日本経済新聞 関連サイト

OK
skill up-自己成長

ウィッフルボールに魅せられて(3) 野球が「おじさんのスポーツ」になったわけ

ウィッフルボールに魅せられて(3)  野球が「おじさんのスポーツ」になったわけ
authored by 森崇瑛

 野球大国の日本。ですが、近年野球人気が低下していると言われています。プロ野球の観客動員数は増加していますが、地上波でのテレビ中継は減少し、野球の競技人口は、下図のように急速に減少しています。

 他の競技に比べても異常なスピードで減少していることがお分かりいただけると思います。特にその中でも、小学生、中学生の競技人口の減少が深刻であると言われています。小、中学生の競技人口が減少しているということは後に高校生の競技人口も減少していき、そして競技人口の減少に伴い、プロ野球の競技レベルも低下し、また野球人気の低下に拍車がかかる...。今現在、日本国内において野球は「負の連鎖」に陥っていると言えるでしょう。

 私自身、小さい頃から阪神タイガースの大ファンで、小学生の頃から野球をプレーし、現在も大学のサークルで野球をしているほど、野球が大好きな人間です。ですので、近年のこの野球人気が低下している状況を何とかしたい、と思っておりました。そして、自分なりに「野球人気が低下した理由」を分析してみました。

 その理由こそが「ウィッフルボールを普及させたい理由」にもつながるのですが。

「国民的スポーツ」から「おじさんのスポーツ」に転落

 私自身、京都大学の野球サークルの代表をしていたこともあって、よくサークルの女の子に野球が好きかどうかだったり、野球のイメージだったりを聞くのですが、「野球っておじさんがやってるイメージ」とか、「サッカーとかと比べるとちょっとださい」という風に言われたりします。野球サークルのマネージャーですら、そう言うのですから、間違いなく世間にそう言ったイメージを持たれているのでしょう。

理由その1)ダサいイメージが定着

 この「ダサい」イメージこそが野球人気低下の原因、一つ目だと考えます。では、「ダサい」イメージはどこから来るのか。

 間違いなく、「坊主の強制を筆頭にした、軍隊主義的指導の名残」だと思います。スポーツとは本来、「楽しむため」のものであり、近年、他の部活では、そういった「怒らない」指導に変わってきています。その一方、野球では、坊主を強制させ、指導者に絶対服従を誓わせ、叱責と罵倒を繰り返すことで恐怖心によって生徒たちを支配する、そういった指導が未だにまかり通っています。

 私自身が所属していた野球部もそうでしたし、サークルの人たちに聞いても皆そういった指導を受けていました。私の周りの野球部に所属していた人の大半が「野球が楽しくなかった」と言います。これは異常なことだと思います。野球は時代の流れに取り残されている、端的に言って「時代遅れ」なスポーツになりつつあると思います。

理由その2)取り巻く環境が変化

 そして、野球人気低下の原因二つ目。それは、「野球を取り巻く環境が変化していること」だと思います。

 その一つが、「野球ができる場所の減少」です。今やほとんどの公園が「野球禁止」」ですし、昔みたいに近所の空き地で野球する、というようなこともできなくなりました。野球を好きになる取っ掛かりともいえる、キャッチボールすら禁止されている公園が大半なので。野球をしようと思えば、有料のグラウンドを抽選予約して、運よく抽選に勝ち抜くしか方法がありません。野球する場所がなければ、競技人口が減少していくのは仕方がありません。

 そして、もう一つの環境の変化が「少子化」。

 言うまでもなく、野球は一チーム9人最低でも必要です。少子化に伴い、チームを作ることが難しくなってきました。私が小学校の頃は、各小学校に一つ、必ず少年野球チームがあって、学年ごとにチームを組んでいたのですが、最近はチームを組むのが難しく、野球部がない、というような小学校も増えているそうです。野球をやりたい子はレベルの高い、地域のクラブチームに所属するしかない、という状況もあるそうです。

 時代の変化、環境の変化、こういったことは我々にはどうしようもない側面もありますが、子供たちが野球をやりたくてもできない環境に変わってきているというのは紛れもない事実だと思います。

理由その3)趣味・娯楽の多様化

 そして、最後に、野球人気低下の理由、三つ目。「趣味・娯楽の多様化により、プレーへのハードルが高い野球が選ばれなくなった」ことだと考えます。

 インターネットの普及により、人々は様々な媒体から情報を得るようになりました。「テレビ一強」の時代が終わり、人々は野球や相撲以外にも様々なスポーツ、そして他の娯楽を知り、触れることができるようになりました。単純に、多くの人にとっての選択肢が時代の変化によって増えたために、野球が選ばれにくくなってしまったのです。いくら選択肢が増えたとは言っても、野球自体に魅力があれば、競技人口は減少しないはずです。

安全性・金銭面...まだまだある高いハードル

 では、なぜ野球が他のスポーツに負けてしまうようになったのか。それは、「プレーへのハードルが高いから」。「プレーへのハードル」と一口に言っても様々な要素があります。

 まず、先ほども言ったように、場所の問題や人数の問題です。野球するには広い場所が必要で、その場所が減ってきていること。そして、人数が9人必要で試合するなら18人も必要なこと。少子化により、人数を揃えることが難しくなってきたこと。

 他の要素としては、安全性の問題です。「スポーツにケガはつきもの」とは言いますが、やはりケガのリスクが高く、小さいお子さんや女性、シニアの方がプレーするには少し危険です。

 そして、何より金銭面。野球を始めるには、ユニフォーム一式、グローブ、バット、ヘルメット、スパイク...。
数万円ではきかないほどお金がかかります。チームを作るなら、キャッチャー道具、ベース、ネットなどなど。私自身野球サークルを立ち上げたときにはかなり金銭的に苦しかったです。やはり、これだけお金がかかるので、手軽に始めることはできませんし、始めるにはそれなりの覚悟が必要だと思います。

 このような要素は野球という競技の特質上、改善することは難しいのですが、ハードルが高すぎる故に他の手軽に始められるスポーツに流れてしまった、という側面があると思います。

 以上の三つが、私自身の経験に基づいた「野球人気低下の原因」の分析になります。

ウィッフルボールが大ブームに!

 私が、日本でウィッフルボールが大流行すると確信している理由。それは、「ウィッフルボールが野球の欠点を全て補うことのできるスポーツ」だからです。ウィッフルボールはもちろん「ニュースポーツ」です。野球のような昔ながらの悪しき慣習もありません。今の時代に適した、老若男女みんなが一緒に楽しめる、自由なスポーツとして、我々も普及させていきます。ウィッフルボールは今の時代に適したスポーツなんです。

 前回の記事でも書きましたが、5人いれば試合ができて、プラスチックのボールを用いるため、野球禁止の公園などでもプレーできます。「場所の減少」や「少子化」と言った野球が直面している課題もウィッフルボールはクリアしています。

 そして何より、「プレーへのハードルが野球よりも圧倒的に低い」のが最大の強みです。安全面、人数の面、場所の面、金銭面、全て野球をコンパクトにしたのがウィッフルボールなので。他のスポーツと比べても圧倒的にハードルが低く、手軽に始められる、それがウィッフルボールの強みです。そして、いざプレーしてみると「野球に負けず劣らず面白い」となれば、普及しないはずがないですよね!

ウィッフルボールの普及こそ野球人気復活の鍵

 ここまで書くと、私が「野球をディスってウィッフルボールを普及させようとしている」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。最初の方でも書いたように私は野球が大好きです。現在も野球をプレーしています。私の考えでは、「ウィッフルボールの普及は野球人気の妨げになる」というよりはむしろ、「ウィッフルボールの普及こそが野球人気復活の鍵になる」と考えています。

 次回の記事では、その理由と、そして私が思い描く、「ウィッフルボールが普及した未来」についてお話しできればなと思います。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。