検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

「なぜだ!」 カリスマ経営者に思う

池上彰の大岡山通信 若者たちへ

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

「なぜだ!」

日産自動車の「カルロス・ゴーン会長逮捕」のニュースを知ったとき、私が思わず発してしまった言葉が、これでした。

ガラガラと崩れる好イメージ

私たちの記憶には、いまも日産自動車を劇的に立て直した手腕や「コミットする」という言葉が残っています。

たしかに年間報酬の高さには驚かされましたが、まさか公表されているよりもはるかに巨額の報酬を約束されていたり、公私混同の数々があったことを知らされたりすると、せっかく持っていた好イメージがガラガラと崩れていきます。

もちろん東京地検特捜部による捜査の途中ですし、日産の発表は、あくまで会社側の立場からのもの。実際にどんなことがあったかが判明するのは先の話。

現時点で断定的な言い方は控えたほうがいいと思いますが、会社の中で独裁的な力を維持していたカリスマ経営者が、突如として失脚するというのは、失礼ながら、あまりにドラマチックです。

ここで私が思い出したのが、もうひとつの「なぜだ!」という発言でした。

1982年、老舗デパート三越(現在の三越伊勢丹ホールディングス)の取締役会で解任された岡田茂社長が発した「なぜだ!」という言葉でした。

社内で誰も逆らうことのできない絶対的地位を築き上げた岡田社長に対し、取締役たちが反乱を起こしたのです。

取締役会の会議中、議長が岡田社長から専務に交代したところで、突如として専務が「社長解任」を提案し、出席していた取締役たちは起立して賛意を示します。解任決議の動議は、岡田社長を除く16人全員の賛成で決議されました。

社長の腹心だった専務や部下たちの突然の"裏切り"によって岡田社長は三越を追われます。このときの本人の驚きの言葉は、流行語となりました。

腹心の部下たちが反乱

岡田元社長は、三越内部で若い頃から頭角を現し、若手のやり手として高く評価され、72年に社長に就任するや、電撃的に解任されるまでの10年間、三越に君臨。「岡田天皇」と称されました。自身のライバルを追放して、圧倒的な権力を掌握したのです。

しかし、自宅の改修費を会社に負担させたり、親しい女性の経営する店を優遇させたりという公私混同が目に余り、遂(つい)には腹心の部下たちの反乱を引き起こしました。

その後、岡田元社長は特別背任の容疑で東京地検特捜部に逮捕され、東京高裁で懲役3年の実刑判決が下されます。最高裁に上告しますが、95年に死去し、公訴棄却となりました。

会社経営で手腕を発揮してトップに立つと、その経歴に遠慮して、側近の誰も忠告することができない。みんながトップの顔色をうかがうようになる。忖度(そんたく)という言葉は官僚の世界だけではないのです。

しかし、いくら優れた経営者であっても、周囲のアドバイスや批判を受け入れないようになると、自分のことが見えなくなります。

経営者にとって大事なことは、優れた後継者を育てることです。後継者になりそうな人物が左遷されたり、追放されたりするようになると、いくらカリスマでも、経営ぶりに赤信号がともります。

一部の例外はあるにせよ、長期政権は、こうした傾向に拍車をかけるのです。

でも、カリスマ経営者に引き立てられた部下の役員たちは、なかなか声を上げられないもの。その役を担うのは社外取締役です。三越のときも、社長の乱脈ぶりを危惧した社外取締役が動き出して社長解任に至りました。他の企業も、三越や日産を他山の石としてほしいものです。

[日経電子版2018年12月3日付]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_