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フリマアプリが広げる修理市場 中古靴やかばん

フリマアプリが広げる修理市場 中古靴やかばん

 「メルカリ」などフリマアプリを使って、中古のブランド靴やかばんを買った消費者が、修理専門店を利用している。修理専門店の取扱件数はここ最近、増加傾向にある。安さが魅力の中古品だが、実際に使うとなると修理してきれいに使いたいもの。実物を見ないで買うため、手にしてみたら、気に入らない商品もある。そんな商品を修理してフリマアプリで転売する消費者も出てきた。

気に入らないものは修理して転売

フリマアプリの台頭で、かばんや靴の修理依頼が殺到している

 「7万円のパンプスが、修理代込みでも5000円」。東京都在住の藤原奈実さん(24)は最近、メルカリでフェラガモのパンプスを4000円で購入した。中古品なので、ヒールのかかとの一部は経年劣化で割れていたが、1800円で修理した。

 藤原さんはこの2年間で、中古のかばんや靴、財布など20点ほどをメルカリやオークションサイトで買った。「修理すれば中古でも全く問題ない」と話す。

 メルカリでレッドウイングのブーツ「ベックマン」を買ってみたものの、気に入らず、修理したうえで再びメルカリに出品したのは都内在住の男性会社員(26)。当初8千円で購入した商品を、2000円程度かけてソールを修理したことで、1万2千円で売れたという。「知名度の高いブランドの靴なら、修理して売ることもできるので、思い切って買える」という。

 こうした消費者が持ち込む商品を修理する専門店の売り上げは右肩上がりだ。HITOWAライフパートナー(東京・港)が運営する修理専門店「靴専科」では2017年の靴底全体を張り替える修理「オールソール」の受注額が16年比1割増、かばん修理の売上高もプラスとなった。

 これまで修理の需要が細りがちだった時期でも最近は伸びており、18年2月のかばん修理件数は前年同月比35%増だ。仏ルイ・ヴィトンや伊プラダなど高級ブランドのかばんの内側の修理や、革の色の塗り直しなどが多いという。同社の大友良祐課長は「顔の見えない出品者が使った靴やかばんは、きれいにしてから使いたいという心理が働いている」とみる。

かばん修理の人員、5年で3倍に

 ミニット・アジア・パシフィック(東京・台東)が運営する靴修理店「ミスターミニット」では17年のかばん修理の依頼が16年比で48%増加した。最近はかばんの修理が増え続けているため、同社では修理を手掛ける工場の人員をこの5年間で約3倍に増やした。

 かばんや靴だけではない。「最近、特に増加しているのは腕時計の修理」(ミニット・アジア・パシフィック)。17年の腕時計の電池やベルト交換の注文件数は16年比で60%も伸びた。出品する際に「電池交換済み」と表記するだけでもフリマサイトでの成約率はぐんと上がるという。

 同社の店舗では最近、スマートフォンでメルカリの画面を見せて「これは修理できますか」と尋ねる顧客が増えている。店員が修理できるというと、すぐに商品を購入して修理を持ち込む例が目立つ。こうした傾向は、地方の店舗に多くみられる。

 修理することを前提に中古を買う消費の裾野が広がってきたが、今後は安く買った中古品を修理して転売してもうける「せどり」をする人も増えるとの見方もある。フリマアプリで売れる条件としては掲載写真の「見栄え」が重要。それだけに、修理の市場はさらに拡大しそうだ。
(企業報道部 下野裕太)[日経電子版2018年3月12日付]

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