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「本当にこの会社でいいの?」 ~最終選考ブルー・内定ブルーを迎える学生のために

ホンネの就活ツッコミ論(61)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「最終選考ブルー・内定ブルー」です。すでに内定を得る、あるいは最終選考を迎えると、大半の学生が「この企業でいいのか」と悩みます。

就活の序盤から中盤にかけて学生はセミナーから面接まで走り回ることになります。そのため、そこまで深く悩む学生はいません。しかし、最終選考から内定後にかけては状況が落ち着いてきます。そのとき、「この企業でいいのか」「自分はもっとやれることがあるのではないか」などと考え始めます。今回はこの最終選考ブルー、内定ブルーについてまとめてみました。

最終選考ブルー・内定ブルーになる学生は相当多い

最終選考から内定にかけてブルーになる学生が増えてきます。これは学生が想像している以上に多い、と言っていいでしょう。

学生だけでなく社会人も新しい環境にすぐ慣れる、新しい世界にすぐ飛び込める、というものではありません。さらに、学生と社会人とでは決定的に違う点があります。社会人は社会にすでに出て働いています。そのため、社会人の転職だと、新しい会社で環境が変わる、とは言っても、これまでの労働習慣などはある程度引き継がれます。

その点、学生が就職するときはどうでしょうか。学生が働くとは言ってもそれはアルバイトが大半です。そのため、就職すると環境だけでなく求められるものも大きく変化します。その第一歩が内定であり最終選考となります。そのため、最終選考ブルー、内定ブルーとなるのも無理はありません。

風邪に近いがこじらせると大変

最終選考ブルー、内定ブルーは風邪のようなものです。かからない学生の方が少数派、と言っていいでしょう。ただ、実際の風邪もそうなのですが、放置してこじらせると大変です。実際の風邪もこじらせると肺炎となり重症化します。

同じように最終選考ブルー、内定ブルーもこじらせると最終選考には受からない、あるいは内定を得ても辞退して就活を継続。あるいは、内定をキープしたまま土壇場で内定辞退。あるいは入社後、すぐ退職ということにもなりかねません。

実際、今春入社予定だった大手企業で2月になり内定辞退者が出て大騒ぎとなりました。付言すれば単位を落としたなどの事情ではありません。まさに内定ブルーで「どうしても合わないと思ったので辞退したい。もう一度、就活をする」とのこと。採用担当者の説得もむなしく本当に辞退してしまいました。

企業も対策に取り組む

この最終選考ブルー、内定ブルーは学生だけでなく企業側にとっても頭の痛い問題です。そのため、近年は取り組む企業が増えています。

内定ブルー対策ということでは内定辞退防止のために内定者懇親会を開く、などです。それから最終選考ブルー対策としては、最終選考の前に社員との懇談会を開く企業が増えています。この懇談会は、食事などをしながら学生の素の姿を見る、OB訪問のような面接の変化球とも言えます。が、選考というだけではなく、社員と話すことで入社意欲を高めてほしい、という目的もあるのです。企業によっては社員の中でも入社2~3年目の若手社員と話す機会を作る、など各社とも工夫するようになっています。

一人で考えるより外に出よう

では、就活生は最終選考ブルー、内定ブルーを解消するためにどうすればいいでしょうか。まずは、1人で考えずに他の人と話すようにしましょう。その際、同級生や大学キャリアセンター職員などと話す、ということでも構いません。

さらにできれば、違う環境の学生・社会人と話すことも重要です。と言うのも、最終選考ブルー・内定ブルーのパターンの一つが周囲との比較です。

「同じゼミの中では自分が一番、小さな会社だ。こんなの恥ずかしい」「自分の大学の中では1人だけ東京。本当に地元就職を蹴ってよかったのか」などなど、周囲と比較することでブルー状態に陥ってしまいます。このパターンで同じ環境の学生と話しても、それほどブルー状態が解消されるわけではありません。

その点、違う環境の学生・社会人であれば、話すとまた視点が変わります。最終選考ブルーであれば、改めてOB訪問を依頼する、あるいは採用担当者に相談するのもいいでしょう。

大半の企業では最終選考は役員・社長クラスが担当します。採用担当者は学生のフォロー役に回るので、相談してみると意外とブルー状態が解消されるというケースが多くあります。もちろん、選考に採用担当者も参加する、という企業であれば、あまり相談できない可能性が高く、その場合は引き下がるしかありません。

内定ブルーだと、やはり採用担当者。内定辞退を防ぐためにも採用担当者は内定者のフォローに積極的です。相談したうえで、内定後のOB・社会人訪問を依頼するのもいいでしょう。

それから、内定者懇親会などは積極的に参加したいものです。就職氷河期だと、内定者懇親会は内定承諾者のみ、という企業が大半でした。現在は売り手市場の影響に加えて、そう簡単に内定承諾まで行かない、という事情を企業が熟知するようになっています。そのため、内定者懇親会は内定承諾をしていなくても参加可能とする企業が増えています。そこで同じ内定者と色々話すとブルー状態も変わるのではないでしょうか。

ブラック企業情報は本当か?

内定ブルーになると、学生はやたらと検索したがります。内定先の企業名にブラック企業などのワードを合わせて検索するとあら不思議。大量にブラック企業だったとの情報がヒットします。それを読んでいくと、段々と不安になる、という寸法。

もちろん、検索するな、というわけではありません。ヒットしたページを読んでいくのもいいでしょう。覚えておいて欲しいのは、実際にブラックとされる企業はもちろんのこと、優良企業・ホワイト企業と称される企業であっても、必ず「×社はブラック」との内容がヒットします。

ためしに、過去にブラック企業と名指しされて非難された(それだけのネガティブな事件が発生)企業3社と、ホワイト企業・離職率の低い企業とされる企業3社、それから大手企業3社をそれぞれについて「企業名・ブラック企業」の組み合わせで検索してみました。

すると、こんな結果になったのです。

ブラック企業...24万件、25万件、61万件
ホワイト企業...6000件、9000件、9万件
大手企業  ...10.4万件、52万件、65万件

ホワイト企業3社は少ないにしても、それでも1社は9万件もありました。大手企業は福利厚生や待遇面が相当しっかりしているはずなのですが、それでも2社はブラック企業を上回るヒット件数です。

かくのごとく、企業名とブラック企業の組み合わせでは当てにならない匿名情報も含めて、どんな企業でもヒットしてしまいます。その点、執筆者や媒体がしっかりしている記事であれば信頼に足ります。

企業へのネガティブ情報はどう対応する?

ブラック企業ほどでないにしても、業界事情も学生をブルーにさせる情報です。今年で言えば、AI化が進んでいることもあり金融業界の採用者数が減少。大量に転職者も出ていることから、金融業界への内定者は「このまま金融から内定を貰って大丈夫か」とブルーになる学生も多いでしょう。

金融業界については、57回目の「素朴な疑問2」で紹介していますのでここでは割愛します。多少、重複しますが、いつの時代でも「×業界は危うい」「×社は先がない」などの情報は流れます。1970年代から1990年代にかけては商社不要論が流れていました。2009年ごろ、トヨタがアメリカで大量リコール・関連訴訟を抱えた際は、就職人気ランキングも大きく低下。やはり学生からは危険視されていました。

しかし、その後、現在はどうでしょうか。総合商社・専門商社ともいまだに健在ですし、トヨタも同様です。

AIが企業や雇用に与える影響については、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ この先15年の現実的な雇用シフト』(海老原嗣生、イースト・プレス)が秀逸です。AIが仕事を奪うという話はよくありますが、AIでそこまで奪われない、ということをデータや採用担当者のインタビューなどを踏まえてまとめています。

内定ブルー、最終選考ブルーは、その企業で本当にいいのか、と悩むことを示します。確かに、一生の選択ですから悩むのは当然でしょう。学生によっては悩むことも多いと思います。

私としては大いに悩むながら人と話す、本を読むなどして新しい世界観を身につけていただきたいと思います。そうすれば大半の学生はブルー状態が解消されるはず。

それでどうしても解消されなければその企業は合わない可能性もあります。そこではじめて内定辞退なり、就活継続なりを検討してもいいのではないでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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