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インドに行くと人生観変わるってホント?

インドでMBA(7)

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今回はインドで仕事をし、インドでビジネススクール(Indian School of Business 以下ISB)に通い、インドで生活していく中で起きた自分の中での変化について書かせて頂こうと思います。

「インドに行くと人生観が変わる」というお話は皆さんもよく耳にするかと思います。これについては色々なご意見やご経験があるかと思いますが、私の場合、インドで仕事をし、インドでビジネススクールに通い、インドで生活をするといった、インドライフを存分に満喫してはいるものの、別に人生観が大きく変わったとは今のところは感じてはいません。ただ、人生観までは変わらなくとも、インドで生きていると性格や考え方で変わるところはあるかと思いますし、これまで気づかなかったことに新たに気づくことも多くあるのは事実だと思います。

インドで生きていると大概のことでは動じなくなる

特にインドで仕事をするというのは割とストレスが溜まるものです。まずインド人と一緒に仕事をするに当たっては自分の中の常識を一度リセットし直す必要があります。例えば、インド人の時間感覚は我々日本人とは大きく違い曖昧なものですし、ビジネスにおいても時間や日限を守るといった意識は薄いように感じます。

インドではなぜか数字の「2」を時間表現に使うことが多いのですが、例えば「2秒待って」と言われたら2分はかかりますし、2分と言われたら20分、20分と言われたら2時間は覚悟するべきで、もし「2時間待って」と言われたら、もういつになるかわからないのでその日は諦めたほうが良いかと思います。

時間に限らず、平気で嘘をつくのも日常茶飯事です。嘘をつくというよりは「本当は知らないけど適当に答えてみる」と言ったほうが正しい表現かもしれませんが、彼らとしては別に悪気がある訳では無いのでもちろん謝ることもしません。インド人のチームを率いて仕事を進める上で、これには最初の内は本当に戸惑ったのを覚えています。あくまで文化の違いなのでインド人を否定するつもりは全く無いのですが、我々日本人の一般常識とは大きくかけ離れていることは間違いなさそうです。

また、通勤環境やオフィス環境も日本とは当然異なってきます。オフィスへは車で通勤をしているのですが、道路の交通インフラが整っていないことに加え、インドではちゃんと車線に沿って運転する運転手もまずいないため、常に渋滞が絶えず、クラクションが騒音のように飛び交っています。信号無視や対向車線への逆走も当たり前のため、毎日交通事故も絶えません。月に1回は大型トラックが派手に横転しているのを見かけますし、道路の真ん中で車が燃えているなんてこともあります。

更に、インドでは牛や豚、羊、鶏、野犬、(たまにラクダやゾウ)といった動物をその辺で日常的に見かけることができるのですが、それに加えて私の通うオフィスには敷地内にコブラやサソリが生息し、工場内にはクジャクやサルが闊歩、夜は巨大コウモリが飛びまわっているような所です。カメレオンといった動物園でしか見かけないような生き物まで生息しています。

そんな環境で働いていると、大概のことでは驚かなくなってきます。先月は気温40度の猛暑の日に、周辺地域一帯が停電し、冷房が全て止まり、汗だくになりながら一日中仕事をしていたなんてことまでありました。インドに来たばかりの頃はストレスにより消耗していましたが、今はもう大したことでは動じなくなりました。人生観が変わるか変わらないかはその方のこれまでの人生次第だし、本当に人ぞれぞれだと思いますが、インドで生きていると精神的に鍛えられて間違いなく性格がタフにはなるとは思います。

インド人学生との出会い、自分の今の実力と立ち位置に気づく

また、人生観が変わったとまでは言いませんが、ISBのインド人学生との出会いは、私にとってはとても良い「気づき」となり、考え方が少し変わったとは感じています。

日本でも自分と同世代で活躍しているすごい人達がたくさんいますし、もちろん世界には優秀な人がごまんといる、そんなことは最初からわかっていたつもりでしたが、実際にISBでその圧倒的な実力差を突き付けられることになった時はやはりショックが隠せませんでした。ISBに通うことで気づかされたのは世界には「上には上がいる」ということではなく、インドという国だけでも「遥か上ばっかり」ということでした。日本のいわゆる大企業の中で、そこそこの評価を頂き、海外駐在員として責任あるポジションと仕事を任せてもらっていたことから、もしかしたら多少なりとも無意識に自惚れと根拠の無い自信があったのかもしれませんが、ここではそれが良い意味で粉々に砕かれました。

ISBの学生のほとんどはエンジニアのため、これまで戦略やマーケティング、ファイナンスやアカウンティングに触れてきている人達はそれほど多くはないはずなのですが、彼らの尋常じゃない理解力と習得の速さには毎度本当に驚かされています。中には、「あ、こいつには絶対に敵わないな」と思うような天才も数人います。同じ土俵で勝負したら、私が努力したところでとても到達できるレベルではないような頭のいい人達です。悔しい気持ちが無いかと言ったらウソになりますが、むしろそんなことよりも、これまで会ったことのない様な圧倒的に優秀な人達に今ここで出会えて、大分背伸びしながらも一緒に学べたことは私にとっては大きな収穫でした。

もちろん学生それぞれが今の仕事内容もこれから目指す方向もバラバラではありますが、彼らと比較して自分は「何が通用して何が通用しないのか」「今の自分には何が欠けているのか」「彼らから何を見習うべきか」といった点が少しずつ浮き彫りになってきましたし、日本の一つの企業の中にいただけでは見えてこなかった同世代の中での自分の今の実力と立ち位置にも気付くこともできました。

インドでの生活自体はシンプルに

平日はインドで働き、週末はインドのビジネススクールに通うといった慌ただしい毎日を送っていますが、生活スタイル自体は日本にいた時よりもシンプルで健康的になったような気がしています。

平日は朝から会社に行き、帰宅し夕食を取った後はMBAのお勉強。週末は朝から夜まで学校に通うという、基本的には同じような一週間のシンプルな繰り返しです。娯楽が少ないので外出することもほとんどないため、余計な服も買わなくなり服装も日本にいた時より至ってシンプルになりました。

また、唯でさえ日本人が体調を崩しやすいことで有名なインドという国に住んでいることに加え、週末は授業があるためゆっくり休むこともできないことからも、体調管理には日本にいた時よりも一段と気を使うようになりました。夜遅くまで飲みに出かけるようなことはまずありませんし、コンビニも無いので間食もしなくなりました。夜眠くなって勉強に集中できないので毎日飲んでいた大好きだったビールやお酒もやめました。

日本の便利で何不自由ない環境で生きてきた私の様な日本人にとってはインドでの生活はやはり不便ではあります。娯楽も限られているので、そういう楽しさはありません。ただ、選択肢が限られているということは、今の私にとっては仕事とMBAに集中できる分、かえって良かったのかもしれないとも考えています。

インドで仕事をし、ビジネススクールに通い、生活していくといったことを経験していたら他のどこ国に行っても戦争等が無い限りはある程度やっていけそうな気もするので、今のインドでのこの経験をポジティブに捉えられるように心がけています。

和泉沢剛(いずみさわ ごう) 東京都出身。立命館アジア太平洋大学卒業後、日本の大手総合電機メーカーに就職し、海外事業拠点設立/海外M&A/新規事業立上げ/戦略的事業ブランディング等のプロジェクトに幅広く従事。現在は戦略部門の責任者としてインドに駐在する傍ら、週末はインドのビジネススクールに通いMBA取得を目指す。趣味は海外旅行で、これまで世界30か国以上約100都市を訪問。

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