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ハラケンの「政治を動かす」(3)「アウェー」の場に乗り込もう

ハラケンの「政治を動かす」(3) 「アウェー」の場に乗り込もう
authored by 原田謙介NPO法人YouthCreate代表

 自分は、「若者と政治をつなぐ」ということを活動のテーマにしています。20歳代の投票率をなんとかしてもっと高めたいと思い、大学3年生の時に学生団体ivoteという団体を立ち上げました。その時の団体の設立趣意書には「投票に行くことかっこいいこと、当たり前のこととしたい」と書き、色んな大学のメンバー6人で意気込んで活動を始めました。しかし、団体を設立したのはいいものの何をやれば、「かっこいいものになる」のかさっぱりわからず、具体的な企画を打ち出すことができない日々が続いていました。

 「政治・選挙」について、同世代の学生が学んだり、考えたりする場を作り、そこに「政治・選挙」について詳しくなく、興味や関心が高くない参加者を集めることが必要とされていました。「政治」についてのイベントなのですが、「政治」が好きだったり、詳しかったりする人はイベントの参加対象者にはならないのです。投票率をあげるには今まで選挙に行かなかった人や、次の選挙で投票に行こうと特に考えているわけでない人の意識を変える必要があります。意識が変わって、「投票に行く」という結果に繋がらなければ成果とは呼べません。

 残念ながら、「政治」という2文字の言葉に対して、多くの人はマイナスのイメージを持っています。「難しそう」「黒い感じ」「自分とは関係ない」等々。もしかしたらあなたも同様のイメージを持っているのではないでしょうか。そのイメージが払拭され、さらに行ってみたいと思ってもらうイベントにする方法を模索していました。

アウェーの場に乗り込む

 イベントを作るためのヒントを求めて、「アウェーの場」、つまり政治に関心の薄い人が集まる場に積極的に足を運びました。当時は学生団体の活動がかなり盛り上がっていた時期でもあり、訪問先には困りませんでした。イベントの種類や内容にこだわらず時間のあうイベントにはどんどん参加しました。「教育政策を考える」といった社会派のイベントから、交流をメインとしたパーティー的なイベントまで幅広く訪れました。多くの団体が集まる団体同士の繋がりの場にもいき、1団体だけで「政治」カテゴリーを作ったこともあります。

 どの場に行ってもやることは一緒です。若者の投票率をあげたいという自分の想いを話し、相手に政治や選挙へのイメージなどを聞く。これをひたすら繰り返しました。「空気読めよ」といった反応を受けることもありました。しかし、意外にも「政治への関心がなくはない」という人がそれなりにいました。でも、同時に「政治は難しいし、自分が関わるものではない」と思っているような人です。

 アウェーの場で2つの収穫がありました。1つ目は上にも書きましたが、政治への関心が無くはない人もそれなりにいるということ。当然、政治が社会のいろんなとこに関わっていて、なにやら若者は将来にわたって損をするような状況にあるらしいということは、大学生も知っています。

 だからといって、自分から積極的に学びを進めることや、"固そうな"政治を学ぶような勉強会に行く大学生は多くありません。2つ目は、色んな大学生との繋がりです。様々な分野に興味を持ってイベントに参加したり企画したりしている、多くの人と知り合いました。共通の関心事を持っているというわけではありませんが、互いのやっていることを知り、互いの人間性を知りました。

アウェーでの経験が生きる

 詳細は次のコラムで書こうと思いますが、アウェーに飛び出してみて、というか、もともと飛び出す拠点もなかったのでアウェーに攻め込んでみて、多くのことが役に立っています。もし、最初の判断として政治に関心のある人が集まる場所や、政治系のイベントばかりに行っていたら広がりを持つことはなかったと思います。

 自分が問題意識を持ったり、伝えたいことができたりした時に、その分野の知見が深い人と話して考えをブラッシュアップしたり、同様の関心をもつ仲間を集めることも必要です。しかし、それだけでは新たな広がりはなく、さらにいえば社会が変わることはありません。多くの人に関心を持ってもらうためには、当然ながらまだ関心をもっていない人に想いを知ってもらい、想いに共感してもらい、想いを広げる側に回ってもらう必要があります。

 そのためには、最初は難しいし躊躇することもあるかもしれませんが、アウェーの場に自分から積極的に足を運んでいく必要があります。マザーテレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心です」と語っています。社会を変える、政治を動かすには、多くの人を巻き込む手段を考える必要があります。

【ハラケンの「政治を動かす」】
(1) 「どうせやったって変わらない」と思っている、あなたへ
(2) 若者たちよ、仕掛けよう 日本が危機から脱するために
(3) 「アウェー」の場に乗り込もう
(4) インターネットと政治① ネット選挙運動解禁まで
(5) インターネットと政治② 「投票日告知プロジェクト」の成否は...
(6) 統一地方選挙で選ぶ側の立場を体験しよう!
(7) 「都知事候補だけど質問ある?」~有権者が候補者にツイッターで質問
(8) 2016年を「若者が動き出した」年にしよう!
(9) 政治を身近な位置に置く方法~まずは質問から始めよう
(10) 参院選までに準備したい2つのマイ争点(上)~少子高齢化に注目
(11) 参院選までに準備したい2つのマイ争点(下)~自分の興味・関心から探す

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