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ジョブヨク(70)「海外で働くとは」?@シンガポール

ジョブヨク(70) 「海外で働くとは」?@シンガポール
authored by ジョブヨク

 はじめまして。ジョブヨク学生幹部副代表、横浜市立大学ジョブヨク企画運営チームリーダー2年の大坂優里奈です。今回は、「海外で働くとは?」というテーマで私がファシリテーターをしたシンガポールジョブヨクについてレポートします!ジョブヨクとは、学生が、年齢も職業も様々な大人メンターと呼ばれる社会人と一緒に「働き方」と「生き方」について考え、語り合うワークショップです。

初の海外開催、シンガポールで学生9人が参加

 2018年3月3日に行われたジョブヨクの開催地は、日本を飛び出してジョブヨク初となるシンガポールでした! 参加者は、大人メンター11人と学生9人です。銀座ライオンシンガポール店で昼食をとった後に、13時から同会場で行われました。今回のテーマは、「海外で働くとは?」。大人メンターのうち5人は、実際にシンガポールで働いている社会人の皆さんです。具体的には、日本人学校教諭、経営コンサルティングマネージャー、貿易関係マネージャー、飲料メーカーマネージャーで、シンガポールで働くようになったきっかけは様々ということです。おおまかに分けると、日本で働いていて海外派遣されたケースと、海外で働きたいと考えて移住したケースの2つに分けられます。今回は海外で働くことに興味を持っている学生が多く参加しました。そのためか、限られた時間の中、海外での働き方や暮らし方、日本とのギャップなど様々な話を聞いて、今後についてじっくり考えているようでした。

 私は、これまでジョブヨクを4回企画してファシリテーターをしてきましたが、そのテーマは全て私自身が大人メンターと語り合いたいものを選んでいました。ただ、以前から参加者として皆さんと一緒に語り合いたいとも感じていました。今回はその願いが叶って、初めてファシリテーター兼学生参加者としてグループセッションに参加できたのです。今回のテーマとなった「海外で働くとは?」は、いつかは海外で仕事をしてみたいと思っている学生と実際に海外で働いている社会人との対話を実現したいと考えて設定しました。お互いに学び合い、将来設計の参考になることを目標としています。

 今回工夫した点は、参加者を5グループにわけて、それからセッション中に4回席替えを行ったことです。全員が全員と語り合える機会を設けました。4つのラウンドを通して、「海外で働くということ」と「海外で暮らすということ」という2つの側面について語り合ました。シンガポール暮らしの皆さんからは、実際に職場で起きた様々な出来事や、感じた葛藤、多文化が融合するシンガポールだからこそ楽しめるライフスタイルなど実体験に基づいたとても興味深い話がいくつも出てきました。幅広い話題で大いに盛り上がったディスカッションの様子を一部ご紹介します。

【1】働くことへの考え方

 日本とシンガポールでの職場の違いとして、多くの方がおっしゃっていたのが、決裁の速さです。例えば、日本では課長に提出した案件をそのまた部長へと送るため、決裁に手間がかかります。そのため実際に行動するまでにとても時間がかかります。ディスカッションでは、この状態を表現する「ハンコ主義の日本」というワードが出てきました。その一方で、シンガポールでは部長まで通さなくても、課長がOKを出す権限があってスピーディーに仕事が進む場合もあるようだといいます。「日本人はリーダーシップや実行力が必要だ」と多くの参加者が考えました。また、シンガポールで人気があるのはアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの企業で、日本人の働き方を押し付ける日本企業はあまり人気ではないようです。

【2】文化

 シンガポールでは、様々な国の文化を経験できます。日本人学校の教諭の大人メンターは、子供たちにいろんな文化を知ってもらおうと、自らもお祭りに参加したりしながら、その魅力を発信し続けています。ほかには、シンガポールへ来て、「日本人」ではなく「個」の魅力のほうが大事だということに気づいたという意見もありました。

【3】家族

 家族に関する話題も出てきました。特に、海外へ派遣という形で、シンガポールで働いている大人メンターは、「家族は当初は自分の夢を応援してくれていた。しかし、いざ赴任が決まると反発もあった」と語ってくれました。

いつでも相談ができる大人がいる、仲間がいる

 今回初めてとなる海外ジョブヨク。私は、ジョブヨクの活動に興味を持ってくれた大学の友人たちを誘って参加しました。友人以外の参加者の多くは、空港で初めてお会いした学生や大人メンターの方々でしたが、待ち時間などを利用して沢山対話したことで、次第に打ち解けあい、ワークショップの3時間以外の時間に、ジョブヨクのセッションのような「働き方」や「生き方」を語り合う状況が自然に生まれていました。私がこの状況をとても嬉しいと感じたのは、ジョブヨクの原点が、「いつでも相談できる大人がいる、仲間がいる」関係を築くことだと認識しているからです。枠にとらわれずに、いつでもどこでも話し合える人間関係を構築することによって、閉鎖的な社会を少しずつ変えていくことができると私は考えています。合宿のような海外ジョブヨクは、夏にも開催予定ですので、是非、ご参加ください!

※ジョブヨクの連載は今回で終了します。