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政治家に転身した僕が、あのとき思っていたこと

僕ら流・社会の変え方(5)

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NIKKEI STYLE

前回は、たくさんの転職相談を受ける中で思った「自分のやりたいことと働き方の関係」についてまとめました。その中で、辞めたい理由は色々あるけれど基本的には「辞めない方がいい」とし、その理由をお話ししました。

ただ、僕自身は既に会社を辞めていて、今はNPOの代表として活動しながら地方議員を務めています。

そこで今回は、「会社は辞めない方がいい」と言いつつ辞めることを選んだ、僕の転身の経緯と転身して感じたことを伝えられたらと思っています。僕の話が、みなさんが自分自身のこれからのことを建設的かつ冒険的に考えられるキッカケに、少しでもなればと思っています。

なぜ僕は会社を辞めたのか?

僕は学生時代からNPOの活動に参加したり、自分たちで様々なイベントを企画したりと、ソーシャルな活動に携わっていました。そうした活動の中でNPO業界にはプロモーションの力が足りないと思いはじめ、この業界に貢献するために、まずはプロモーションやマーケティングのスキルを身につけられる広告会社に就職しました。もちろん会社の仕事のすべてが自分のやりたいことではありませんでしたが、仕事を通してスキルを身につけ、またソーシャルな分野での企画提案も繰り返していく中で、会社の中でやりたかったことを実現させていきました。

では、なぜ会社を辞めたのか。

自分自身がプレイヤーとなること

一つには、一度自分自身がプレイヤーになってみたいという気持ちがありました。前述したように、会社の中で自分のやりたいことには関われていました。でも、それは、自分がやりたいと思っていたソーシャルな活動に、広告会社の会社員として側面から関わることができていただけなのです。広告の仕事は、多くの人に活動を知ってもらいたい、体験してもらいたいと考えている人のサポートをする仕事でした。NPOのマーケティングやPRの支援をしたり、ソーシャルな活動をしている組織と協力してムーブメントをつくりだしたり。そうした仕事の中では、僕自身は決してプレイヤーではありませんでした。仕事を続ける中で、「自分が思う理想のプロジェクトを自らやってみたい」という気持ちが生まれてきたのが一つ目の理由です。

仕事を通して感じた国と地方の関係性

もう一つは、博報堂時代のある仕事の経験です。それは、政権交代のキャンペーンのときに、政党の担当をさせてもらったときのことです。その政党の広報サポートをする業務だったのですが、仕事を通して日本の政治のしくみや政治の力学に触れた結果、今の政治には改善するべき余地がたくさんあるように、僕には見えました。

実際に触れてみてわかったのは、政治というのは、中央の人たちがトップダウンで地方の人たちに指令を出して動いているのではなく、地方の議員や地方の団体の人たちの思いや陳情、論理が中央にあげられて、多くが動いているのだということでした。

つまり、地方の様々な人同士の関係の集合体が国であって、そこから生み出されるのが多くの国の決定事項なのです。そうであるならば、国を「中央から一気に変える」というやり方ではなく、「地方からおもしろいモデルケースをたくさんつくっていき、そこから中央に現場の声をあげていく」。そういう動きこそが、日本を変えていくために、またこれからの日本をつくっていくために重要なのではないか、と思いました。

自分の武器で、地域の課題を解消する

気づいてしまったのなら、まずやってみることが大切です。やってみないと、本当に自分はそれに興味があるのか、それがやりたいことなのかが、わかりません。

加えて、自分自身はグリーンバードの活動などを通して、地域にまだまだいろんなおもしろいことが眠っていることを知っていました。まちには、まちのことを昔からよく知っているおもしろいおじちゃんがいる一方で、「まちのことを知りたい」「まちの活動に参加したい」と思っているけれど、やり方がわからないって思っている若者がたくさんいることを知っていました。

地域に今、足りないのは、まちで頑張っているおじちゃんと若者とがうまく結びついていなかったり、地方行政の施策がうまく人に知られてなかったり、あるいは地方議会や地方政治の現状がふつうの生活者に全然伝わってなかったり、ということです。

おじちゃんと若者をうまくつなぐようなイベントをつくっていく、またその過程で企業やNPO、行政などをフラットに結びつけ、いろいろな人を巻き込んでカタチにするということが地方の問題の一つの解決策だと思いました。そして、こうした活動は、例えばある車を売るためにより多くの人に知ってもらい、車が欲しいと思っているけど情報が届いていなかった潜在的なターゲットに情報を届けるという広告の仕事と全く同じでした。地域の人たちを繋げていくことが地方政治の一つの解決策であり、またそれは自分がこれまでの仕事で磨いてきた武器を使ってお手伝いできるところなんじゃないか、と思ったのです。

このような経緯で、僕は政治家になることにしました。そして、兼業をすることができないという会社側の規定のため、大好きだった会社を辞めることにしたのです。

回り道、大歓迎!

「やりたい」を仕事にするための方法は様々です。大学院にいって研究をする、企業に就職する、起業する...。転職を繰り返す中で、自分にあった働き方を見つけることもできるでしょう。

ただ、10年後、20年後も果たして自分が就職した会社があるか分からない時代にあって、言えるのは、「やらされ仕事」を嫌々やり続けるのなんてとにかくもったいない! ということです。「偉くなったらはじめてやりたいことができる」なんて幻想に近い。それよりも、どのような道を選んだにせよ、常にその場所で自分の「やりたい」を追求し続けること。少しでもビビっとくるものがあれば、すぐに企画をつくり、それを実行すること。その職場ではどうしてもできないときには、環境を変えること。

僕は、まっすぐな道を歩み続けるのは苦手です。いつも「回り道、大歓迎!」だと思って、日々の仕事を楽しんでいます。

横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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