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career-働き方

仕事って何(3)ユーグレナ社長・出雲充氏
「考えるよりやってみる」

仕事って何(3) ユーグレナ社長・出雲充氏「考えるよりやってみる」
authored by 日経産業新聞「仕事って何」

 ミドリムシを使った栄養食や燃料を開発するバイオベンチャーのユーグレナ。出雲充社長は大卒後、就職した銀行を1年で辞め、ミドリムシの培養という誰も成功したことのない世界に飛び込んだ。栄養失調に苦しむ世界の子どもたちをミドリムシで救いたい。強い信念を持ちつつ、楽しみながら困難を乗り越えてきた。

 ――東大農学部を卒業後、東京三菱銀行に入行しました。

 「東大には文系で入ったが、1年の時にミドリムシの存在を知り、農学部に転向した。しかし、大学ではミドリムシの培養のための研究費がなくて困っていた。研究費に限らず、お金って世の中でどう流れているのか見たいと思って銀行に入った。平日は仕事をして、土日はミドリムシの培養をするつもりだった」

 「銀行の仕事を始めると、思ったより面白くて驚いた。銀行は堅苦しくて効率が悪いと思い込んでいたが、やってみれば銀行のシステムはよくできていた。面白くて土日の時間をミドリムシに費やすのを何度もやめようと思ったくらいだ」

 ――それでも辞めたのは銀行でした。

いずも・みつる 2002年東大農卒、東京三菱銀行入行。平日は銀行、土日に夜行バスで研究室に通いミドリムシを研究。1年後、銀行をやめてミドリムシの研究に集中。05年ユーグレナを設立し社長に。広島県出身、35歳。

 「大学時代の恩師のもとでミドリムシの培養実験を続けていたが、ある日、熱心にやっているねと声をかけられた。『アマチュアの中では1番だ。でも研究者が月曜から日曜までかけていて、それでもできない。土日だけで成功なんてありえない』と。片手間でやれるほど甘くはないと言いたかったんだと思う」

 「もともと入行して10年で起業しようと思っていた。しかし、それまでにミドリムシの培養ができていないと意味がない。いま決断するしかないと思い、ミドリムシの培養を選び、銀行を辞めることにした」

 ――ミドリムシの培養はできていないのに、迷いませんでしたか。

 「そもそも、ミドリムシの培養ができる、だから起業するという順番はベンチャーではない。できるか分からない、不安だけれど会社を作る。だから必死でやり、その結果できるようになるのがベンチャーではないか」

 「若い人にぜひ伝えたいのは、余計なことをぐちゃぐちゃ考えるなということ。就職前に考える会社と本当の会社は全然違う。おたまじゃくしの時の平泳ぎのイメージトレーニングなんか意味がない。実際、カエルになってみれば、考えることは山ほどある。まずは飛び込んでみることだ」

 「私自身、起業してみると困難の連続だった。屋外で培養ができそうと思ったが簡単ではなかった。培養ができたら売れると思っていたが全く売れない。伊藤忠商事で扱ってもらえるまで約2年間、500社に営業に行って全部断られた」

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