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「校則変えちゃおう計画」始動 クラスを動かした1人の女の子の思い

ビリギャルが今伝えたいこと(6)

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NIKKEI STYLE

みなさんこんにちは。なんか最近変な天候ばかりですね。災害に遭われた方のことを思うと、何もできない自分の無力さから目を背けたい気持ちになります。いつ自分や自分の家族の身に起こってもおかしくない、出来事。目をそらしちゃいけないですね。ニュースを見ては、私たち人間が地球からたくさんのものを勝手にもらいすぎて、調子に乗って自分本位に変えすぎて、地球が悲鳴をあげてるのかな、、なんて思ってしまいます。

先日、旭山動物園の園長さんがおっしゃっていた言葉が思い出されます。「動物はブレない。ブレるのは、人間という生き物だけだ」。なんかそろそろ本気で、生き方自体を見直さないと、本当にダメなんだろうな、と元ギャルの私ですら思ってしまう今日この頃。

高校でのインターン生活も残りわずかに

さて、4月から始まった私のインターン生活も、もうあと少し。時間が経つのは本当に早いですね。楽しい時間はなおさらです。札幌という街がすっかり大好きになってしまった私。お友達もたくさん増えました。これからも、会いに来たいと思える人がたくさん。新しい環境に自分の身を置くのってちょっと勇気がいるけど、エイって入っちゃえば、新しい人や場所との出会いにワクワクして、世界が広がって、いいことばっかりだなあ、本当に来て良かったです。そして、毎日生徒や先生たちに囲まれて生活していると、新しい発見とか学びがたくさんです。教育現場で見えたもの、たくさんありました。学校って、すごいです。今日は「校長の右目」としてのインターン生活の振り返りも兼ねて、お話したいと思います。

6月からね、あるクラスの担任体験みたいなことをさせてもらっているんです。もちろん、ちゃんと正式な担任の先生は他にいるんだけどね、せっかく学校に毎日来てるから、期間限定でそういうことも体験させてもらっています。教員免許も持っていないのに、こんなことまでさせてもらえて本当にありがたいです。教育実習生みたいな感じかな。この体験で気づいたこと、たくさんありました。やっぱり、約700人いる全校生徒と満遍なくふんわりゆるーく関わるだけじゃなくて、ある程度特定の生徒たちと毎日顔を合わせてみて初めて、生徒の変化が見えたり、信頼関係が築けるなあと実感しています。

「ねえさやちゃん、校則って変えられるのかなあ?」

ある女の子がね、ある日こんな風に声かけてきたんです。「ねえさやちゃん、校則って変えられるのかなあ?」って。「うーんどうだろうね、私には無理だけど、あんたたちならできるんじゃない?」そんな会話をした翌日、その子が朝のホームルームで時間をほしいと言ってきたんです。それで、前に出て行って、こう話し始めました。「ねえみんな、校則変えたいんだけど、どうかな?」

その子は一生懸命自分の思いを伝えていて、それを聞いていたクラスメイトはみんな賛同しました。拍手がわき上がって、やろう!!ってなった。私は、この光景を見ていて、とっても感動しました。私が高校生だった時、"校則なんて意味ねーじゃん"と思って全然守らなかったけど、かといって"校則変えよう"とは思わなかった。面倒くさいし、変えられそうにもないし、第一どうやったらいいかわかんない。でもこの子は、どうやったらいいかわかんないけど、とりあえず行動し始めたんですね。すごい勇気だなあって、応援したいなあって思った。そう思ったのは、私だけじゃなくて、クラスメイトもみんなそうで、生徒だけじゃなくて先生たちも応援し始めたんです。こうやって、たったひとりの想いから革命が起こっていくんだ、と、なんだか嬉しい気持ちで見守っていました。

さて、次はどうするのかな、と見ていると、生徒指導部の先生のところに一緒に行って欲しいと頼まれました。その先生に、「校則変えたいんだけど、どうしたらいい?」と単刀直入にとりあえず聞いていました(笑)。 「じゃあ君がもし、この学校の校長先生だったら、どんな校則にしたいか考えてみなよ。できたら持っておいで。どんなことでもいいよ」って(いい先生・・・!)。それから彼女は、一晩考えて、こんな校則を考えてきていました。

1.してはいけないルール
○学校内で喫煙、飲酒をしてはいけない
○喧嘩を売らない
○複数対1人の喧嘩をしない
○いじめはだめ
○悪口を言わない、書かない
○先生が生徒に暴力をふるっちゃいけない
○先生同士でギスギスしないそれを生徒が知るともっとだめ
○人のものを取らない
○ひとをうらぎらない
○無免許のバイクや車などの登校は禁止
○悩み事を1人で抱え込まない

2.そうしなければいけないルール
○喧嘩したらその日に仲直り
○ゴミはゴミ箱に捨てる
○先生に怒られた時自分がしたことをちゃんと考えて自分が合ってると思ったらそれを伝える先生もそれをちゃんと聞く
○iPad、携帯がある人はもってくる
○みんなと仲良くなる
○制服で学校に登校する
○常に今を楽しむ事
○1人はみんなのためにみんなはひとりのために
○あいさつ
○常に清潔感をもつ

3.その他のルール
○体育がある日はジャージか、制服どちらでも良い
○暑い時は涼しくなるように工夫して着ていい
○バイトはしても良い
○髪の加工、化粧、ピアスは自由
○昭和の考えを持たない

とってもよくて、私は好きです、この校則。彼女が生きていく上で大事にしてるものが、現れているような気がします。人に優しいですよね、この校則。今ある校則より、もしかしたら、よっぽど大切なものがここに書いてあるきがする。やっぱり大人が考えるものは子どもが考えることには敵わないなあ、と思いました。その校則をまたその生徒部の先生に見てもらって、「じゃあこれを、学校の校則にしていくにはどうしたらいいか。みんなに意見をもらったらどうかな」ということになり。それで、その生徒は先生に頼み込み、特別に「校則について話し合う時間」を授業の一環としてやっていいという権利を獲得していました。

どうしてルールってあるのか、校則がもし何も無くなってしまったらどうなると思うか、逆に今ある校則でどうしても意味が理解できないものは何か、どうなったら納得できるのか。いろんなことをみんなで話し合ったそうです。こういう機会ってとっても大事。身の回りの当たり前について、みんなで話し合う時間。当たり前を疑うきっかけになる。こういうことから、「考える」っていう癖がついていくんだろうなと思います。

この一人の女の子が言い出した「校則変えちゃおう計画」どうなるかな、実現するかな。実現してもしなくても、この子にとってこの経験って、きっと大人になってからもずっと忘れられない宝物になると確信しています。学生時代にいろんなことに挑戦してほしいってこういうことです。学生時代の失敗なんて屁でもない。だから、なんでもやっちゃえばいいんです。その中で一つでも、成功体験を得られれば、人生変わるよ、ほんとに。

「自分のため」ではなく「誰かのため」なら頑張れる

勉強って何のためにするのか。日本では「自分のために勉強するのよ」なんて言われがちだけど、自分のために頑張れる人なんて一握り。でも「誰かのため」なら頑張れる人、多いんじゃないかな。私は、私がワクワクすることを見つけて、死ぬ気で頑張る決意をした時、塾代を必死でかき集めてくれた母の存在が大きかった。もちろん、受験は自分の人生のために頑張ったわけだけども、スランプに陥って机に向かえなくなった時、思い出したのは母ああちゃんの顔だった。

決して安くない塾代をかき集めてくれた母の姿を思い浮かべたら、「辛いから、もうやめる」なんてそう簡単に思えなかった。人って、「誰かのため」に生きてるんだと私は思う。生まれてきた時点で、もう誰かを幸せにしてる。一生の中でたくさんの人に出会って関わっていく人間の人生は、たくさんの"ありがとう"をもらうべきものだと思う。そのために、勉強するんだと、思う。誰かを幸せにしてあげられる人になるために、学び続ける。そうしてたくさんの"ありがとう"をもらえる人になったなら、それほど自分にとっても、幸せなことってないじゃないか、と最近つくづく、思うのです。

先生でも生徒でもないのに、4か月も「高校」という教育現場に入らせていただいて、先生や生徒たちとたくさん一緒に過ごして、泣いて笑って悔しがって嬉しがって、いろんな思いを共有させてもらいました。自分が学生として過ごした高校のそれとは全く違った景色が、たくさん見えたんだ。新陽高校が完璧なわけじゃ決してない。発展途上だからこそ、学びが多かった。むしろ、完璧な学校なんてこの世にないんだ、と知りました。先生たちだって、学校だって教育だって、変わっていくべきだし、学び続けていかなきゃいけないものだって、わかったから。

日本の教育はこれからどんどん変わっていける。教育が変われば日本の未来が劇的に変わる。教育は、未来を作る仕事なんだ。そのためにはまず、やっぱり私たち上の世代が、下の世代をワクワクさせてあげられる存在でありたい、と改めて思いました。そしてもっともっと、いろんなことを伝えていきたい。ちっこくてもいいから、若者たちにワクワクできるきっかけをたくさん提供していきたいです。本当に、かけがえのない時間を過ごさせていただきました。たくさんの人に心からのありがとうを贈りまくりたいです。

さて、この経験を、またさらに多くの人に還元しなくちゃ。そのために今日も学び続けよう!! 今日もみんなにとって、素敵な1日になりますように。

小林さやか(こばやし・さやか) 映画化もされた「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著)の主人公のビリギャル本人。大学卒業後はウエディングプランナーとし活躍。その経験を活かし、2014年に自身の結婚を機にフリーに転身。現在は全国の中高生や親御様向けに講演活動なども行っています。

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