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パーカー全国展開に?~6人6色の新生活と心の声

「わたし」が生まれた、横須賀(5)

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NIKKEI STYLE

こんにちは、八村美璃(はちむら・みり)です! 前回の記事では、仲間と初代ネイビーパーカーを発売するまでのドタバタ劇、販売で感じた無限の可能性についてお話してきました。今回は、高校を卒業したわたしたちの手から、ネイビーパーカーがどう羽ばたいていったのか、大学入学と同時の決断についてシェアしていきます。

卒業までのカウントダウンと、天国の郵便ポスト

パーカー販売から幕を開けた1週間は、まさに高校卒業を飾るにふさわしいほどの、ハードスケジュール。まずは政策コンペでの優勝景品である「横須賀市長への提言」。「パーカーを使っていかに横須賀市の課題解決を達成するか」――。せっかく行政の首長に直接提案できるのだから、「高校生がんばってるね」で終わらせたくない。

しかし、パワーポイントの改善や発表練習にまで構ってくれないのが、ぎっしり詰まったカレンダーの書き込み。市長プレゼン前日が、ちょうど高校最後の球技大会と重なります。欲張り高校生だったメンバーの半分が球技大会実行委員。大会にネイビーパーカーを着て来てくれる友達多くなかった? と嬉しさを共有しながら、着替えとパソコン、大荷物でファミレスへ直行。終電まで続いた提言発表の準備の最中、みんながこっそり意識を失いかけてたこと、まるで昨日のことのように思い出されます。

早起きで迎えた、翌日の市長室。明らかにコンペと違う雰囲気、新聞社の数、6人の顔の強ばり。唯一の支えは、コンペを企画してくれた大学生と、3カ月お世話になった「ヨコスカテラス」のオーナーが見守ってくれていることでした。プレゼンが苦手だったり、アグレッシブなメンバー揃いの中で自分の役割を見失ったり、卒業までにやりたかった他のこととのバランスに苦しんだり......6人それぞれの葛藤があった3カ月間。一人ずつ市長に語りかけるうちに、それぞれが今日までに切り拓いてきた自らの進化を噛みしめました。

限られた時間で伝えたパーカーの活用アイデア(3回目の記事を参照)、そして想いは、ダジャレから始まったこれまでの3カ月を思い出し、泣き虫な6人の瞳から涙がこぼれ落ちました。全員で同じ卒業証書を手にすることができたのは、それから3日後のこと。実は、市長プレゼンと同時期に、学年合唱の伴奏をこっそり準備していました。かつて、ある受験生(わたし)に「二兎三兎も追え」との言葉を贈ってくれた校長先生に、わたしのピアノの音も届くといいな......。何兎も得られた横須賀高校での3年間を添えて、宛先は、天国で。そんな想いを馳せながら、大好きな学校の白い校章を外したのでした(この話をもっと知りたい方は、初回の記事へ)。

全国販売への翼を授けられた、ネイビーパーカー

話を巻き戻すこと球技大会。行事が終わった放課後の職員室に、ある民放テレビ局の番組からのFAXが届いていました。150着売り切ったわたしたちの制服姿が、yahoo!のトップ画面に取り上げられていたと。卒業直前のわたしたちをつきっきりで取材してくれてできあがったその特集は、タイミング良く、卒業式の翌日に放送されました。

あのダジャレ物語が横須賀から全国に飛び立った衝撃と影響は、耳の中が桜メドレーを繰り返す余韻に浸ることを許してくれるほど、小さくはありませんでした。目の前に流れる映像と、目の前に広がるリアルな景色が重なる、そんな貴重な体験へとネイビーパーカーは連れて来てくれました。Twitterで検索すると、たくさんの「欲しい!」の声。嬉しい声も、より多くの応援も、2ちゃんねるで叩かれてることも、この3カ月の流れに追いつかないのか、自分たちの身に起きていることだと信じられない。

その現象に更に拍車をかけるように、「NAVY」の商標登録を持っていた企業から、パーカーの全国販売の打診が。全国410店舗で、ヨコスカネイビーパーカーを取り扱おうとという企画を連絡してくださったのです。しかしながら、この一連の渦の中で、たった一つ明確に沸き起こった感情がありました。「『女子高生がパーカー作りました!』だけが、ヨコスカネイビーパーカーの可能性ではない」と。

わたしたちが意識を失いながら準備したパーカーをツールに地域を盛り上げる政策、この内容が伝染していくことは、話題の広がるスピードの速さにどうしても伴いません。コンペが終わった以上、その政策に捕らわれる必要はない。ネイビーパーカーという存在がただ有名になればいいのでは? 通販で全国展開しちゃいなよ! 起業しちゃいなよ! 突然、自我が芽生えて飛び立ったようなネイビーパーカーが持ち帰ってくる、様々な声。見失わないように埋もれた自分の気持ちを探ってみるかのごとく、あの書き殴ったノートのページ(2回目の記事参照)を見返しました。

「ネイビーパーカーの可能性がお土産で止まったら、市民が食べない観光名物と同じだ」

賞味期限すれすれの「女子高生」というブランドを、遺憾なく使わせてもらった。幸運なことに、たくさんの人に知ってもらえる機会が幾度も訪れた。だけど、本当にやりたかったことってなんだろう。ずっとこだわってきた「観光客」から「市民」に目を向けた取り組み。わたしたちが描いた「本物」のネイビーパーカーは、まだこれからなんだ。商標登録の件のお礼を兼ねて向かった、オフィスの明るい蛍光灯の下、気づけば全国販売のお話を辞退していました。

6人が全く別々の進学先。これまでの3カ月のように、毎日一緒には居られない。周りの期待とは裏腹に、仲間と離れる不安、そしてやりたいことはその先にあるという悔しさと共に、大学の白門をくぐることとなりました。

これから始まる4年間と、ダジャレ物語の行方

入学式を終え、6人揃うことはどんどん減っていきました。全国販売の話を断ったのは、横須賀で販売しなければできない「その先」があったから。でも、まだ右も左も分からない新生活が始まった自分たちに、その挑戦と最後まで向き合えるのか。翼の生えたパーカーの手綱を、これからどう引っ張って行くのか。「もうこれで十分満足、大学で新しい自分の挑戦がしたい」というメンバー、「まだネイビーパーカーと進みたい」というメンバー、「そういえばわたし逗子市民だった、交通費辛い......」と我に帰るメンバー。それぞれの想いが、交錯します。「ダジャレを生んでしまったリーダーとして、わたしはどこに進みたいのか」、自分にとっても、みんなにとっても、これは大学入学後の青写真を描く大きな決断なのだというプレッシャーから、素直な心の声を表現できませんでした。

「それで、美璃はどうしたいの?」

絡まって詰まった言葉を飲み込んでは、よく考えた上で、よく考えても結局分からないなら本能に任せるという、持ち前の「まいっか。」精神を言い訳に、ようやく心の声を引っ張り出しました。

「ヨコスカネイビーパーカー第2章、やりたい。」

次回、大学生活の狭間で揺れるネイビーパーカーの行方、そしていよいよ活動の幕を閉じるまでについてお話します。ぜひ懲りずに、最後まで読んでください!笑

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