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人事部の視点(16)採用担当者はあなたの何を見ている?
~答えはシンプル「信用できる人か」

人事部の視点(16) 採用担当者はあなたの何を見ている?~答えはシンプル「信用できる人か」
authored by 日経カレッジカフェ×人事部

 こんにちは。エリーパワー人事部で新卒採用を担当しております玉井亜以子です。

 大学3年生の方の中には、そろそろ就活に向けて準備を始めている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 就活が始まると、気になるのが「選考で企業は何を見ているのか?」ということ。これについては、日経カレッジカフェでも多くの方が書かれていますが、みなさんの準備に活かせるよう改めてお伝えしたいと思います。

【大前提】 企業と学生の関係は、初対面の他人同士

 当たり前ですが、新卒採用での当事者は、「企業」と「学生」。新卒採用の話をするとき、「企業は...」「学生は...」と形式的に語られることも多いのですが、中身は、新卒採用というきっかけで出会った初対面の他人同士なのです。
初対面の他人だからこそ、企業側は、インターンシップや企業説明会等、色々な手法を使って自社を知ってもらう努力をする。ESや面接等いろんなカタチで質問をしてくるのも、あなたを知らないからです。

 人事部長のひとりごと(13)で、「面接は自分をプレゼンする場」とモザイクワークの高橋さんがおっしゃっていますが、知らないからこそ、知るためにプレゼンが必要なのですよね。みなさんが、就活準備のスタートラインとして意識すべきことは、「相手は、自分のことを知らない人なんだ」という認識です。ここから全てが始まります。

全く知らない人に会った時、あなたが知りたい情報は何?

 では、あなたが見ず知らずの人に初めて会った時、相手を知る上で知りたい情報は何ですか? まずは、「相手はどんな人か?」という情報を集め、そして「相手は信用できる人か?」「自分と合う人か?」「これから良い関係が構築できそうか?」という判断を総合的に行うのではないでしょうか。

 これは、企業が選考を通じて見ているものと同じです。企業の採用選考に応募していると考えると、「選ばれるためには?」という思考になりがちですが、本当の答えは、もっとシンプルなのです。

人間関係の前提となる「信用」が何より重要

 しかし、採用選考は他の場合と大きく違う点が1つあります。それは、通常はある程度時間をかけて判断していく過程を、短期間で行わなければならないということ。そのような状況で判断する際に、重要になるのが「相手の情報に、嘘や偽りがないか?」つまり「相手は信用できる人なのか?」ということです。

 就活をしていると、よりよく見せたいという気持ちが起こることもあると思います。そこで、「スゴイと思われなきゃ」と、事実を盛ったり、捻じ曲げたりしたくなることもあるかもしれません。しかし、よく考えてみてください。面接官や人事は、元学生なのです。みなさんとよく似た経験をしてきた人達です。経験者は「スゴイ!」ことはそんな頻繁に起こらないとことを知っています。

 また、学生にとって就活は、内定というゴールを得る活動ですが、企業にとっては、入社後が本番。選考活動はその入り口にすぎないのです。入社後は、社内のメンバーだけではなく、会社の業績の基となる取引先とも良い関係を作っていかなければならない。

 入り口である選考で信用できない人が、入社後、上司・同僚ひいては取引先と信頼関係を構築していけるでしょうか。信頼関係は、信用できる人が、一つ一つ積み上げていくことで初めて構築されるものです。

 就活において、自分を知ってもらうこと、企業の情報を掴むことも非常に大切ですが、それ以上に、人間関係の前提となる「信用」が自分にあるか、自分は相手から信用される人であるかという観点を持つことが何よりも重要です。また、このような観点をもてば、ビジネスマナーである挨拶や御礼、時間など約束を守る、遅刻した際のお詫びの意味が自然と理解できるのではないでしょうか。

 ビジネスマナーは、失礼にならないようととらえられることが多く、「これはだめ、やっちゃいけない」とNGなものを意識しがちです。しかし、自分のことを信用してもらうために守るものなのだと思えば、どんな風に接するべきかが見えてくると思います。

これから就活で迷ったら、基本に戻ろう

 就活では必勝法やテクニック的なことを知りたくなるものです。しかし、就活のベースは他人同士の人間関係であり、就活は、お互いを信用し今後の信頼につなげていく過程の1つだととらえてもらえれば、見え方が変わり、準備することも見えてくると思います。

 これからの就活で多くの人と会い、自分に向き合い、迷ったりすることがあると思います。その時は、このことをぜひ思い出してください。きっと解決策が見つかるはずです。応援しております。