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人事部の視点(14)入社までに準備しておくこと 
~居眠りは債務不履行!? 体内時計の調整を

人事部の視点(14) 入社までに準備しておくこと ~居眠りは債務不履行!? 体内時計の調整を
authored by 日経カレッジカフェ×人事部

 こんにちは。エリーパワー人事部で新卒採用を担当しております玉井亜以子です。

 面接で「入社までにしておいた方が良いことは何ですか?」と質問を受けることがあります。準備については、業界や配属先部署により異なる部分がありますので、今回は全員に共通した準備についてお伝えしたいと思います。

入社後研修時に、研修担当が気にしていること

 当社では、新卒採用者が入社後の導入研修・フォローも引き続き行っております。私が導入研修の企画・実施を行うのですが、入社1カ月の間に気をつけるようにしているのが、新入社員の体調です。研修中に居眠りやボーっとするなど、研修に集中できていない新入社員がいる光景は、どの会社でも見られるのではないでしょうか?

 特に居眠りは、大学でももちろん褒められることではなく、「意識が低い」という声も聞こえてきそうですが、どうして会社では、だめなのでしょうか?

法的に説明できる
~「授業中の居眠り」「研修中の居眠り」の違い~

 「授業中の居眠り」と「研修中の居眠り」。同じ行為でも、全く意味が違います。それは、簡単に民法で説明できます。

・大学:学生は、授業料を払い(債務)、授業を受ける権利がある(債権)
・会社:従業員は、給料をもらい(債権)、業務時間中職務に専念する義務がある(債務)

 同じ居眠りでも、大学では自分が権利を行使していない状態ですが、会社では、債務不履行にあたるのです。同じ行為でも債権・債務が逆なので、行為の意味が異なってきます。もちろん、居眠りしてもすぐに処分!とはなりませんが、会社からの注意は、権利に基づいて行われている点に注意してください。

研修中の居眠りや体調不良はどうして起こる?

 とはいえ、誰しもわざと居眠りや研修に集中しないのではなく、気づいたら、「寝ていた」「ボーっとしていた」のではないでしょうか。「気合が足りない」と意識の話になりそうですが、これは入社前に体内時計を調整する準備を怠ったことが原因だと考えています。

 学生時代は、比較的時間を自由に使えるため、好きな時間に就寝・起床できますが、社会人になると、週7日のうち5日は、就業時間に合わせて行動することになります。就寝・起床時間がバラバラな、規則正しいとはいえない生活を送っていると、それに合わせた体内時計が出来上がってしまいます。規則正しい生活が始まると、体内時計がなかなか合ってくれず、居眠りや疲れ、体調不良が起こってしまうのです

 「すぐ慣れるから、大丈夫!」と思われるかもしれませんが、入社後は慣れない環境の中、不慣れな仕事をするため、無意識に気を使っているもの。体内時計が合っていても、疲れやすく、体調を崩しやすい状態にありますから、特に注意が必要です。当たり前すぎて見過ごしがちになりますが、会社の時間に合わせて体のリズムを調整することが重要なのです。

体内時計の合わせ方
~入社先の就業時間・休みでのシミュレーション~

 会社それぞれに、就業時間が決まっています。就業時間は9時のところが多いですが、シフト制で朝7時からという会社もありますし、少し遅めの10時出勤という場合もあります(工場や病院で夜勤があったりすると、17時や18時という勤務もあります)。

 おすすめの方法は、3週間くらい前(最低でも1週間前)から、出社時間に合わせて起床し、実際にその時間に、家を出て活動してみてください。また、会社の休みに合わせて、休日も設定する。4月以降の生活に合わせて、シミュレーションするのです

 ここで注意するのは、早起きが苦手な人。早起きが得意な人は、起床後スムーズに行動できますが、苦手な人は、二度寝の可能性が高い(実際、私自身も該当します)。そのため、起床したら、家で行動するのではなく、家を出て行動することを強くお勧めします。

 家から勤務先まで電車に乗り、会社の近くで新聞や・本を読むのもオススメです。通勤時間の混雑具合や、駅からオフィスまで意外と遠いなど、色んなことが体感できるはず。体が慣れないうちは、本を読みながら寝てしまっても大丈夫。体内時計を合わせ、カラダのリズムを作り出すことが目的なので、無理せず慣らしていきましょう。

 入社に向けて、英語の勉強や業界の勉強など新しいことにチャンレンジをすることも大切です。しかし、「誰でも出来る当たり前のことを、当然にできること」も新しいことに匹敵する価値があるのです。皆さんが4月にスムーズなスタートが切れるよう、ぜひ体内時計調整の準備をしてみてください。応援しております!