日本経済新聞 関連サイト

OK
skill up-自己成長

NPOの虎の穴(40)就活から始まる人と人との出会い 
~人生は出逢った人との思い出と物語を作るもの

NPOの虎の穴(40) 就活から始まる人と人との出会い ~人生は出逢った人との思い出と物語を作るもの
authored by 立花 貴公益社団法人MORIUMIUS 代表理事

 私は、5年で起業しよう、と決めて就職活動に臨みました。OB訪問も最終面接の時も正直に、5年で起業をしたいと考えている、と伝え続けました。内定を頂いた伊藤忠商事とリクルートで悩んだとき、自分なりの判断軸・リトマス試験紙に照らし合わせて「人」「物」「金」「情報」この4つを短期間で学ぶには、商社のほうがいいのでは、と考え、伊藤忠商事に就職することに決めました。

仙台→静岡→東京 3日間の軟禁生活

 日中、東京にいらっしゃるリクルートの人事の方に、「申し訳ありませんが、伊藤忠に決めました」と、断りの電話を入れたその夜、宮城県にある当時住んでいた私のアパートに、23時になろうとする時に玄関のチャイムが鳴りました。ドアを開けると「もしかすると来るかもしれない」という予感はしていたところ、当時リクルート人事部の棚澤さんという方が立っていました。リクルートに入るよう私を説得するために、はるばる東京から仙台まで車で駆けつけて来てくれたのです。

高台移転住宅から眺める雄勝湾

 それから、いわゆる軟禁が始まりました。今のご時世では考えられないことです。3日後に伊藤忠の内定式だと知りつつ、2人で車移動しながら最終的には静岡の下田まで連れて行かれてしまいました。「とにかくこの人にわかってもらうしかない」と、はじめから覚悟を決めました。本当に分かってもらいたくて、いろんな議論を交わし続けました。日中は、することがないので一緒に観光をしたり、釣りをしたりして時間を過ごしていました。

 内定式前日の夜になり、さすがに焦り始めました。スーツも持ってきてないませんし、携帯電話もない時代ですから、伊藤忠の人事の方も連絡の取りようがありません。「私、明日内定式なんです。とりあえず東京に戻りませんか」。そういって、ようやく下田を出発することになりました。なんとか東京には戻れましたが、次は青野さんという当時リクルートの人事部長の家で、さらに人事の方3人に説得されました。それから翌朝4時くらいまで延々と話をしました。

「逃げないで、わかってもらいたい」ギリギリまで語り合う

 何と言われても翻意しない私に、青野さんがついにさじを投げ、「もうわかった、行け」と。ようやく解放されたのは、伊藤忠商事の内定式の5時間前。スーツは、友人が宮城から軟禁されていたマンションの1Fまで、車でもってきてくれたおかげでなんとか伊藤忠の内定式に間に合いました。もちろん、逃げようと思えば逃げられたわけですが、それは義に反すると思うところが私にはありました。これもひとつのご縁だ。逃げないで、わかってもらいたい、会社に勤めるのは5年と決めていたから、その5年間はご縁がなくても、その後にまたご縁があるかもしれない、そう思って軟禁に臨んでいました。

 人生の中での、かけがえのない出会いかもしれない、永く付き合いたい人たちだと思ったから、生意気ながらギリギリまで語り合いました。そのおかげか、単なる就職活動が、人生を通して付き合う仲になりました。その時知り合ったリクルートの方々とは、今でも付き合いがあるのです。今でも笑い話で「あのときお前、とうとう落ちなかったな」と言われます。あのとき逃げていたら、こんな関係にはなれなかったと思います。

 棚澤さんは、私が起業するときには、一番相談にのってもらい、中途社員の採用を一緒になってやってくださいました。青野さんはその後ソフトバンクに移り常務取締役となり、現在はあしなが育英会の事務局長も歴任されています。震災後も何かとお世話になり、私が理事を務める「3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構」の活動ともかかわりをもつこととなりました。就活から始まる人と人との出会い、の物語のひとつです。人生は出逢った人との思い出と物語を作るもの、そんな気持ちで就活に臨んでみてはいかがでしょうか。

◇ ◇ ◇


霞ヶ関新入省行政官研修で一番バードな研修
~全省庁の5%、5週間の研修

 5週間にわたる霞ヶ関新入省行政官研修が終了しました。今年入省したばかりの5%相当の新人行政官(いわゆる官僚)と5週間寝食を共にし、前半は身体をもって体験し、後半はヒアリングを中心に議論を深めてゆきます。議論では、過疎地域で持続可能な雇用を生み出す事業を考えるという課題に挑み、今年もいい結果成果が残せました。

 毎日疲れた身体に鞭打ち、それでいてイキイキとしながら、深夜まで熱く議論している姿を今年も見ることができました。行政官研修生の未来に繋がる種を持ち帰ってもらえるよう、日本の未来に繋がるよう今年も持てる力を出し切りました。彼ら彼女らの真剣な姿勢や雄勝研修生の先輩方の活躍を見るにつけ、日本は最短で10年、最長で15年で一気に変わり始めると勝手ながらに実感しています。3月中旬から平日企業/団体研修が月の半分程度続き、5月最終週からの研修は流石に身体に堪えました。

◇ ◇ ◇


第7回三陸・雄勝 海の幸トレイルランニングNEXT
~惜しまれつつも最終回

前夜祭では雄勝の魚介類をふんだんに使った料理がランナーに提供された

 先日、第7回三陸・雄勝 海の幸トレイルランニングNEXTが開催されました。250名ほどのランナー/スタッフ、地域住民が一緒になって作る、まさに手作り感あふれるスポーツイベントは、雄勝町が誇るもののひとつであり、リピーターも多く、石巻市雄勝町を第二の故郷だと思ってくださるランナーの方々も多く思います。

 走ることより食べることをモットーにした前夜祭では雄勝の魚介類をふんだんに使った料理がランナーに15品ほど提供されました。本番当日、ランナー全員で葉山神社/宮司によるご祈祷後、かつての修験道、石嶺山へ出走してゆきました。解散式で高台移転集落に上り、防潮堤より先の眼下に広がる夕暮れの穏やかな雄勝湾の景色は生涯忘れられない景色となりました。

ランナー全員で葉山神社/宮司によるご祈祷後、かつての修験道、石嶺山へ出走

 主催者である鍛錬家・山本圭一氏の一年間の周到な準備、大会運営で多くの人を巻き込み、ひとりひとりを大切にする姿にみな心と身体を動かされます。協力したい、成功させたい、参加者に喜んでほしい、雄勝にまた来たい、雄勝の海の幸をまた食べたい、そう思ってもらいたい、と臨機応変に対応をする自主的で自分事として取り組むスタッフの姿にもあらわれていると思います。それは参加者の方々にも伝播し、大会の雰囲気に繋がっています。

 天候にも恵まれ、今回も事故もなく無事に終えることができ安心しています。関わる人にとっても気づきと学びの多いイベントであると思います。大会当日までの丁寧な情報発信、前夜祭、トレラン本番そしてご褒美会誘導や移動などロジ回り、Tシャツや完走賞、細部にわたるまで気持ちと心をこめる、変化を恐れず変化させることで日々進化する山本氏の姿があらわれています。

<お知らせ>

その1
新著『ひとりの力を信じよう』英治出版
Amazon、全国書店にて発売
この本の印税は全て公益社団法人MORIUMIUSに寄付されます。

ひとりの力を信じよう――「今あるもの」で人と地域の未来をつくる

著者 : 立花 貴
出版 : 英治出版
価格 : 1,620円 (税込み)

この書籍を購入する(ヘルプ):Amazon.co.jp楽天ブックス

その2
『(株)雄勝そだての住人 』よりお知らせです
お中元、夏のギフト 注文受付中です!
お世話になっているあのかたへ感謝の気持ちをこめて。
心を込めて育てた三陸・雄勝の旬の海の幸を産地直送!
パーティーやご馳走の食卓にも!
ご注文はこちらから
http://ogatsusodateno.shop-pro.jp/

その3
自然と共に生きること、持続可能で無理のない、生活の知恵を活かした昔ながらの暮らし。田舎と都会、日本と海外の仲間との共同生活を通じて多様性を学び、持続可能な社会を創るこどもたちの学び場がモリウミアス・ルサイルです。7泊8日を基本プランとし、2泊3日のMEETモリウミアスという短期間の体験プランも実施、週末1泊2日でこどもと一緒に参加できる家族コースも用意しています。詳しくはHP、FBをご覧ください。
ホームページ
http://www.moriumius.jp
https://www.facebook.com/moriumius.ogatsu

その4
・「奈良町バルAMRIT」
奈良県奈良市椿井町45
0742-20-0090
18:00-23:00(不定休)
Instagram フォローよろしくお願いします!
https://www.instagram.com/naramachibaramrit/?hl=ja

・「薬師寺門前 AMRIT」
奈良市六条町410
0742-32-5777
ランチ 12:00~15:00 (L.O.13:30)
ディナー 一棟貸のプライベートレストランとして団体貸切時営業
http://amrit-nara.jp