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大学生はヒトゴトではない不適切動画~無神経さが内定取り消しも

ホンネの就活ツッコミ論(95)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「不適切動画」。くら寿司、セブンイレブン、すき家、ファミリーマート、バーミヤンなど飲食やコンビニチェーンでアルバイトによる不適切動画が続出。それぞれ問題となっています。

この不適切動画は就活直前にやめればいい、という単純な問題ではありません。数か月ないし半年以上前の投稿が明るみになる、というケースもあります。当然ながら就活では大きなマイナスとなりますし、内定取り消しになったケースもあります。そして、この不適切動画問題はSNSの投稿も含めると、社会人もヒトゴトではありません。背景にあるのは「自分なら大丈夫、許される」です。

悪ふざけがSNSで可視化

中高生はもちろんのこと、大学生もまた成長過程にあります。もちろん、社会人も。そして成長過程の初期段階であればあるほど世間知が備わっていません。その分だけ、悪ふざけをしてしまい、それが度を超すのはいつの時代もある話です。ただ問題は、現代においてはIT化が進み、SNSは中高生・大学生だけでなく社会人も利用するのが当たり前となりました。

このSNSはうまく使えば大学生活や就活、あるいは社会人生活・ビジネスを大きく伸ばす有効なツールとなります。その反面、悪ふざけの投稿・動画が炎上。社会的地位を失うリスクもあります。2019年1月ごろから報道されるようになった不適切動画の投稿問題は、まさに後者のリスクが露わになったと言えるでしょう。

そもそも、SNSは様々な人と緩くつながるITツールです。この「様々な人々」を友人・知人だけ、と誤解する中高生・大学生や社会人もいますが、そうではありません。仮に公開範囲を限定していたとしても、拡散する時は拡散します。それに背景に映り込んでいる調度品やネームプレートなどを見ていけば、店舗名や本人などの特定も可能です。それも特定していくのは探偵などではありません。善意の、言うなれば第三者。しかも、簡単に特定され、それがまた拡散していきます。

不適切動画を投稿したアルバイトは「まさか他人が見るとは思わなかった」などと釈明しています。本人が特定されていれば場合によっては所属する大学・高校にも抗議の電話がきますし、さらにひどいと本人自宅にもかかることになります。本人だけでなく家族も大きく疲弊することになる不適切動画問題。実は動画ではなく投稿も含めると、結構古い話でもあるのです。

2007年、ディズニーランドの不正入場で内定取り消し

2007年、首都圏の難関私大生が急に注目されることになりました。この学生は小柄であることを利用してディズニーランドに大学生料金ではなく中学生料金で入場。そのことを「夢の国だからいいよね」 などと正当化する内容をミクシィに投稿していたことから炎上しました。

しかもこの学生は、ディズニーランドへの不正入場だけではありません。JRの無賃乗車などもミクシィに投稿していたのです。しかも炎上した時点で地方銀行に内定をしていました。ミクシィは当時、友人からの紹介登録制と合わせて実名公開を推奨。それもあって、この私大生も実名や内定先などを公開していたのです。当然と言うべきか、大学や内定先の銀行に抗議が殺到。その後は不明ですが、内定取り消しになった可能性が高いもの、と思われます。

ミクシィやTwitter、Facebookなどへの不適切投稿はその後も続きます。2011年には大手百貨店に内定していた首都圏私大生が所属大学で起きた準強姦事件について、被害女性が悪い、と読み取れる内容をTwitterに投稿。さらにその投稿への批判に対して、さらに再批判。泥沼と化しました。この学生は大手百貨店の名前を明らかにしていたため、やはり同社に抗議が殺到。抗議をする人の中には、抗議メールへの返信を公開、あるいは、電話抗議(いわゆる電凸)を実況中継する方もいました。

この大手百貨店は内定取り消しをしたかどうかは個人情報として明らかにしない一方、私大生が入社しないことを明らかにしています。内定取り消しか、それとも内定辞退かは不明ですが、どちらにしてもこの私大生の人生を大きく狂わせることとなってしまいました。

2013年には蕎麦店が閉店、大学名を名指しで批判

2013年には、バーガーキング、餃子の王将、スシロー、ブロンコビリー(ステーキ)などで不適切画像・動画が投稿され次々と炎上します。中でも、個人経営の蕎麦店で起きた事件は当然ながら経営を直撃。閉店に追い込まれました。閉店を知らせる張り紙には「この度、一部の従業員たち(○○大学学生)による不衛生な行為により営業を停止させていただくことになりました」(原文では大学名を記載)と名指しで批判。閉店を決めた経営者の辛い思いや学生だけでなく所属大学にも強い恨みが感じられます。

以降、Twitterによる不適切投稿は「バカッター」と呼ばれるようになりました。そして現在では、Instagramによる不適切投稿だと「バカスタグラム」と呼ばれるようになります。

社会人もヒトゴトではない?

ところで、こうした炎上事件は大学生や中高生だけではありません。30代以上の社会人もヒトゴトではないのです。昨年、2018年12月には、お笑いコンテストのM1グランプリについて審査がおかしい、と、M1グランプリ2017の優勝コンビ・とろサーモンの久保田かずのぶさんが批判する内容をインスタライブで配信。炎上し、謝罪に追い込まれました。今年1月には、茨城県の営業戦略部長がFacebookに友達限定とは言え、「水戸はダメだな、死ね!」と投稿。その後、削除した時点で相当拡散され、こちらも謝罪することとなりました。

炎上まで行かないにしても、社会人によるSNSへの不適切投稿はありますし、私もよく見聞きします。分かりやすいところだと、投稿の本題とは無関係な書き込み。どこそこに行った、という書き込みに対して、「そんなことより頼んだ××、どこまで話進んだの?」。その「××」が切羽詰まった案件なら、「どこそこに行ったとか、のんびり書くどころでないだろう」と非難する意味ならまだしも、相当先な話を書きこむ無神経ぶり。いや、仮に切羽詰まった話で非難したいとしても、それは本人に直接伝えればいいだけのはずです。

似たところでは、投稿の本題に対する批判。その投稿が批判されて当然の内容ならまだしも、単にどこそこに行った、飲み会を開いた、イベントを開いた、という程度。あるいは自分が関わった商品・製品・サービスの宣伝とか。そうした投稿に対して、飲み会なら「そんなところより▽が良かった」。商品・製品なら「なんか、売れなさそうだね」。これが匿名のTwitterならまだしも、実名のFacebookで、知っている人からの投稿は結構、イラっとします。実際、大きなトラブルにまでならなくても、こうした投稿が元で人間関係が悪くなったなどの話はよく聞きます。

私も上記の2例はやらかされたことがあります。中には、「石渡さんが日大騒動や医学部不正入試問題などでテレビ出演をするのはおかしい」と書き込まれた方も。うーん、テレビ出演は去年増えた(たぶん、140~150回)だけで、出演そのものは一昨年以前からそこそこはあったのですが(年に数回程度)。こちらとしては不愉快きわまりないので何度かのやり取りの後、「ちょっとお付き合いはご勘弁願いたい」とお伝えしました。それで、慌てて謝罪する方、反論する方、黙殺する方、それぞれいらっしゃいましたが、このあたりは個人的な話なので省略。

ところで、炎上までしてしまう投稿から炎上まで至らない投稿まで書き込んでしまう大学生・社会人は共通点があります。それはすなわち、「自分ならこの程度なら大丈夫」という思い込みです。炎上まで至った事例であっても、思い込みがあるからこそ、投稿してしまうのです。この思い込みは炎上まで行かない事例も同じです。

無関係な投稿、あるいは批判投稿だと、書かれた側が書いた側に「なんで直接、伝えてくれないのか」と伝えると、「なんで?なんでその程度で怒るの?」。「ちょっとした、イジリじゃない、気にするなよ」との反応もあります。そうした反応こそが書かれた側からすれば無神経そのもの。イラっとすること、この上ないのですが、そうした事情を全く理解していません。それでいて、逆に無神経な書き込みがあると、それはそれで批判する、という事例もありました。自分勝手とはこのことです。

ただ、その自分勝手な社会人、というのは、茨城県部長に限らず、社会の一線で働く管理職にも含まれるのが怖いところ。実際、私が昨年以前にこのネットトラブルが元で縁が切れた相手は...、詳しくは書きませんが、炎上した茨城県部長と同じくらいの管理職の方も含む、とだけお伝えしておきます。

その投稿の目的は?~もう一度、SNSを見直そう

私はSNSについてはFacebook、Twitterを利用しています。どちらも、自分の記事・参加イベント・書籍刊行の告知が7割。3割程度がニュース記事や本・漫画の紹介とその感想。あー、動画の紹介もぼちぼち。

ただ、後者について、特に本・漫画の紹介はいい部分があれば紹介し、ネガティブな書き込みはしません。つまらない本・漫画や動画の批判をしたところで、だから何なの、としか思えないのです。いやまあ、一読者の感想、ということであればそれも有効かもしれません。余談ですが、私は本・記事の批判投稿は全部読みますし(必ずエゴサーチ)、その一部はTwitterでリツイートします。別にその批判に同意するわけでもなく、その批判に対して再批判するわけでもありません。自分の書いた本・記事についてどんな反応があったか、備忘録としてリツイートする意味がある、と考えているからです。

私個人の投稿については、同じ本・記事の書き手として、批判するくらいなら沈黙して自分ならどんな本・記事を書くのか、そのうえで実際に書いた方が話は早い、と考えます。それから、自分の友人・知人の投稿に対してネガティブな思いがあれば、それは直接伝えます。これは仕事などの事務連絡も同様です。投稿に対する批判や無関係な書き込みはその投稿者に対しても無神経であるだけではありません。自らの無神経さを暴露するも同然、と考えるからです。

学生であれ社会人であれ、SNSは今後ももっと盛んになりますし、利用しない、という選択はないでしょう。特に就活生は社会人とつながる、という意味でもFacebookはお勧めしたいところ。

ただし、SNSを利用するにあたって、自身の投稿なり書き込みなりがどんな意味があるのか、相手だけでなく第三者にどんな捉え方をするのか。そのあたりを今一度、立ち返って考えながら投稿した方が炎上リスクを減らせる、と私は考えます。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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