日本経済新聞 関連サイト

OK
career-働き方

日本経済新聞「未来面」
学生からライオン社長へ提案
習慣づける物作り 自分らしく生きる

日本経済新聞「未来面」学生からライオン社長へ提案習慣づける物作り 自分らしく生きる

 日本経済新聞の未来面は、読者や企業トップの皆さんと課題を議論し、ともに作っていく紙面です。今回はライオン社長・浜逸夫さんからの「Well-Beingな生活のために何をつくる?」という課題について、学生の皆さんから多数の投稿をいただきました。

【課題編】 「Well-Beingな生活のために何をつくる?」

浜逸夫・ライオン社長

 読者の皆さんにとってWell-Being(ウエルビーイング)とはどのようなことでしょうか。「健康で安心なこと」「幸福な状態」「いきいきしていること」「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」などと訳されます。Well-Beingな生活に貢献していくことが、企業のあるべき姿、進むべき方向性として取り上げられることが多くなっており、健康経営やESG(環境、社会、企業統治)を進めることは企業の持続的成長のために必要なことだと思います。

 ライオンは今年、2030年の姿として新経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を発表し、生活者一人ひとりの「心と身体のヘルスケア価値」を追求する企業として、社会的な課題に積極的に取り組んでいくことにしました。

 我が社は主に歯磨き、手洗い、掃除・洗濯などの場面で、全ての人の一日に寄り添いながら、毎日の習慣をより良くするお手伝いをする商品を世の中に送り出してきました。健康、快適、清潔・衛生を通じた新たな顧客体験価値の創造により、毎日の習慣を、もっとさりげなく、楽しく、前向きなものに"リ・デザイン"して「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を実現していこうと考えています。そして、Well-Beingな毎日を提供していくことは、新経営ビジョンの下、我が社が未来に向けて生み出す社会価値の大切なテーマとして捉えています。

 デジタル革命が進み、世の中の変化のスピードはさらに速くなっています。我々の生活は、新たなテクノロジーを使うことで、新しい価値を創出できるはずです。人工知能(AI)、様々なモノがインターネットにつながるIoTなど最近のテクノロジーを使った新たなヘルスケアビジネスの創出も視野に入ります。

 口腔(くう)ケアから全身健康ケアにつながるオーラルヘルスケア事業はさらに進化し続けることでしょうし、子どもの頃からより良い生活習慣を身につけていれば健康寿命を延ばすことにもなるはずです。日常の生活の中からQOL(クオリティー・オブ・ライフ)向上のための健康習慣を"リ・デザイン"することも可能でしょう。

 私たちができる価値創造はいろいろあります。企業の存在意義は、企業活動によって社会に価値を還元していくことです。

 未来のWell-Beingな生活とはどのようなものでしょうか。いきいきとした心と身体で充実した日々を過ごすために、皆さん自身は何をつくり変えたり、生み出したりしていきますか。また企業はそれをどうサポートしていけばよいのでしょうか。

 そこで皆さんにお尋ねします。「未来のWell-Beingな生活のために、何をつくり出しますか」。新たな価値を創造していくためのアイデアをお寄せいただきたいと思います。

(日本経済新聞2018年6月18日付)

◇    ◇

【アイデア編】

| 習慣づける物作り 自分らしく生きる

 池田 愛奈(関西大学外国語学部3回生、20歳)

 Well-Beingとは自分らしく生きることだと思う。人生100年時代で、多様性が認められる現在は自分らしい生き方を追求する社会になっている。個々の人は肌や髪の質も違う。化粧品のように、その人に合う石鹸やシャンプーを選ぶことができたら人々はもっと綺麗になれると感じる。毎日している歯磨きでも虫歯にならないように、無害な物でまずうがいをすると汚れている部分に目印が現れ、それがなくなるまで磨いたらピカピカになった証拠というような物があれば、子供でも楽しく磨けるだろう。

 幼児期に決まる生活習慣を、小さな頃から持たせるために"歯磨きの時間よ"とか"寝る時間よ"とか教えてくれるぬいぐるみのような物があったら良い健康習慣をつけることが出来るのではないか。基本的な事だが、それができることで更に自分のやりたいことに集中できるのではないだろうか。

| デジタルの波から避難できる空間を

 泉沢 俊(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部3年、20歳)

 デジタル革命の波から避難できる空間を作るのはどうだろうか。我々の生活はテクノロジーに支配されている。顔の見えない会話は内容を希薄化させ、莫大な情報は私たちの取捨選択を惑わす。ストレスは幸福を損ねている。ならば、これらから解放される環境を整えるべきだ。ユーチューブではなくトークイベントを、イヤホンを外してライブコンサートを、LINEをやめて会話を、スマホゲームではなくボードゲームをするのも良いだろう。直接人と関わることで新たな発見や、素晴らしさを感じることができる。スマホの画面が全てではない。現代社会がもたらす恩恵を否定するわけでもない。しかし、技術の進歩は画面を通して一人で完結できる世界を完成させてしまった。ならば、テクノロジーが進歩した分アナログな生活を取り入れる。現代こそリラックスできる場所が必要なのではないだろうか。

| 「次世代の枕」で睡眠の質を改善

 東 希音(海陽学園海陽中等教育学校中学2年、14歳)

 今の日本の若い社会人は無理のし過ぎによる睡眠不足が多いと思う。実は睡眠不足によって無呼吸状態に陥る病気や糖尿病や高血圧になる可能性が高くなる。このように睡眠不足により、脳の休息が不十分なうえ、健康面や美容面でも悪影響を及ぼず。そのため僕は「Well-Being」な生活のために睡眠を改善すればいいと思う。

 私のアイデアは「次世代の枕」をつくることだ。まず「次世代の枕」には、脳と接続して脳内の情報を整理してくれる機能がある。また、身体面でも頭や首回りの負担をなくすために設計されている。さらに、脳に枕が接続されているため、自分の都合の良い夢を見れるようになっている。このような機能により、とても質の良い睡眠をとり、気持ちがいい朝を迎えられる。それにより睡眠が改善され、「Well-Being」な生活を送ることができる。

【講評】浜逸夫・ライオン社長

 読者の皆さんに「Well-Beingな生活のために何をつくる?」という問い掛けをさせていただいたのは、「何気ない毎日をどのように幸せに生きていくのか」「IoTやAI(人工知能)が進行する中で生活環境はどのように変わっていくのか」など、デジタル化が進む中、日常生活に寄り添っていくために我が社がどのようにお役に立てるのかを知りたいと思ったからです。

 アイデアは全て読みました。健康や幸せについて10~80代まで幅広い読者の皆さんが関心を持ち考えて下さったことに感銘しました。本当にありがとうございました。

 読み進めると、Well-Beingな生活を実現する条件は「3つの満たされた状態」に集約されるように思えました。「肉体的に」「精神的に」そして「社会的に」です。

 「肉体的に」では「心地よい睡眠を」に目が止まりました。自分の好きな夢を見ることができる「次世代の枕」が実現すれば、気持ちの良い朝を迎えることができ、モチベーションも上がることでしょう。

 「精神的に」は「自分らしく生きる」を紹介します。生活用品を自分らしさの実現につなげていく内容で、ぬいぐるみが歯磨きや寝る時間を教える等、楽しみながら生活習慣を身につけるアイデアは、次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーを目指す我が社にとり、とても共感できました。

 「社会的に」の「スマホに依存しない空間」は、デジタル化の恩恵を十分享受した上であえてデジタルの波から距離をおいて幸福について考えるというアイデアに共感しました。テクノロジーが進化すればするほどアナログをクローズアップしてバランスを取ることは重要な視点です。

 皆さんのアイデアを大切にし、新たな顧客体験価値の創造を通じて、毎日の習慣を、もっとさりげなく、楽しく、前向きなものへ「リ・デザイン」し、「Well-Beingな毎日」に貢献していきたいと思います。

(日本経済新聞2018年7月23日付)

【「未来面」からの課題】
過去のテーマ・課題は以下よりご覧いただけます。
Mirai アーカイブズ

「日経College Cafe」のお勧め記事はこちら>>