし大学入学後は、その大学のコミュニティーしか作れなくなる。学校名で囲われていては、世界というグローバルな舞台では戦えないし、何も生まれない。
色々な分野の人たちの協力が必要です。まだ入学したばかりの段階であれば、自分が作りたかった大学のコミュニティーを作ることができる。これからの関西圏学生のつながりを変えていくために、大学名に縛られない、自分たちの理想の入学式を自分たちで作ろう。「関西圏大学オールスター入学式」をしよう。そしてこれから学生の繋がりによって関西を活性化させよう。今年1月、そう宣言しました。
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