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業界・企業選びには軸が必要?

ホンネの就活ツッコミ論(88)

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今回のテーマは「業界・企業選びの軸」です。12月に入ると、各地でインターンシップ合説が開催されます。いよいよ、就活の序盤戦が静かに始まりつつあります。そんな中で学生からよく出る質問が「業界・企業選びの軸はどうやって決めればいいでしょうか?」というものです。「業界・企業選びは軸があった方がいいと聞きました」「何か軸がないと、選考で不利になると言われて」「軸がないとあとでブレそうで怖いです」などなど理由は様々。では業界・企業選びの軸、2020年卒就活ではどうすればいいでしょうか?

就活関連の言説、古いものも最新情報と化すことも

私が就活関連の記事や本を書くようになって今年(2018年)で15年になります。しかも大企業から中小企業まで、北海道から沖縄まで様々な企業、学生を定期的に観察している、という変わり種です。

その私から見ると、就活関連の情報や言説をまとめたネットメディアの記事でも中には疑問に感じるものがあります。その理由は簡単で古い時期ならまだしも、現在ではちょっと通用しない、あるいは当てはまらないからです。「業界・企業選びには軸が必要」との言説は、この「古い話が最新情報に」の典型例です。

就職氷河期だった2000年代前半あたりに「業界・企業選びは何か軸があった方がいい。軸がないと一貫性がないと見られてしまう」「業界は軸を決めて絞った方がいい。そうすれば、業界研究にも時間をかけられる。あまりにもバラバラの業界を志望すると、それだけ業界・企業研究の時間がかかりすぎてしまう」などと言われていました。

この言説、確かに就職氷河期には当てはまる学生が多かったことは事実です。ただし、2000年代前半の就職氷河期は2006年ごろに売り手市場に転じます。2009年から2013年ごろまで再び就職氷河期となりますが、2014年ごろから売り手市場に転じ、現在に至っています。では、売り手市場の2020年卒の学生は業界・企業選びの軸をどうすればいいでしょうか。

「好き」で選ぶとそれだけ狭い?

「軸を決めた方がいい」との言説が有効だった時期に学生がどうしたか、と言えば、結局のところ、「好きか嫌いか」で選んでいました。たとえば食品が好きなら食品メーカー、旅行が好きなら旅行代理店、と言った具合です。

しかし、食品が好きと言っても本来なら食品関連の企業は広くあります。たとえば、私が来年1月6日に司会進行役をさせていただく食品業界イベント「お菓子な採展」(岡山・就実大学/問い合わせは株式会社林原 hb96711@hb.nagase.co.jp まで)。食品メーカーはカバヤ食品、和菓子の廣榮堂などが参加します。それだけでなく、事務局を務める林原は素材メーカー。つまり、食品メーカーに素材・原料を提供する企業です。こうした企業も食品業界に入ります。それから中食というカテゴリーでは広島駅弁当グループなども参加。学生からすれば食品業界と言えば食品メーカーを想定しますが、実はそれだけではありません。

「好き」から始めることが良くない、とは言いません。が、その「好き」から関連の企業・業界はどこか、と探していくと結構、視野が広がります。

仕事の内容も学生の思い込みとは違う

では「企画ができそう」「営業は嫌」などの軸はどうでしょうか。この2つ、同じ学生が言い出すことが多いです。それを聞くたびに矛盾だなあ、と感じる次第。

企画というのはクリエイティブで営業は泥臭くて大変、とのイメージを学生は持っているのでしょう。が、企画だって泥臭い部分がありますし、営業だってクリエイティブな部分はいくらでもあります。それを学生の狭い世界観だけで「企画がやりたい、営業は嫌」というのはいかがなものでしょうか。

そもそも営業と言っても、訪問営業がメインで根性と明るさを要求される営業もあります。こちらはベンチャーですとか、小売・金融などが当てはまります。一方、ルート営業が基本のメーカー・商社だと、顧客は決まっています。その顧客に対して話を聞いたうえで自社製品・サービスを含めた提案をしていきます。こちらだと、根性や明るさよりも数字への強さや傾聴力などが問われます。

企業によって新卒採用に求めるスキルは大きく異なります。それを学生の側が一方的に決めつけてそれを軸とするのは優良な企業を見逃すことになりかねません。

新しい軸が「SDGs」

私は業界・企業選びの軸はあってもなくてもまったく問題ない、と考えます。業界トップ企業で働きたい、ということであれば業界トップの企業を決め打ちしていく、という方法もあるでしょう(ハードルは高いですけどね)。給料や福利厚生、あるいは企業理念に共感できるかどうか、というものでもいいでしょう。

ただ、業界・企業選びはあくまでも出発点です。軸があってもなくても、それで内定を得られる、というわけではありません。最後は学生と企業、双方が合うかどうかなのですから。

さて、軸ということに話を戻すと、優良企業かどうかを軸にする、という発想もあります。では、この優良企業の定義は何か、ということで、近年注目されているのがSDGsです。SDGsとは「持続可能な開発目標」の略で2015年に国連で採択されました。こうした目標は2012年のリオ会議、またはそれ以前にも議論され採択されています。ただ、そのときは、市民に行動を求めるものでした。

ところが2015年の国連採択は市民やNPOだけでなく企業にも参画を求めています。その結果、企業もSDGsについて意識するようになりました。具体的にはESG(環境、社会、ガバナンスの略)、ダイバーシティ経営(性別・年齢・人種・障害などに関係なく多様な人材を生かした経営)、健康経営(従業員の健康管理を経営戦略として取り組む経営)の3点です。

いまどき、狭い世界観だけでビジネスを展開できるほど企業を取り巻く環境は甘くありません。その点、SDGsに対応できている企業はそれだけ視野が広く、かつ、リスクにも強い企業、と言えます。こうしたSDGsについて、企業が単なるスローガンではなく、どれだけ取り組んでいるかどうか、これは企業・業界選びの軸となるでしょう。

このSDGsを軸に企業情報をまとめているのが『新「優良企業」を選ぼう! 未来を変える会社 2020年度版』(日本経済新聞出版社)です。私が書いたわけではありませんが、業界・企業研究ガイドとしてはこれまでにない視点でまとめられているので参考に読んでみてはいかがでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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