インターンinベトナム(2)死闘!吉野家! ベトナムで過ごした1週間

こんにちは! 明治大学「チーム吉野家」メンバーの山口実紀です。私からは、念願のベトナムに到着した初日から4日目までの怒涛の日々についてご報告したいと思います。最後までお付き合いいただけると幸いです。
遂にベトナムへ!

いよいよベトナム・ホーチミンに到着しました! 雪が降っている東京とはうって変わり、ベトナム南部に位置するホーチミンはとても暑く、気温は30度を超えていました。ほどよい緊張感もありつつ、初めてのベトナムという国や、まだ見ぬベトナム人学生との出会いに高揚していた私たちでしたが、ベトナムでの7日間は想定外の出来事続きでした。ベトナムに到着した1日目は、生活面やスケジュールなどのオリエンテーションを受けた後、ベンタン市場というホーチミンで最大の市場に行きました。ベンタン市場では洋服や日用雑貨から野菜や魚といった食品まで、たくさんのものが売られていて目移りしました。
その後、明治大学のOB・OGの方との食事会に参加しました。なぜベトナムで働こうと思ったのか、異国の地で働くことの苦労や楽しさなど、貴重なお話をたくさん聞くことができました。お話を伺って私が一番印象に残っていることは、大変だったときのお話をされていても、先輩方の表情がとてもいきいきしていたことでした。こんな風に楽しみながら仕事をでいることは、何物にも代えがたい大切なことなのではないかと感じました。
2日目の朝は戦争歴史跡博物館を訪れました。日本の博物館とは異なり、ショックを受けるような写真が展示されており衝撃を受けましたが、二度とこのような悲惨なことを起こしてはならないと改めて痛感しました。その後、何とか気持ちを切り替え、いよいよベトナム人学生が待つホーチミン工科大学へ。
私たちのチームに協力してくれるゴックさん(女性)と、日本語が少し話せるチュンさん(男性)のとは、ベトナムに渡航する前から連絡は取り合っていたものの、実際にお会いするのは初めてです。はじめは少し緊張しましたが、いざ話してみるととっても明るく、つたない私たちの英語に付き合ってくれる優しい方々でした。
今回のプログラム趣旨や、私たちが日本で考えてきた動画のストーリーボードを説明し、ゴックさんには主人公の女性を、チュンさんには乾燥、埃といったお肌の敵役を演じてもらうことをお願いしました。ここを断られてしまうと、別のベトナム人の方を探したりしなければならないため、緊張の一瞬でしたが、2人とも照れながらも承諾してくれました。
また、日本でベトナムについてたくさん調べた知識で考えたストーリーボードのため、日本人ならではの考えが無意識のうちに入ってしまっているのではないかと不安がありました。私たちはベトナムの女性で、しかも化粧品について勉強しているというゴックさんに、ベトナム人に魅力的に見せるためにはどうしたらいいかを教えてほしいと頼んだのです。ゴックさんからは「明日までにまとめておく」との返事をもらい、幸先の良いスタートに安心していた私たちでした。ところが、このことがチームにとって波紋を呼ぶことになるのです......。
自分の特性とは......
その後、ホーチミン工科大学を離れ、日本人が経営する「Huong Lai」というレストランに行き、経営者の白井さんによる講演を拝聴しました。Huong Laiでは、社会的に恵まれない若者を雇い入れ、給与以外に学費や医療費なども支援し、一人前にして社会に送り出すことを理念に掲げています。私が白井さんの講演会のなかで特に印象に残っているものは、「特性を生かし、自分の可能性を追求するためには、特性を「若者の特性」「日本人の特性」「個人の特性」に分けて考えてみることが大切である」というお話です。今まで自分の特性についてぼんやりと考えてみたことはあるものの、前述のように3つに分けて考えたことはなく、この考え方はこれから先、私という人間を考えるうえで非常にためになると思いました。白井さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
まさかの第2ストーリー!? さらに...

3日目は、ロート製薬ベトナムの工場見学。研究職の方などはベトナム人がほとんどでしたが、やはり従業員を束ねているのは日本人でした。管理職と従業員の距離が近い環境ならではの苦労や楽しさなど、貴重なお話をたくさん伺うことができました。
その後、ホテルに戻り、ゴックさんとチュンさんを含めた会議です。昨日お願いしていた改善案をゴックさんが見せてくれたのですが、それがこれまで私たちが考えていたストーリーボードとは全く異なるものでした。さらに、ゴックさんのストーリーは、以前日本で私たちが考え、フィードバックであまり良い評価をもらわなかったストーリーと類似していたのです。
戸惑った私たちでしたが、今までのストーリーボードとゴックさんのストーリーボードを融合させるということにし、必死にストーリーを練り上げました。日本での苦い記憶から、最終的にゴックさんのストーリーボードの要素は少ししか入れることができませんでした。それに対して嫌な顔一つせず理解を示してくれ、ゴックさんたちの姿勢に応えるためにも、良い動画を作成しよう! と決意を新たにしました。
4日目はいよいよ撮影日です。撮影日はこの日を含めて2日間しかなかったため、まずは公園でのシーンを優先させることにし、早朝から公園に向かいました。暑さや徹夜明けの疲労に耐えながらも、順調に撮影が進んでいた頃、公園の警備らしき人が現れ、ここは私立の公園だから撮影許可を取る必要がある、と言われました。そこで、引率のニャットさんとリーダーの吉野さんが、500,000ドン(日本円にして2500円ほど)のお金を支払い、許可を取ってきてくれました。撮影は一時中断したものの、公園でのシーンはほとんど撮り終わり、明日の午前中に取り残した公園でのシーンを撮り、あとはホテルでのシーンを撮影するのみとなりました。撮影日が2日間しかないことに不安に覚えていましたが、この日の撮影が順調に進んだため、少しホッとした気持ちで公園を出発しました。
ホテルに戻った私たちは仮編集ムービーをプレゼンするために、その日撮影した映像の編集作業にとりかかりました。そして、ロート製薬様へのプレゼンの後に頂いたフィードバックは思いもよらないものでした。なんと、選定商品であるクリームの形状が、違うということが発覚したのです。私たちが撮影に用いたクリームはチューブタイプのものでしたが、ベトナムで販売しているものはボトルタイプのクリームだったのです! この指摘を受け、ロート製薬様が急遽ボトルタイプのクリームを明日の朝までに用意してくださることになりました。明日は公園で撮り残したわずかなシーンとホテルでのシーンのみ撮影のはずが、今日撮影したものでもクリームが登場したシーンは撮り直す必要が出てきたのです。
撮影日が残り1日となってしまった5日目から涙の最終日までの日々については、同じく班員の菅原がご報告します。
一難去ってまた一難!?
「チュントイ ケートゥクァランザー!(我々は肌の敵だ!)」と劇中で叫んでから早くも1カ月。あの悪夢の、失礼。怒涛の1週間のことが、いまだに脳裏に焼き付いて離れない吉野家の菅原渉隆です。ここからは私が、吉野家の波乱万丈な武勇伝? 見聞録? をしたためさせていただきます。
まさかの商品の形状が違うという事実が発覚し、意気消沈しつつも前を向いて進みだしました。しかしその12時間後、再び事件は起こりました。翌日午前7時30分、快晴の空のもと前日に引き続き公園へ向かい、撮影を始めようとしていた矢先、公園の撮影許可がおりないという緊急事態が発生。ただでさえ、一から撮り直しをしなければならず時間の猶予のない私たちにとって、とどめの一撃と言わんばかりの大事件です。
この時はさすがに課題を投げ出したくもなりましたが、こうも矢継ぎ早に試練が押し寄せてくると人間不思議なもので、自然と笑みがこぼれ、不安を抱くよりも先にやるしかないと前向きになれました。俗にいう開き直りですね。完全に開き直った私たちは、代替の撮影場所を探して移動、なんとか撮影を開始することができました。前日に一度撮影を経験したこともあってか、比較的スムーズに撮影は進みましたが、私は冷静ではなかったです(笑)。浮足立ちながら、慌てふためきながらの撮影で、チームのみんながいなければ、どうなっていたことやら......想像しただけで震えます。紆余曲折を経て、必要なすべてのカットを撮影し終えたときはホッとしました。ホテルまでのタクシーではみんな寝不足と緊張の糸が緩んだこともあってか爆睡でした。
超絶怒涛の編集作業!
撮影が終わり胸をなで下ろしたのも束の間。翌日に控える企業へのプレゼンテーションに備え、編集作業が始まりました。しかし、連日連夜の寝不足による眠気、気温30度を超える炎天下での撮影を敢行したことによる疲れがピークい達していました。満身創痍の状態で臨んだ慣れない編集作業は、いたずらに時間だけが過ぎ去ました。私たちは交代で睡眠をとりながら、2人ずつ編集作業に当たりました。私は編集作業中、話しながら寝たりしていました(笑)。限界を超えると話しながらでも寝られるんだなって、我ながらびっくりしました。
そんなこんなありながらも、ギリギリのところで仮編集を終えることができ、私たちはプレゼンテーションへ挑みました。結果は、惨敗。ビジネスの厳しさ、広告の難しさを目の当たりにし、自分たちの未熟さを痛感した反面、思ったよりも企業の方の感触がよく、手ごたえも感じることができました。
とはいえ、課題は山積みで迅速な改善が不可欠です。新たなシーンの撮影、シーンの差し替え、再編集を6時間後に迫る最終承認までに終わらせなければならず、タイムリミットは刻々と迫ってきていました。そんな最中、再び私たちを悪夢のような出来事が襲います。動画編集作業をしていたパソコンがフリーズし、操作不能になってしまいました。私は主として編集に携わっていたのですが、この時は茫然として、動けなくなってしまいました。嘘だろ! って思いましたし、もう無理だって諦めかけていました。しかし、幸か不幸かどのチームも動画をアップロードするクオリティーに届いていなかったため、提出期限が先延ばしになり、私たちは首の皮一枚繋がりました。今回は企業の方々の寛大な措置に救われましたが、ビジネスの世界ではありえないことであり、あってはならない事態で、私たちの至らなさや無力さが顕著に表れた瞬間でした。
踏んだり蹴ったり
恵んでいただいた貴重なアディショナルタイム。なんとしてでも完成させなければならないと、消えかけていた闘志に再び火がともりました。前夜同様、交代しながらの編集作業が夜通し続きましたが、ここで再びトラブルが......。午前3時、前述のパソコンのフリーズが影響したこともあってか、編集中の動画ファイルが一部破損していることが発覚。まさに泣きっ面に蜂。もう泣き寝入りする余裕もなく、重い瞼を持ち上げながら必死の編集作業が続きました。何とか動画を完成させ、企業の方々から最終承認を頂くことができ、無事動画をアップロードすることができました。一時は動画の完成が危ぶまれ、何度も打ちのめされそうになりながらも、1本の動画をチームで協力し、多くの方々に支えられて作り終えることができたことは感慨深いものがありました。
次のステージへ駆け上がろう
1つのことをやり遂げることがこんなにも苦しく、こんなにも楽しいことであることを体験し、ビジネスの世界を一部ではあります身をもって知ることができました。このことは、私たちの今後の学生生活、そして将来に向けて非常に意味のあるものでした。私たちはそれぞれが抱く夢や将来設計に向け、次に何をすべきかを考えて前へ進んでいくことが求められています。そのことを改めて認識することができました。
ちなみに私の次の目標は、参加している「明治大学シェイクスピアプロジェクト」の広報として、プロジェクトの魅力を発信し、多くの方に見て聞いて興味を持ってもらえるようなプロモーションを展開し、観客動員数4000人を超えることです。
といったところで私の話は終わりにして、次はいよいよ大トリ。我らがリーダー妃菜さんです! 皆さん、最終回もぜひご覧ください。
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