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内気な女の子が「世界」を目指すまで

新体操のほっち(4)

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NIKKEI STYLE

みなさんこんにちは。連載第4回目を書かせて頂きます、新体操の坪井保菜美です。新学期を迎え、みなさんいかがお過ごしでしょうか。そろそろ生活には慣れましたか?季節の変わり目ってなぜだか心の変化を感じやすく、敏感になりやすかったりしますよねぇ。みなさんは大丈夫ですか?そんな時は両手いっぱいお空に伸ばし胸を広げ、大きく深呼吸をするとスッキリしますよ。

さて前回は、クラブのコーチに個人演技を作ってもらったというところまでお話をしました。そこからいくつかの試合に出場していくこととなります。

感情うまく伝えられない...

私は、自分の感情を相手に伝えるということに大きな壁を感じます。それはとてもとても大きな壁で...。今だに乗り越えられません。言葉で表すこともほんとに不器用。これはもう、一つの性格なのでしょうね。受け入れながらも苦労します。ですが、こんな私でも大きな自信となるものがあるんです。この自信が一つあることで、今でも大いに生かされ続けています。

様々な生き方がありますが、これを読み、何か一つでも将来へと繋がるきっかけとなったら嬉しいです。これからの輝かしいみなさんのために少しでもお役に立てたらと思っています。

そう、その自信というのが新体操です。まず私が感じるには新体操の魅力。音楽に合わせ、身体で表現をするということ。色んな自分を知れて、色んな自分を演じることができます。そしてそんな自分をたくさんのお客さんに見てもらいたいという感情。想いを込めて踊れる素晴らしさが新体操にはあります。私は、言葉では表せない感情を、踊りでは堂々と表現することができました。私、新体操が好きなんだなぁと、素直に思います。フロアーの上で輝いていたい!と心の中では常に思っている事でした。あくまでも心の中で。でもね、思うんです。強い願いや、伝えようとする想いというのは、表情や身体から溢れるということ。だから伝わるんです。私はそう信じています(笑)。

小学校6年生の全日本選手権大会。全国から集まる大きな大会。私は初めて200人を超える大勢の中から3位という結果を残し、初の表彰台に上がりました。嬉しかった。頑張ることで、それに比例した結果が付いてくる。そう確信しました。と同時に、もう少しあの難度を正確にやりきっていたら、一番高い位置に上がれたのかもしれない。1位との差は遠くなかった。反省点はありましたが、けれどもこれまでで1番いい結果だったことは事実。

コーチや家族の喜ぶ顔見たい

これを誰よりも喜んでくれた人がいたんです。それは、日頃から指導してくださるコーチ。涙を流していました。その横では、応援に来てくれた家族も喜んでいる。自分の事でこんなにも笑顔になってくれる人がいるのか...と。驚きとともに、それは私にとってやる気にさせた瞬間でもありました。

それからは、楽しい、大好きという自分だけの感情で新体操をやるのではなく、家族やコーチをもっともっと喜ばせたい、そう思うことが私にとっての目標となりました。新体操に対する取り組み方にも少しずつ変化があったように思います。

中学生となった私は、自分が日本の上位を争う位置にいるんだという自覚と共に、勝ちたい!という気持ちへと変わっていきました。目指すは世界。新体操は、芸術的な美しさを持ちつつもやはり戦うスポーツ。採点競技という難しい評価の元で試合を行わなければなりませんが、誰が見ても納得のいく演技をすること、そして自分に自信を持つことが大切だと感じました。

しかし私には闘争心というものが弱く、いつもコーチから危機感を感じなさいと言われていたのを覚えています。なかなか...ね、燃えないタイプなもので。私の中では頑張っていることでも、どうもそれが伝わりにくいようで...(苦笑)。

スロースターターともよく言われていました。ただこれは、場合によってはチャンスを逃しますし、損をするというのもわかっているんです...。課題ですね。

しかし集中力はありました。愚痴や弱音を吐くことはなく、淡々とそして黙々とやる感じですかね。諦めるといったことはなかったように思います。そこの粘り強さはありました。ちなみに私は何か物を作ることや絵を描くことも大好きです。一度やり始めたら朝までやるタイプ。

そんな私にチャンスが訪れます。上位の成績を収めていたこともあり、遠征や海外合宿にもいくつか参加するようになりました。新体操はヨーロッパが強く、主に遠征先はロシアやベラルーシという国が多かったです。

不安の中で代表チーム入り

私を気にかけてくださった山崎浩子さんから、声をかけて頂きました。その山崎さん、今ではオリンピックの強化本部長として新体操日本代表の団体チームを強化しておられます。そう、私はその第1期生として、団体メンバーの1人に選ばれたということになります。

日本の各県からオーディションをしながらも優れた良い選手を集め、世界と戦うために団体を強化していこうという日本の新体操界では初の試みとなるプロジェクトでした。山崎さんが考えるこのプロジェクトの目的、それは2008年に行われる北京オリンピックに出場することでした。

実は私、高校1年生まで個人の選手として活躍していました。団体未経験となる私が、ナショナル強化指定選手の団体メンバーとしてやっていけるのかという不安から始まります。当時私はまだ高校生。全国から集められた選手たちが練習拠点となる場所は、千葉県でした。このチームに入るには地元である岐阜、そして親元を離れるということ。・・またもや大きな不安要素。まだまだあります。集められたメンバーとの共同生活をしなければならないということ。私にそんな生活想像できない、そんなことを思っていました。

オリンピックなんて夢にも思ったことのない大会。未知の世界だと一時は感じた私でしたが、私の目指したいものってなんだろうと考えたとき、先ほども先述した通りやはり世界でした。憧れの選手と同じ舞台で踊りたいという目標、そして何より家族やこれまで指導してくださったコーチの喜んだ姿を見たいという想いで頑張ってきた新体操。ここで自分に与えられたチャンスを、不安と想像が付かない生活を理由に諦めるのかと自問自答したとき、私の答えはすぐにでました。まずはチャレンジしてみよう。そして自分の実力がどの程度なのかを試してみたいとも思ったんです。もしここで頑張り切ることができれば、家族をオリンピックに連れて行くことができるかもしれない!そう思ったら、諦めるわけにはいかない、とも思えました。

当時の頃を思い出しながら話しているうちに、気付くと歯を食いしばりながらこの連載を書いている自分がおりました。つい力が入ってしまいましたが、そのくらい人生をかけた選択を迫られた瞬間でもあったのです。

さて次回ですが、日本代表の団体メンバーとしてチームに入ることになり、どういった生活が待っているのか、といったところからお話をしていきたいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします。

それでは、お楽しみに。

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