日本経済新聞 関連サイト

OK
career-働き方

経済は「ボリューム」と「つながり」で理解!
「日経TEST公式テキスト&問題集2018-19年版」発売
日経新聞を読むコツも身につく

経済は「ボリューム」と「つながり」で理解!「日経TEST公式テキスト&問題集2018-19年版」発売日経新聞を読むコツも身につく

 就職活動の中で避けて通れないのが、「経済」「ビジネス」の話題です。「日経カレッジカフェ」で紹介される一つひとつの記事は親しみやすいと思います。ところが、実際に日本経済新聞を手にとってみると、まだまだハードルが高いと感じる方が多いのではないでしょうか。「情報の量が多すぎて何が重要か分からない」「景気が回復あるいは低迷といわれても実感がわかない」「個別の会社の記事にいちいち興味がわかない」といった感想をよく聞きます。

「景気って何?」の疑問を解決

日経TEST公式テキスト&問題集 2018-19年版
日本経済新聞社 編
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)
Amazon.co.jp

 皆さんが日々接する経済ニュースは、マクロ(国や世界全体)の動きと、ミクロ(個別の会社や個人)の動きに分かれます。日本経済・世界経済という前者の動きは、後者の一つひとつの活動の積み重ねです。一つひとつの企業や個人の好不調はさまざまですが、全て足すと一定の方向があります。それがいわゆる「景気」です。

 景気の良し悪しを具体的なデータ(数字)で示すのが経済指標です。その中で最も重要なのが、国内総生産(GDP)です。GDPが「国内で一定期間に生産されたモノやサービスの合計」であるという定義は覚えている方が多いと思います。平たく言うと、農業など第一次産業から流通・サービスなど第三次産業まで、国内の全ての会社や個人事業者の「もうけ」(売上高から原材料・経費などを引いたもの)の合計です。

 この指標は政府(内閣府)が3カ月ごとに「年間でいくらになるか」を推計して、前の期に比べて何%増減したかを発表します。これがいわゆる「経済成長率」で、日本ではアベノミクスで雇用が急速に回復したとはいえ、2015、16年度は年1%台前半でした。2017年度はやや上向きましたが年1.8%増程度の見通しです。

 日本のGDPは2016年、年額約540兆円でした。海外と比較するためドルに換算すると、約4兆9000億ドル。米国は約18兆6000億ドル、中国は約11兆2000億ドルです。皆さんの多くが生まれた1990年代半ば、中国のGDPは日本のGDPのおよそ1割強でした。その後の両国のGDPの動きはグラフの通りです。

日経TEST公式テキスト&問題集2018-19年版29ページ

 日本のGDPがこの20年間、ほとんど足踏みしてきた一方、中国は年8%から時には10%を大きく上回る勢いで成長しました。複利計算で年間8%ずつ成長するとほぼ9年で倍増です。これが2010年に日中のGDPが逆転し2倍以上の差がついた理由です。なお、グラフで日本のGDPが13~15年、減少しているのと、中国の16年のGDPが横ばいなのは、ドルに対する円安・人民元安の影響です。

 ちなみに日本にある会社の数は約400万社といわれます。一方、中国では2014年に約1700万社だったのが、17年に約2900万社と、3年で1200万社あまりも増えました。最近の中国経済の勢いがよく分かる数字だと思います。中国は習近平(シー・ジンピン)体制下で経済成長率を抑える「中速成長」政策をとり始めましたが、それでも目標とする成長率は年6.5%です。

経済用語を「そもそも」から丁寧に

 「GDP」や「成長率」の用語に以上のような予備知識があると、縁遠い印象があった新聞の経済記事の数字がやや身近に感じられるはずです。経済の全体像をざっくりと理解しておけば、日経新聞の記事は頭に入りやすくなります。そのための格好の教材となる「日経TEST公式テキスト&問題集」の2018-19年版が3月15日、日本経済新聞出版社から発売されました。

 日経TESTとは日本経済新聞社が全国主要都市の会場で実施する、ビジネスパーソンの「経済知力」を測るスコア方式のテスト(正式名称・日経経済知力テスト)です。英語能力テストの経済版のようなイメージです。法人単位で実施するタイプもあり、新入社員研修などで活用する会社も増えています。「経済知力」とは、ビジネスパーソンが仕事をするうえで必要な経済に関する知識をどこまで自分のものにできているかを測るものです。

 「公式テキスト&問題集」は、日ごろ、「経済は難しい・苦手」と考えている方が日経TESTにチャレンジすることを想定して作成したもので、テキスト部分も問題集部分も全体を通して楽しんで読める、ストーリー仕立てなのが特徴です。年版形式で毎年春に発行しています。18-19年版はテキスト部分を充実し、練習問題も全てリニューアルしました。

 就活生も対象として経済に関するキーワードを解説する書籍がいくつか出版されていますが、本書が少し違うのは、AI(人工知能)やEV(電気自動車)のような時事用語だけでなく、経済記事を理解するのに不可欠な基礎的用語も丁寧に解説していることです。「GDP」や「金利」の仕組みが「そもそも」から解説されています。これから日経新聞に接する方には特にお薦めです。

 経済・ビジネスの役に立つ視野の広さも問う日経TESTの受験対策としてつくられた本なので、経済、金融、産業の動きから、消費、技術、国際情勢まで、日経TESTが扱っているジャンルを「広く・浅く」ですが、網羅しています。

 5章構成で「入門解説」に続き、20問ずつに分けた100問の4肢択一式の「練習問題」の答を考えながら解説を読み、納得していく形式です。印象に残りやすく、知識が身に付きます。本文約280ページの中に約250社、実際の企業名も登場します。たとえば、以下のような問題です。

日経TEST公式テキスト&問題集2018-19年版189ページ

練習問題で知識と考え方が身に付く

 円高が進むと製品の輸出や海外事業の比率が高い企業にはデメリット、製品や原材料を輸入して主に国内で売る企業にはメリットがあります。「A」の中では海外で多くのプラントを手掛ける日揮と海運の日本郵船はデメリットを受ける企業、日本製紙、日本製粉は原材料の輸入でメリットを受ける企業です。「B」の中では小売りのイオン、外食の日本マクドナルドは円高メリット企業、自動車部品のデンソーと空調世界最大手で海外売上比率の高いダイキン工業は円高デメリット企業です。

 正解である「A=メリット企業、B=デメリット企業」の組み合わせは③の、「日本製紙とダイキン工業」になります。

 この例題は、日経TESTの中では知識に基づく思考力を問う位置づけの、応用タイプの問題です。「そもそも為替レートはなぜ変動するの?」「円高・円安って何?」「企業の業績って何?」というところが、のみこめない方もいると思います。本書は「基礎知識」の章で、以上の項目を取り上げ、「そもそも」から丁寧に解説しています。

 円高・円安の仕組みなどは、理解しているつもりでも、実際に説明せよといわれると、現役のビジネスパーソンでもあやふやになりがちです。経済学部や経営学部の学生の皆さんであれば、ミクロ経済学やマクロ経済学の教科書で学んだ理屈が実際のビジネスにも役立つことを、生きた経済とのつながりでいっそう実感できるはずです。

 また、随所で「数字」を使って考える意義を強調しました。冒頭にあげたGDPの数字がそうで、日本のGDPの1割(約5兆円)は経済ニュースに出てくる数字のボリューム感をつかむモノサシになります。2017年9月、中国政府が打ち出した「EVシフト」が世界の自動車業界を大きく揺るがしました。世界の年間新車販売台数約1億台のうち、中国市場は2900万台と3割近く、米国は1700万台、日本は500万台、というボリューム感が頭に入っていると、なぜ中国の新政策の影響が大きいかが実感できます。

 「35億――。あと500万人」は、2017年日経MJヒット商品番付流行語賞になったブルゾンちえみさんの持ちネタ(地球上の男性の数)でしたが、人口もモノサシの1つです。世界の人口は年1億人のペースで増えており、17年6月に国連が発表した時点で既に76億人でした。日本に関しては前回国勢調査(2015年)の「1億2700万人」がモノサシとして覚えておきたい数字です。

「企業社会で必要な知識」を実感

 実際の日経TESTの受験も、企業社会で必要な知識や考え方は何かを実感できる格好の機会です。大学生の受験者向けには「大学生の受験者の中での自分の経済知力スコアの位置」がわかる「学生等級」の情報も提供しています。

 ちなみに日本経済新聞社の入社採用試験も、この日経TESTに準拠した形式で実施しています。過去の問題を日本経済新聞社の入社案内サイトで公開しています。実際の日経TESTの出題ジャンルや難易度とはやや異なるものですが、興味がありましたらご覧ください。
(日経TEST編集長 石塚慎司)

日経TEST公式テキスト&問題集 2018-19年版

著者 :
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

この書籍を購入する(ヘルプ):Amazon.co.jp楽天ブックス