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志望業界・企業は合っている?~後悔しないためにも見直しを

ホンネの就活ツッコミ論(52)

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今回のテーマは「志望業界・企業の見直し」です。就活の広報解禁からほぼ半月。学生の皆さんも就活が忙しくなってきていることでしょう。志望業界・企業が固まってきている、という学生も多いはず。そんな中で見直すのは、無謀とか、遅すぎる、という方もいるでしょう。が、3月中だからこそ、見直さないと失敗する可能性が高い学生も少なくないのです。

志望レベルどうこうより、学生が不勉強すぎて

就活生が志望業界・企業を見直した方がいいのは2点。「志望企業のレベルに到達していない」「学生の適性・希望とのミスマッチ」の2点があります。まず、前者から。志望企業のレベルとは、大企業・有名企業で競争倍率が高いのに学生が不勉強、ということを意味します。

先日(3月9、10日)にマイナビ・就職EXPO(福岡会場)に見学に行ったときのことです。日経ブースがあり、飛び入りで少し話をさせていただきました。終了後、ある学生が「日経を読む必要性はわかりました。だけど、株価欄の読み方がわからなくて」と聞いてきたのです。そこで簡単に説明した後、志望業界を聞くと「証券業界です」。目の前が真っ暗になった心境は、社会人読者でないとご理解いただけないかもしれません。別の学生は、三井物産が第一志望、という割にTPPもアベノミクスも理解せず。それで内定を取りたいと言われてもなあ。志望企業のレベルと言ってもそんなに難しい話ではありません。志望企業・業界で必要な知識、特に時事問題・社会情勢については新聞を読んで勉強しておこう、というだけです。

実際、金融志望なら株価欄の読み方は知っている、総合商社志望ならTPPなどを知っている、という学生の方が多いでしょう。大学の偏差値の高低がどうあれ、関連の時事問題・社会情勢を知らないとなるとどうでしょうか。そのマイナスを補う何かがない限り、内定に至るのはほぼ絶望的です。

志望業界・企業を決めたのであれば、やはり面接で口頭試問的に関連質問は出る、と見ておくべきです。そのためにも、先回りして新聞を読むくらいは必要でしょう。TPPを知らない商社志望の学生と会った翌日、また商社志望の学生に会いました。TPPを知っているばかりか、「×社は、ちょっと私のカラーに合わない。▲社はこの間の日経の記事を読んでがっかりしたのでやめました。◎社はアジア重視の姿勢が私に合っているので今のところ第一志望です」とのこと。選んでやっている、という姿勢に若干イラッとした反面、これくらい考えるのが本来の業界・企業研究とちょっと安心したのです。

似たところだと、なぜか旅行会社志望もこうした学生が多いですね。「私は旅行が好きで」と皆さん、お話されるのは10年前も20年前も同じです。「旅行が好きなんだ。で、その旅行に行くとき、ホテルや交通手段はどうやって手配したの?」と聞くと、「楽天です」「じゃらんです」「ホテルのサイトから直接予約しました」などの回答が大半。そこで、「旅行会社は使っていないよね?他の学生もみんな同じでしょ。だったら旅行会社は今後、どうやって利益を出せばいい?あるいは、今、どうやって利益を出している?」と聞いてみます。すると、絶句して回答できない学生が続出します。

別に旅行会社を志望する、それはいいでしょう。出発点は「旅行が好き」、それも問題ありません。しかし、その旅行会社を使わない学生や社会人が増えている中、どういったビジネスで利益を出しているのか、などは知っておきたいところ。合わせて、どうやって利益を出して行くか、自分なりに考えないと、とても内定まではいかないのではないでしょうか。

レベルよりも深刻なミスマッチ

こうした志望企業のレベル違い、どうでしょうか。実はちょっと新聞を読むようにする、あるいは志望企業を高望みしない、など変えていけばどうにかなる可能性があります。この志望企業のレベル違いよりも深刻なのが、学生の適性・希望とのミスマッチです。こちらは企業規模や大企業云々以前に、業界そのものを変えないと就活がうまく行かない可能性が高いです。

と言うのも、学生がいくら希望していたとしても、志望する業界からすれば、適性が合わず採用できないからです。ある農学部の学生は、農学部と関連のある食品メーカー、それもビール・飲料や菓子のメーカーを中心に就活を進めました。しかし、結果は全滅。この学生は、おとなしいタイプでがつがつした営業ができるタイプではありません。実際にその点が敬遠されたから内定に至りませんでした。地味ながらコツコツした作業が好きなこの学生は明らかにビール・飲料・菓子などのメーカーには合っていなかったのです。という指摘をすると、「そうなのですが、当時は周囲がみんな食品メーカー志望だったのでそれにつられてしまいました。確かに言われてみれば食品メーカーに内定を取ったのは、体育会系とか、少なくとも接客系のアルバイトをやっていたとか、そういうタイプが多かったです」と苦い顔。

では、この学生がどこから内定を得たのか。それはIT業界です。IT業界は一時期、叩かれていたほど、ブラックというわけではありません。むしろ、残業が少ない割に好条件の企業が増えています。一部の専門職を除けば出身学部・学科は無関係。それに、コツコツと作業を進めるこの学生は高く評価されたのです。「最初、IT業界は全くノーマークでした。最初からIT業界を目指していればもっと違った結果が出たかもしれません」と振り返りました。

こうした学生は、IT業界以外に食品業界のBtoBメーカーならチャンスはあったかもしれません。たとえば、食品トレーを作っているエフピコ、秤や計量システムを製造しているイシダ、パッケージを製造するザ・パック、梱包機製造のストラパック、トレハロースなど原料メーカーの林原など。こうした企業であれば、食品メーカーと違い、直接、消費者に接するわけではありません。基本的に営業相手の取引先はほぼ決まっています。そのうえで受注量の調整や取引先への提案など、地味なタイプもじっくり取り組める営業をスタイルとしているのです。

地方名門国立の女子学生のミスマッチ

別の合説で出会ったのは、西日本の地方では名門とされる国立大経済学部の女子学生。この学生が当初、志望していたのは関西本社の食品関連企業の一般職でした。「なぜ、一般職なの?あなたの大学なら総合職が多いはずだけど」と聞くと、「関西なら色々と遊べるので関西がいいかな、と。それに、できればあまり転勤のない方がいいので一般職にしました」とのこと。

しばらくすると、ことごとく選考落ち。再び私のところに相談に来ました。「あの、何がまずかったのでしょう?」。そこで以前に志望企業・職種を聞いた際のアドバイスをもう一度話したのです。「前も話したじゃない。あなたの大学からは総合職が多い。で、関西本社の一般職だと、関西の各女子大から応募者が多数いる。その中で、総合職就職の多い大学にいるあなたが一般職って、ミスマッチだよ、と」。

実際に、某企業の採用担当者にこの学生の話をしてみました。「総合職としては採用したかったです。それだけの能力もありましたし。ただ、一般職となると、ちょっともったいない。うちは結果的には女子大ばかりになるので、国立大の彼女を採用しても浮いてしまうのでは? などと考えると、内定までは出せませんでした」。この学生は、今、方向転換をして、総合職を志望しています。

志望業界や志望企業を決める、それが好きとか勤務地にこだわりたい、あるいは、年収・福利厚生などで見るのはいいでしょう。しかし、それらはあくまでも学生側の視点。しかも、そうした視点で選んだ業界・企業がその企業の求める人物像と合っていれば、まだ内定は出ます。ところが、全く合っていないと、どうでしょうか。企業からすれば入社してもすぐ辞めそう、ということで選考の途中で落としてしまいます。学生がそれに気づいて、志望業界・企業を変えれば、まだ就活はうまく行きます。一方、気づかないまま、志望業界・企業に突き進むと、それは就活は失敗してしまいます。

この3月であれば、まだ修正が効く段階です。皆さんの志望業界・企業が合っているかどうか、個別企業説明会・セミナーや合説などを回りながら(あるいは社会人に相談しながら)、もう一度、見直してみる価値はあるのではないでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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