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ヤゴ推しオタク、ミジンコに萌える(上) ~研究室選びの決め手は「わくわくする予感」

発信!理系女子(24)

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NIKKEI STYLE

天井まで整然と並ぶ書籍に、はちきれんばかりの書類のファイルの数々に囲まれ、机越しに対峙する学生と教授――。学生が声を上擦らせながらたどたどしく卒業研究について説明すると、差し出されたデータを前に目を輝かせながら嬉々として話が止まらない教授――。教授の新たな仮説に、「おもしろ~い♪)」と盛り上がる声が研究室に響く――。

こんにちは。東北大学サイエンス・エンジェルの山田紗友美です。私は現在、東北大学大学院生命科学研究科博士課程の後期課程2年に所属し、生態学を専攻しています。生態学は生物と非生物的な環境要因との関係や生物同士の相互作用を探求する学問です。具体的には、生物群集の成り立ちや環境改変による生物の応答など、その内容は多岐にわたります。私は特に「ミジンコの死んだふりはヤゴに効果ある?」という研究をしています。

「水生昆虫ってカッコイイ!!」大学院で研究続けたい

冒頭の場面は、学部4年生6月時に研究室見学をした時の様子です。今でも初対面にも関わらず、知己の友と会ったように満面の笑みで出迎えてくれた先生の顔が脳裏に焼き付いています。「私の研究は私が思っているより、おもしろいのかもしれない。でも、それを私のデータを少し見た先生が先に気づくのは、ちょっと悔しい」と思ったのがその研究室を受験した理由でした。今回は、大学院に進学するにあたっての研究室選び、研究室訪問、研究テーマ決めについてお話したいと思います。

私は奈良教育大学総合教育学部の4年生の時、「ミズゴケ湿原におけるトンボ幼虫の胃内容分析」をテーマに研究をしました。「トンボ種の多様性が高い場所で、ヤゴはどうやって異なる種類のトンボ達と共存しているのか? 食べている餌の違いは?」ということを調査・解明するのが研究の目的でした。

推しヤゴの研究が始まるとともに、大学院に進学して研究を続けることを志しました。当時の私は、既に水生昆虫がカッコイイ!!と気づいてしまっていたので、たった1年で研究を終えてしまうなんて、ありえないと思ったからです。ですが、奈良教育大学大学院は教職大学院であること(大学院は一般的に研究機関ですが、教職大学院は教員としての能力向上に力を入れています)、自分が希望するテーマを専門とした研究室がないことなどが理由で、他大学に目を向けることにしました。

卒業研究のためのヤゴ採集と並行して4年生の初夏に研究室訪問を始めました。どこに訪問するかは、自分の希望する研究テーマに近い先生の口コミ、関連の論文や書籍などの著者から決めました。研究室訪問をするなら、できれば2つ以上がおすすめです。私はちょっと多いのですが、結果的に合計5つの研究室に行きました(笑)。これは分野の近い先生だけではなく、論文を読んで会ってみたいなと思った先生にも、場所も近いしせっかくだからと会いに行っていたからです。

訪問予定にもなかった研究室にたどり着く

不思議なもので、その先生の口コミで当初は訪問する予定にもなかった(!)ヤゴにたくさん食べられていたミジンコを専門とする今の先生・研究室にたどり着きました。博士課程への進学を少しでも考えているなら、思い切って広い視野で探してみてください。真摯にテーマを探求する個性的な(やや刺激が強すぎる?)先生との出会いは人生の中でも濃い経験になると思います。

私が研究室を決める際に大事だと思い、訪問先の研究室で確認したことを以下に述べます。

・研究テーマの決め方
・先生は学生の研究や修士の論文についてどれぐらい相談やチェックしてくれる?
・コアタイムの有無、セミナーの形式や頻度(英語で発表するなど)、研究のほかに学生が研究室で自主的にすることがあるかどうか(全員参加の実習の手伝いがある等)、学会、卒業生の進路と就活に対する先生の考え
・他の研究室との交流があるか

どれも分野問わず、研究室単位で大きく変わることです。あとは大学院入試でやっておいたほうがいいことや大学院での講義についても聞きました。

研究テーマの決め方については4年生で悩む方が多いと思います。テーマ選びは大きく2つに分かれて、(1)先生が指定する (2)自分の意思で決めていく流れになります。先生からいくつか案を出された中で決めることもありますが、ある程度は自分のやってみたい方向性も必要です。どうしても思いつかなかったり、迷っている場合は、対象物をよく見て、関連する話をよく聞いて、まずはちょっとだけやってみてください。私が行っている生態学の分野では、先輩の野外調査を手伝っているうちに、気になることが出てくるという人が多い気がします。

先生と一緒に「おもしろ~い♪」って笑えたら

なんだかんだ言いましたが、私が関西を飛び出てまで、今の研究室を選んだ決め手は、私が今まで考えたことがなかった新しい視点を先生が提案したこと、そしてそれを「おもしろ~い♪」と先生と一緒に笑えるような、ちょっとわくわくする予感です。

今までいた研究室と気質が異なるほど、新しい環境は慣れるのが大変かと思います。また、今までそばにいた友人が誰もいない、研究室以外でも学内では常識とされることがなじみないものであったり、講義、進路や奨学金など、研究以外にも考えることがたくさんあって、ちょっとした余裕がなくなってしまうかもしれません。そんなときは、いつもよりたくさん寝て、おいしいものを食べて、あと誰かをほめてみてください。友人・知人でもいいですし、コンビニの店員さんに「ありがとう」でも、ラーメン屋さんで「おいしかったです!」でも、とりあえず一言何かほめてみてください。

そうして誰かをほめても、特になにか問題が解決するわけではないです。でも人が笑うとちょっとだけ、その空間はゆるやかになります。

東北大学サイエンス・エンジェル
 次世代の研究者を目指す中高校生に「女性研究者ってかっこいい!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。

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