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就活ルール「正直企業がバカを見る」は本当?

ホンネの就活ツッコミ論(81)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「就活ルールを守る企業・守らない企業」です。この連載でも、就活ルール関連でかれこれ4回目。それだけ、学生や採用担当者の間で関心あるテーマと言えるでしょう。

さて、中西宏明・経団連会長は就活ルール廃止の理由として、守らない企業があり、正直者がバカを見る、という点を挙げています。では、就活ルールを守る企業は本当に損をしているのでしょうか?

IT・ベンチャー・外資系などは就活ルールより早く動く

現在の就活ルールは2020年卒までは適用されます。そして、2021年からは政府主導になりますが、2021年卒以降も就活時期は現在の就活ルールと同じ。つまり、広報解禁は3年3月、選考解禁は4年6月とすることで調整中です。

この就活時期より早く動くのがIT業界やベンチャー企業、外資系企業などです。早ければ3年生10月・11月ごろから選考を開始、実質的な内々定を出す企業もあるほどです。経団連加盟企業で就活ルールを順守する企業からすれば、こうした早期に動く企業に学生を横取りされている、との不満が強くあります。

この「正直者はバカを見る」という不満はここ数年どころか、1980年代から延々と続いています。中西会長の就活ルール廃止もこの不満というマグマが噴出した結果、と言えるでしょう。

データを見ると大手企業志向は変わらない

では、学生は本当にIT業界や外資系、ベンチャー企業に流れているのでしょうか。私はここが疑問です。

就職情報会社ディスコの「キャリタス就活2019 学生モニター調査結果(2018年5月発行)」(回答者数1197人)によりますと、5月1日時点で内定(内々定を含む)を得た学生は42.5%います。では、内定を得た学生が就活を終了したか、と言えばそんなことはありません。

同調査では、内定を得て就活を終了した学生は14.2%、28.0%は内定を得ていても就活を継続する、と回答しています。さらに内定保持の学生は、内定企業と就活の中心とする企業規模を比較した場合、「内定企業よりも規模が大きい」51.6%、「内定企業と同規模」40.3%と、大企業志向が明らかになっています。

同調査からは、就活ルールを守らず、早期に内定(または内々定)を出す企業が多い反面、早期に内定を出した企業に就職を決める学生は多くないことを示しています。つまり、中西会長や経団連加盟企業担当者が話すところの「正直者はバカを見る」は、データからは当てはまらない、と言っていいでしょう。

学生はしたたか「ITは練習っす」

「正直者はバカを見る」と憤る中西会長や経団連加盟企業の方にお伝えしたいのが、学生は想定以上にしたたかであることです。自分の将来を左右することを考えれば、社会経験の少ない学生であっても、したたかに考えるのは当然です。そのしたたかさを示すのが、ディスコの「内定企業の選考プロセスに関する調査」(2018年10月公表/回答は内定を得て就活を終了した学生675人)です。

「当初志望度別の内定時期」という項目では、志望度別(本命、滑り止め、練習)に内定時期がいつだったかを示しています。本命企業は内定時期が6月(40.0%)と他の時期(5月・22.9%、4月17.1%)を圧倒しています。一方、滑り止め企業は5月(30.4%)、6月(30.2%)とやや早く、4月(18.8%)と続きます。練習企業はさらに早く3月から6月に分散しています(3月・17.4%、4月・22.9%、5月・23.9%、6月・21.1%)。

このデータと同じような話を私は学生からよく聞きます。昨年の12月、すでにIT企業の内々定を得たとする学生はこう話してくれました。

「××(IT業界の大手企業)の内々定を貰っています。なんか、インターンシップに参加したら選考に参加しろ、と言われて、それであっという間に内々定を貰いました。まあ、練習っす。他の企業も受けて行って、それでダメならその社に行くかもしれませんが」

IT業界やベンチャー企業の採用担当者に話を聞くと、こういう学生に内々定を出していることはよくある、と認めます。「うちを受ける学生は志望度が低いです。選考はまあ練習台なんでしょうね。そういう学生に内々定を出して、それで辞退をされるのはよくあります。年によっては半数近く辞退されることも。早期に選考して早期に内々定を出しても経団連加盟の大手企業に学生は流れるんですよ、結局は。その辺も織り込み済みで、だからこそ、早く動きます」

この状況、つまり、学生が早期に動くIT業界や外資系、ベンチャー企業を練習台とするのは、就活ルールが政府主導となる2021年卒以降も変わらないでしょう。

採用に早く動くかどうかに関係なく学生は自身に合う企業がどこか、就活を通して模索していく、そこが基本です。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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