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新体操のほっち(8)生活に欠かせない「自分だけノート」
~感情を書くことで気持ちが楽に

新体操のほっち(8) 生活に欠かせない「自分だけノート」~感情を書くことで気持ちが楽に
authored by 坪井保菜美新体操元日本代表

 みなさんこんにちは、新体操の坪井保菜美です。この連載も、今回で第8回目となりました。いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。

 暑~い夏に比べると、いまの季節は最高に過ごしやすいですね!私はよく、クロスバイクやロードバイクに乗るのですが、この時期はとっても気持ちがいいです。また、ちょっと怠っていたランニングも少しずつ取り入れて行こうかなと思います(だって最近雨だったんだもん・・笑)←ってのは嘘で、ただやらなかっただけなんです。いくらでもできたはず。目標を明確にして心から鍛えなおします。どんな事でも、小さな事でもいいので目標を持つということはやる気に繋がります! さぁ、今日の目標は何にしようかな。

オリンピック出場権獲得の戦いを控え

 さて今回の内容です。前回は、自分を客観視することの大切さについてお話をさせていただきました。若干マイワールドでしたが、なんとなく伝わったでしょうか。客観的に自分を、そして周りをも見るようになったことでメンタル面が強化されていくのを実感していく中、新たな発見や心の変化について触れつつ今回もお話しを進めさせて頂きたいと思います。

ではまず、オリンピック出場を目指すために結成されたこのフェアリージャパンですが、レギュラーが決まったからといってオリンピックに出られるかといったらそうではなく、、まず、2008年の北京オリンピックが行われる前年度、2007年の世界新体操選手権大会に出場し、この大会でオリンピックに出るための枠を勝ち取らなければならないという戦いが待っていたのでした。

 オリンピック出場権獲得というのは、私たちにとって、そして日本の新体操界にとっての大きな大きな目標でした。またこの大会は、オリンピックに出るような競合国はもちろん、それ以上に各国から数多くのチームが出場するため、オリンピックと同じくらい大きな大会の一つでもあります。2007年・世界新体操選手権大会が行われる場所は、ギリシャ・パトラス。新体操は主にヨーロッパが強く、ヨーロッパで試合が行われることが多いんです。

頑張った、嬉しかった、嫌な思いをした...殴り書きのメモに

 以前にもお話ししましたが、家族以上の時間を共にする仲間でありライバル。そして自分との戦い。この環境に入り、この生活を経験していく上で今この時間を瞬間を、今後忘れてしまうなんてもったいない!と、ふと思う日がありました。今日はこれを頑張った、嬉しかった、こんな嫌な思いをした、、など、その時の気分や感情を思いのままぶつけたいと思った時、反省ノートとは別に自分だけのノートを作り、そこに殴り書きのようなメモを残すようになりました。これを日記という形にすると続かない気がしたので、はじめは箇条書き程度。イライラした時は筆圧が濃かったり、字が汚い。誰かに言うわけでもなければ、見せることもない。自分だけのノート。

 きっかけはコーチでした。自分の感情を人にぶつけるのではなく、自分ノートにぶつけなさいと。そこにはなんでも書いていいと言われました。もともと人に何かを言うわけではないが、ただ本当に感情表現が苦手だということ。言葉にして伝えるという作業が不得意だった私には、"書く"ということで不思議と自分の気持ちがスッと落ち着いたのがわかりました。心も楽になった気がします。

 それからは、今日の頑張りをいつか新体操を辞めた時でも思い出したいと思い、足跡として毎日何かしら残すようになりました。残そうとすることで1日の過ごし方をより大切にしようと思えたり、次からはこうしよう、と自分の中で反省しながら目標も立てやすかったです。もちろん、良い日もあれば嫌な日も。。なんだクソーー!と思った時でも、自分ノートに書きながら、書くことで自分は乱れた心のバランスを整えていたんだと思います。

書き続けて12年、今では辞書のように分厚い日記帳

 気付くとこの作業は、私の生活の中で欠かせないものとなり、手帳のメモ欄に書く程度だったものが、今では辞書のような分厚い日記帳に書き残すまでになりました。今も書いてるんですよ~。でもこれ、すごいんです! 数年前のことなのに、何気ない日常生活のことでも、読み直してみるとあぁ~!と、思い出すんです。これこれ!この日を楽しむためにと、ずっと書き続けてきたのです。

 そして実はこの連載を書くにあたっても、この日記はとっても役に立っているのです。自分の中に留めておこうと書いてきたものが、こういう形でみなさんにお伝えできる日がくるなんて本当に嬉しいんです。うろ覚えな経験談ではなく、しっかりとした記憶そして記録からお話しができ、この連載を読むことで一人でもお役に立てているのであればなんと幸せなことか。

自分ノートを書き続けてすでに12年。自分でもこんなに続くとは思っていなかったので驚きです。ここまできたら逆に辞められませんね。笑 今日も明日もこれからも書き続けようと思います。いつかこの連載でもお話しする機会をいただけたらと思っているのですが、"書く"ことで気持ちが落ち着くというのは、今でも同じ感覚にあります。

 実は私、絵を描くことが好きなんです。食事を忘れて絵に集中することがあるほど。細かい作業も大好きで、1日中、夜中中やり続けてしまいます。こうして連載を書いていて気付きましたが、自分の感情や思いを書く(描く)という作業は、やはり私にとって心の内を発散しつつ整理しながらもバランスを保っているのかもしれません。気付いてしまった以上は、よりどちらも辞められそうにないですね。

 絵に関しては特に、その時の気分それこそ感情で作品の仕上がりが変わります。絵の話になると長くなってしまうので、またいつかの機会にさせてくださいね!

 では話を世界選手権まで戻し・・たいところですが、今回はここまでにさせていただこうと思います。次回こそ!!競技生活の方へ移っていきますので、ぜひ読んでいただけたらと思います。次回は、日本の新体操団体フェアリージャパンが、オリンピックの切符を勝ち取るために賭ける想い、そして日の丸を背負うその重み。。についても触れながらお話していきたいと思います!!

 第8回目も、最後まで読んでいただきありがとうございました。次回、お楽しみに☆