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おしゃれは革靴から 履きこなしのコツ

おしゃれは革靴から 履きこなしのコツ

 ビジネスパーソンの身だしなみで、おろそかになりがちなのが靴だ。特に男性は革靴の選び方や磨き方が不慣れなケースが多い。色や形、デザインなど種類が多く、時や場所に応じた選び方をしなければ知らないうちにマナー違反になる恐れもある。おしゃれの基本はまず足元から、ということで男性の革靴の履きこなしのコツを探ってみた。

革靴は状況に応じて色やデザインを使い分ける(東京・中央のマドラス銀座店)

 革靴で最も基本とされるスタイルは「黒色・内羽根・ストレートチップの組み合わせ」と指摘するのは、革靴製造大手マドラスの直営店、マドラス銀座店(東京・中央)の荻原伸吾店長。ひもの穴が並ぶ甲の部分が縫い付けられて大きく開かないタイプを「内羽根」、つま先に横線の縫い目が1本入ったものを「ストレートチップ」と呼ぶ。この2要素に黒色を合わせたものが最もフォーマルで冠婚葬祭にも適しており、1足は用意しておきたい。

 時と場所によっても適した靴、履き方は異なる。結婚式など晴れの場ではよく磨き込んでピカピカにツヤを出すのがよい。一方、葬式ではクリーナーを使いツヤを控えめにするのが基本だ。一般的に靴ひもタイプよりカジュアルとされるストラップのものは冠婚葬祭には向かない。

 職種や年齢によっても異なる。金融業や公務員などの職業では、前述の「黒色・内羽根・ストレートチップ」が無難だ。つま先は縫い目のない「プレーントゥ」タイプもいい。IT企業や内勤の職種ではカジュアルなスタイルが許される場合も多く、茶系の色やストラップタイプ、ローファーでもいい。

 若いビジネスパーソンで革靴に慣れていない間や、営業などで歩く機会が多い人はラバータイプの靴底がおすすめだ。革の底に比べて軽く滑りにくく履きやすい。管理職やあまり外出しない職種の場合は、よりフォーマルな印象を与える革の靴底がベターだ。

 4月から新社会人となる人は、どんな靴を何足用意すればいいのだろうか。革靴は1日履くと足の汗を吸い、使い続けていると傷みを早める原因となる。最低でも1日は靴を休ませる必要があるため、ローテーション用に2~3足は持っておきたいところだ。

 最初に買った方がいいのは黒のストレートチップかプレーントゥタイプ。2足目からは職種に合わせて茶色系の靴や防水性能の高いものなどを買うとよい。一度に複数足を買うことになるため、高価すぎるものよりも2万円前後のものが一般的という。

 見逃しがちなのがスーツとの合わせ方だ。男性衣料専門店の阪急メンズ東京(東京・千代田)で会員制スタイリストサービスを手がけるパーソナルサービス部の山口亘祐部長によると「迷ったら靴は黒かダークブラウン。合わないスーツはない」と話す。靴の色が薄いほど足元が軽く見え、スーツを合わせるのが難しくなると指摘する。

 靴下の色選びも大事だ。靴下は「ズボンと靴をつなぐもの」(山口さん)。ズボンに合った色の靴下をはくと足が長く、きれいに見えるという。ネイビー系統の色がどの色にも合うそうで、素肌を見せるのは適していない。くるぶし丈のものなどもおすすめできないという。

 最近はカジュアルな服装で仕事をすることを勧める会社が増えている。靴はどこまでくだけていいのだろうか。山口さんは「カジュアルスタイルの時は変に足元が堅いと逆に浮いてしまう」と指摘する。ローファーやストラップタイプのものが適していて、カジュアルで色も茶色系がおすすめだ。ただ夏場でも職場でスリッパをはくのはマナー違反なのだそうだ。

 革靴は決して安い買い物ではない。ただ自分に合ったものをきちんと選べば長く使い続けることができる。

東京・新橋の「靴みがき本舗」店長の藤田氏に聞く 10分磨き、長持ちのコツ

 どんなにいい靴を買っても、手入れを怠ってしまえば宝の持ち腐れだ。きれいに長持ちさせるためには丹念な靴磨きが必要だが、毎日しっかり磨く時間が取れないというビジネスパーソンも多い。東京・新橋の靴磨き専門店「靴みがき本舗」の藤田章一店長に手軽にできる靴磨きやきれいに履き続けるためのコツを聞いた。

 磨いた靴の数は7年間で5万足以上という藤田さん。一見、手間がかかるようにみえる靴磨きだが、基本的な手順は3つで、10分ほどで終わらせることができるという。個人で手入れするのに用意するのはブラシと靴クリーム、綿地の布だ。

 《ステップ(1) ブラシで汚れを落とす》

 柔らかい馬毛製のブラシを使い、ホコリなど靴全体の汚れを落とす。フチ周りの隙間に特に汚れがたまりやすく、重点的にブラッシングするといい。靴ひもを外してベロの部分の汚れを落とすのも忘れずに。

 《ステップ(2) 靴クリームを塗り込む》

 クリームは靴と同色かより色の薄いものを選ぶとよい。それを布地にのせ、靴全体に薄く塗り込んでいく。革に栄養を与え、ハリを復活させる効果がある。事前のブラシがけが不十分だと革にきちんとクリームを浸透させられない。布地は古くなったTシャツの切れ端でもいいという。

 《ステップ(3) 布でカラ拭きする》

 (2)で使った布の乾いている部分で全体をカラ拭きすることで、余分なクリームを落としツヤを出すことができる。引っかかりがなくなって、なめらかになるまでがカラ拭きの目安だ。

 (1)~(3)の手順は、歩く際にしわができやすい足の甲の部分は特に重点的に行うといいそうだ。毎日、帰宅後に軽くブラッシングをするだけでも傷みを抑えることができる。スポンジとクリームが一体になった塗るだけの商品は、逆に傷みを早めることもあるので避けた方がいいという。
(企業報道部 井口耕佑)[NIKKEI STYLE 2018年3月6日付]

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