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ファミレス代わり?スーパー、学生のたまり場に

ファミレス代わり?スーパー、学生のたまり場に

 スーパーのイートインが若者が集まる場になっている。出来たての総菜や弁当、飲み物などが手ごろな値段でそろい、コストパフォーマンスは抜群。最近は広いスペースにソファ席があったりして、居心地もよくなっている。週末には3世代で憩う姿もみられ、その光景はファミリーレストランのようにもみえる。

コーヒー1杯、カフェよりも安い

平日の夕方は高校生の姿が目立つ(サミットストア藤沢駅北口店)

 1月の平日の夕方、サミットストア藤沢駅北口店(神奈川県藤沢市)に行くとイートイン(38席)の客の大半は学生だった。女子高校生2人組は週2回ほど学校帰りに立ち寄り、おしゃべりしたり勉強したりして過ごす。「何でもあるし安い」。この日、2人が買ったのは森永乳業「ミルクココア」(400ミリリットル、149円)、カルビー「じゃがりこじゃがバター」(103円)、「同たらこバター」(103円)だった。

 この店は1階にあり、同じ建物の2階にはサイゼリヤが入っている。窓越しに店をのぞくと、学生の客は2~3割程度だった。

 スーパーが若者のたまり場として人気の理由はまずは安さだ。いれたてコーヒーは1杯100円。学生のカフェ利用が増えている大手回転ずしチェーンは162円、カフェチェーンはおおむね200円台、ファミレスのドリンクバーになると300円前後(ドリンクのみの注文)もする。

休日には家族連れも食事

休日は家族連れが昼食を楽しんでいる(いなげや川崎登戸店)

 2月の土曜日の昼すぎ、いなげや川崎登戸店(川崎市)をのぞいたところ、イートインには家族連れも目立った。席数は約70で、カウンター席、テーブル席、ソファ席もある。近所に住む30代夫婦は子ども3人と父、母の7人でソファ席に陣取り、店内で買ったすしや弁当、パンなど食べていた。「家族みんなでくつろげるし、外食より安くて、お茶も自由に飲めて便利」。この一家は月1~2回程度、利用しているという。

 別の30代の主婦は「ファミレスのようにきれいだし、娘とママ友と一緒のときは買い物ついでに、よくご飯を食べている」と話す。この店では店内調理した総菜だけでも140~160商品ほど並び、値段も100円程度から。イートインは安さだけでなく、料理の選択の幅も広い。

 日本スーパーマーケット協会(東京・中央)など食品スーパー3団体によると、イートインを設置する加盟企業は65.1%(2017年)と拡大傾向にあるという。サミットは全98店のうち80超の店舗に設置しており、さらに増やす。イオンでは、食品売り場に50席以上の飲食スペースを設けた店を20年度までに16年度比2倍の約150店舗に広げる計画だ。注文を受けてから焼くピザを提供する店も増やすとしている。

 もともとスーパーのイートインは買い物のついでに一息入れる場所。最近では、ソファ席を備えるなど、イートインの居心地をよくするスーパーが相次ぐ。

 スーパーをファミレス使いをする消費者が増えてきた背景には、厳しい家計の事情もありそうだ。厚生労働省によると、17年の実質賃金は2年ぶりにマイナス。子供の小遣いも大幅アップは厳しい情勢だろう。

 携帯電話にしても機能は十分で料金が安い格安スマートフォンに消費者は流れている。スーパーのイートインのにぎわいは、「安くて便利で快適」を求める、いまの消費者の志向を如実に反映しているといえそうだ。
(企業報道部 松田崇)[日経電子版2018年2月12日付]

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