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観光コンテストで4冠獲得、そして未来へ

八ッ場に恋したダム女子たち(6)

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NIKKEI STYLE

こんにちは!私たち跡見学園女子大学篠原ゼミの連載も、ついに最終回を迎えました。前回まで、昨年私たちが1年を通して取り組んだ「建設中の八ッ場(やんば)ダムとその周辺を元気にする取り組み」の4つのプロジェクトをご紹介してきました その総まとめが「大学生観光まちづくりコンテスト」(通称「まちこん」)への挑戦です。このコンテストでは、なんと!参加したインフラツーリズムステージで、観光庁長官賞、地域リノベーション賞、水資源機構賞、パフォーマンス賞の4冠をいただく結果となりました。今回はコンテストについて「まちこん ダム女子チーム」のリーダー佐々木瑠菜が報告します。

「まちこん」挑戦の最初の難関はパワポ作り

篠原ゼミでは毎年、この「まちこん」に参加をしています。まちこんというのは、「大学生が観光を通じた地域活性化プランを競うコンテスト」です。昨年は八ッ場のプロジェクトの決起集会を控えた7月ごろに準備を始めました。まちこんには地域やテーマ別に4つのステージがあり、エントリーを決めたインフラツーリズムステージは、公共インフラや歴史的インフラ(遺構)を活用したまちづくりプランを考えるというものです。私たちは八ッ場ダムという公共インフラを題材に、1年間取り組んだことをドキュメンタリータッチで成果発表することに決めました。ゼミ内の各プロジェクトから集まった総勢8人でコンテストに挑む「まちこん ダム女子チーム」を立ち上げ、プラン作成に取りかかったのです。

まずはまちこんでの企画内容の方針を決め、次は企画書とプレゼン用のパワポの作成です。どちらも作成していく上で、わかりやすく、伝わりやすく、視覚に訴えるようなものを目指しました。というのもこのコンテストでは、企画書とパワポの内容が、書類審査による予選を突破して本戦に進めるかどうかを決めるからです。企画書作成にも時間はかかりましたが、それ以上にパワポ作成が難航しました。

どういう構成で進めていくべきか。レイアウトをどうすると伝わりやすいのか。企画書はあるのに、それをパワポ上でどう表現するべきかわからない状況で、チームメンバーのみんなで頭を抱えながら、会議を重ねました。パワポ作成を意識するあまり、企画内容が的外れな方向を向いてしまうこともあり、何度もこのプロジェクトの意味を突き詰め、コンテストの趣旨からぶれないように振り返りを行っていました。

渾身の提案は「グンマーライオン」と「レインヴィーナス」

まちこんでは「観光の枠にはとらわれない自由な発想」と「地域資源を発掘・活用し、地域自体が大きく活性化するような企画」が求められており、評価を左右する項目でもあります。つまり、これまでプロジェクトで取り組んできたことだけでなく、コンテスト向けに新しい提案を考える必要もあったのです。

しかし、新たな提案を考えるのはそんなに簡単なことではありません。私たちは他のダムでの成功事例や、「インスタ映え」する対象などの研究にも、とことん時間をかけました。調査したものをチームメンバーで持ち寄り、何度も話し合いを繰り返し、やっとの思いで5つの新規提案を作り上げました。全員で作り上げたこの提案は、自信をもってステージでプレゼンできるものでした。そんな渾身の提案の中から2つ、紹介します。

まず1つめは「『ぐんまちゃん』の口から観光放流」。八ッ場ダムを世界一のインフラ観光の拠点とするための大胆な提案です!いくつかのダムでは観光客向けにダムの放流を行っていますが、私たちの提案はダムのある群馬県のゆるキャラ「ぐんまちゃん」の巨大な絵をダム本体に描き、その口から放流してもらうようにするものです。人呼んで「グンマーライオン」。シンガポールの観光名所、マーライオンのように話題になれば、八ッ場ダムだけでなく群馬県の名前までも世界に発信できると考えました。 

2つめは「渇水で現れるレインヴィーナス」。2019年度中に八ッ場ダムが完成すると、カヌーやウインドサーフィンなど様々なアクティビティができる湖が出現します。しかし、夏のダムには渇水がつきもので、時には水没した町役場跡などが出現し話題になります。渇水になれば水辺を利用した観光アクティビティができなくなる。そんな弱みを強みに変えるべく、渇水時には事前に沈めておいた雨乞い女神像の「レインヴィーナス」がダム湖から出現させるようにします。これも話題になれば見学者が拡大し、夏のダム観光の課題の解決につながるでしょう。

いかがですか。もちろん提案には実現が難しいものもあります。私たちの提案がどこまで採用されるかはわかりませんが、少しでも八ッ場ダムと、地元である長野原町の将来に向けた力になれたらうれしく思います。

重ねたプレゼン練習の成果が最優秀賞

締め切りまでに企画書とパワポを無事に提出することができたダム女子チームでしたが、休むことなく本戦用プレゼンの練習を始めました。ここまで苦労しても、プレゼン発表がボロボロならば元も子もありません。私たちを焦らせたのは、チームメンバーのほとんどがプレゼンの初心者だということです。予選の書類審査の結果が出てから練習しても遅いと考えた私たちは、結果が出る前から早々と原稿を作り、プレゼン練習を行いました。

9月の初めに無事本戦進出が決まってからは、チーム一丸となってほぼ毎日のプレゼン練習です。まちこんのステージに立てるのは8人中5人まで。得意不得意を考え、原稿を作成する人、発表で使用する小道具を作る人、審査員との質疑応答を考える人。全員が何らかの形で活躍できるよう、「優勝」を目指して必死に取り組みました。

9月15日にさいたま市で、インフラツーリズムステージの本戦である成果発表会が開かれました。そこではなんと、最優秀賞である観光庁長官賞をはじめ、地域リノベーション賞、水資源機構賞、当日の観客の方が投票して決めるパフォーマンス賞の4つをいただくことができました!これは今までの篠原ゼミでは初めてのことです。

コンテストを終えて振り返ってみると、本当に多くの方に支えられて手にできた賞だと思います。グループが一丸となったこと、指導してくださった先生やアドバイスをくれた先輩方、友人。そして長野原町の関係者の方々の協力、どれか一つでもかけていたら達成することはできませんでした。

この経験は、何にも変えがたい貴重な経験です。苦労の先にまた苦労があるようなコンテストでしたが、チームのみんなが成長できました。本当に参加してよかったと思います。春からみんな4年生です。私たちはこの篠原ゼミで活動をしてきた成果を信じて就職活動も頑張りたいと思います。

ここからは、シリーズの初回を担当した高濱にバトンタッチします。

私たちが八ッ場ダムプロジェクトで学んだこと

普段、私たちは大学の授業を通して「観光」の重要性や、地域振興の意義を学んでいます。今回の八ッ場ダムプロジェクトはまさに、「観光を活用した地域振興」そのものであり、実践的な活動の場でした。

長野原町の歴史、観光資源などの勉強を通して課題を発見する。課題の解決案を地元の人と本気になって話し合う。提案は、それ自体が現実的な意味を持たないといけません。時間も限られています。そんな状況での活動は正直、焦りと隣り合わせの毎日でした。しかし、このプロジェクトで得たものはとても大きく、長野原町の優しい方々との出会いも本当にかけがえのないものになりました。

初回の冒頭で少し触れましたが、私たち篠原ゼミ生から3人が、この冬に長野原町で開催された「炎のまつり」に女神と巫女役で参加してきました。極寒の中でのお祭りは鼻が真っ赤になり、指先も凍りそうになるほどでした。しかし、役目を終えた後に長野原町の方から、暖かいスープをいただきました。夜のご飯には町の方が集まった場に参加させていただき、楽しいひと時を過ごしました。プロジェクトがひと段落ついた今でもこのような関係が続いていることは本当にうれしいです。

今回のプロジェクトは、自分の将来について考えるきっかけにもなりました。私は観光に携わりながら、どこかのため、誰かのために、自分の知識や経験を生かせる仕事に就きたいたいと思います。苦労はもちろんありますが、その先には誰かの笑顔や、関わった地域の将来を支えられるやりがいがあるでしょう。

世界には課題が山積している国、地域がたくさんあります。私は世界に目を向け、まだまだ助けを必要としているような地域の発展に携わっていけるような仕事に就きたいです。

こんな貴重な経験を与えてくれた環境に感謝しています。篠原ゼミが今後もいろいろな分野に挑戦し、あらゆる可能性を生み出せるよう、後輩にも受け継いでいきたいです。長野原町や八ッ場ダムは可能性に満ち溢れた地域です。観光の形態は変わり続けます。ダムが完成すればもっと変わるでしょう。ここまでで終わらず、今後も長野原町と八ッ場ダムをゼミ全体で応援していければと思います。

今までの連載を通してお伝えしてきた八ッ場ダムには、長野原町の住民の方や建設現場の方、そして私たち学生の夢がたくさん詰まっています。ぜひ、一度足を運んでみてください。長野原町の暖かい方々がお待ちしております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。八ッ場ダムを日本一のインフラツーリズムへ!

篠原ゼミ ダム女子一同

(跡見学園女子大学 まちこんリーダー 佐々木瑠菜 副ゼミ長 高濱希衣)

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