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目指せソーラーカー世界一(5)チームキャプテン激白! ソーラーカーレースの頂へ!!

目指せソーラーカー世界一(5) チームキャプテン激白! ソーラーカーレースの頂へ!!
authored by 工学院大学ソーラーチーム

 皆様、こんにちは。私は先進工学部機械理工学科の尾崎大典です。ソーラーチームではチームキャプテンとメカニックを務めています。

キャプテンとしてイベントで発表しています

 チームキャプテンの仕事は、記者発表会や講演会、学内で開催される会議の場でチームの顔としてプレゼンすることや、チームの活動を支えてくださるスポンサー様や学校関係者の皆さんとの連絡などです。加えて、約400名いるチームメンバーをまとめ上げ、指示などを出すのも私の仕事です。

 メカニックの主な仕事は空力班や構造班と協力して車体案を考え、そのモデルを製作するために1から3Dモデルを作ります。そのモデルを基に2Dの図面を作成して,部品の加工や発注を行い、組み立てていきます。レース期間は、車体の足回りなどの調整・整備を行います。メカニックは体力勝負なところもあり、車体に問題があった際には、調整が終わるまでの昼夜を問わない作業を行います。実は体育会系な一面もあるんです。

4号機Wingの3Dモデル

なぜ私がソーラーカーの世界に??

 では、私がなぜ"ソーラーカー"に関わっていったかを紹介したいと思います。私が大学に入る前の2015年にソーラーチームは、世界最大級の国際的なソーラーカーレース「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」で準優勝を果たしました。そのときの模様を記録したチーム動画(皆さんもご覧ください。URL:https://www.youtube.com/watch?v=m0TMYPvXakc)を見て、大きく心を引かれたというのがチームに入った大きな要因です。

海外のメンバーと交流。記念にポロシャツ交換をしました

 また、私は大学生のうちに社会で活かせるような経験を積みたいと考えていました。このチームではソーラーカーの設計や製作を通じて様々な技術や知識、ゼロから車体を作り上げるという経験を積むことができます。さらに、世界大会などで海外の学生と関わる機会も多く、国際交流の重要性を再確認することができます。彼らの技術を間近に見ることでリスペクトしながらも自らを高めることができます。加えて、社会人の方々と直接やり取りさせていただく機会が多くあり、50を超えるスポンサー様や学校関係者の皆さんとの関わりを通じて、社会に出る上で大切な物事を学ぶことができます。

苦労の先にあるもの

 私は2017年大会に初めて参戦し、多くの経験をすることができました。

日本でしか修復できないカーボンボディーに、大会リタイアが頭をよぎった

 私たちのチームは、オーストラリアへの入国を二手に分かれて行います。同様に、当時の先輩方が先発隊としてオーストラリアに向かった後、私は後発隊としてオーストラリアに向かう準備をしていました。そんな中、本番前の試走中に車体が横転するという大事故が起こりました。車体の側面には大きな穴が開き、とても再び走れる状態ではありませんでした(ドライバーが無事であったことは幸いでした)。その知らせを日本で聞いた私は、世界大会に出場できるか不安になりました。

 事故の知らせを聞いて一時は諦めかけましたが、ここで終わるわけにはいかないとチームは現地での修復を決断しました。しかしカーボン繊維でできたボディーだけは日本でしか作ることができません。そのため、後発隊として日本にいた私たちは穴が開いた部分に合わせて修復パーツの作成に取り掛かりました。車体作成の時に学んだ技術のおかげで、オーストラリア出発までの短期間のうちに完成することができました。この時には外部アドバイザーの方にもお手伝いいただきました。

その結果、レース復帰できるまでに修理することができ、無事に私たちは世界大会に出場することができました。

暗闇の中、光を頼りに作業する筆者

 私は大会期間中、荒野の中での車体整備やレースで使用するタイヤの管理を行いました。整備は1日のレース終了後の夜に、トラックの光だけを頼りに行います。すると、たくさんの虫などがよってきて、滅茶苦茶な状態になります。最初のうちは不快に感じていましたが、最終的には口に何匹か入っても平然でいられるようになりました。

 ゴールでは、アデレード市内のたくさんの方々から祝福を受け、歓喜のまま噴水に飛び込みました。レースまでの準備期間では苦労した点が多々ありましたが、ゴール後にはすべてが自分にとってかけがえない経験・思い出に変わりました。

歓喜のあまり皆で噴水に飛び込みました

主な活動

 チームの主な活動は、2年に一度行われる世界大会に向け、新車両を製作することです。この2年間には、レース分析・設計・加工・組立・走行訓練などが含まれています。

 さらに最近では様々なイベントに呼んでいただく機会や、多くのメディアに私たちのソーラーチームを取り上げていただく機会も増えてきています。2017年12月25日には、NHK総合の「超絶 凄ワザ!」という番組で日本のソーラーチームの1つとして特集されました。

東京モーターショー2017出展時の様子。その他数多くのイベントに出展しています

 また、「東京モーターショー2017」のブリヂストンブースへの車両出展や、テレビ東京の報道番組「ワールド ビジネス サテライト」で特集を組んでいただくなど、様々な形でメディア露出の機会が多くなっています。今年度も様々な形で露出する機会があるので、もし見かけたらよろしくお願いします!

 そして今年は、秋田県の大潟村で行われる「ワールド・グリーン・チャレンジ2018」に出場します。この大会は1993年に第1回大会が開催され、我々のチームが2016年度に参戦した際には歴代大会に参加したのべ1035台の記録を更新して大会新記録を樹立しました。

 私が1年生で出場した時は、先輩のサポートがメインでしたが、今年度は先輩の大記録を追い抜き総合優勝することを目標に、キャプテンとしてチームを引っ張ります!!

「ワールド・グリーン・チャレンジ2016」では大会新記録を樹立しました

今後の目標

 2019年にもオーストラリアで「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」が行われます。もちろん、我々のチームは総合優勝を狙います! そのために、まずは多くの改善点をリストアップし、次の車体開発やレース戦略において、前大会の経験を活かしたいと思います。

 個人としての目標は、4月より主力だった先輩方が抜けて、キャプテンやメカニックとしての責任や仕事が本格化してきます。そのため、さらに知識や技術を深めて日本だけでなく世界中を驚かせられるようなソーラーカーを作り、先輩方を超えたいと思います。そして次の後輩たちに一つでも多くの技術や経験を残したいです。

 自分たちの活動はまだまだ続くので、多くの方々の目に留まるように日々挑戦していきます!!

次大会へ向けて、我々は走り続ける