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career-働き方

「開成→東大→起業」東大生の成功パターン変わる
マネックス証券・松本大社長

「開成→東大→起業」東大生の成功パターン変わるマネックス証券・松本大社長

 東京大学の学生や東大出身者の起業が目立つようになってきた。卒業生がスタートアップに就職・転職する例も増え、キャンパスのある文京区本郷では「本郷バレー」の形成が始まった。官庁や大企業、医師や弁護士などの専門職に進むのが一般的な東大生の意識は変わりつつあるのか。先輩起業家として後輩の相談相手にもなっているマネックス証券の松本大社長に聞いた。

マネックス証券の松本大社長

 ――東大生の起業が増えています。

 「最近本郷で、とくに人工知能(AI)などを使った工学部系のスタートアップが増えてきた。東大出身者のスタートアップのエコシステム(生態系)ができつつあると注目している。スタートアップの多い渋谷や六本木に続き、今後本郷でもコミュニティーができてくるのではないだろうか。東大発のスタートアップに対して資金面も含めて様々な支援を考えていきたいと考えている」

 ――東大生の意識に変化は感じますか。

 「昔と比べ、官僚よりベンチャー志向の学生も増えてきた。環境の変化に柔軟に対応していると感じる。最近の学生は(スタートアップで必要とされることが多い)プログラミング能力も高い。スタートアップで成功する先輩や友人が周りで増えているのを背景に、東大生の認識する『成功パターン』が変わってきている」

 ――学生や若い世代とどのように関わっていますか。

 「開成高校の金融界OBで構成する『金融開成会』の副会長を務めている関係で、年に数回は高校へ行って現役生に気づきを与える会を開いている。開成から東大に進んだ後に起業する後輩も出てきている。東大では経済学部の授業などに呼ばれて講義をする機会がある。学校関係以外でも、ベンチャーキャピタル(VC)のスカイランドベンチャーズの木下慶彦さんが東大生を含む学生起業家をよく当社に連れてくる」

 「学生からの質問には幅がある。例えば『大学時代何をやったらいいのか』というものから、もう少し具体的に『仮想通貨についてどう思うか』、すでに起業している人からは『どうファイナンス(資金調達)をしたらいいか』などの質問が来る」

 ――東大生へのアドバイスは。

「可能性は無限大にある。小さく満足しないようにしたほうがよい。経営など時間とともに身につくものもあるが、新しい技術が必要な分野では経験や年功は関係ない。優秀なエンジニア(技術者)は若くても非常に優秀だ。年を気にする必要はない」

 「ただ、起業にはいろんなタイミングがあっていい。東大生に優秀な人はたくさんいるが、若いうちに先取りしすぎて終わってしまうケースもある。才能や持っている可能性をしっかりと育てることが大事だ。社会に出て事業を大きくし、自分の才能を使い切ることを意識して進んでほしい」
(聞き手は企業報道部・佐藤史佳)[日経電子版2018年2月19日付]

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