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ハラケンの「政治を動かす」(6)統一地方選挙で
選ぶ側の立場を体験しよう!

ハラケンの「政治を動かす」(6) 統一地方選挙で選ぶ側の立場を体験しよう!
authored by 原田謙介NPO法人YouthCreate代表

 今年は4年に1回の統一地方選挙の年です。26日には多くの自治体で選挙が行われます。あなたの街でも、市区村長選、市区町村議会議員選挙がまさにいま行われているところではないでしょうか? 今回は就活と絡めて選挙を考えてみます。

たまには選考する体験を

 今、まさに就活中の皆さんはもちろん、来年以降就活を行う皆さんも、たまには「選考する」側に回ってみませんか。就活生として、企業の説明会に行き、業界分析、自己分析を行い、各企業にエントリシートを出す。その後、面接やらグループワークやらを受け、内定への道を進んでいきます。非常に大変で、途方に暮れる面もあると思います。

 選挙という場を利用して立場を逆転させ、選考する側の体験をしてみませんか。主権者の一人として採用担当者のように、エントリーをしている立候補者を見てはいかがでしょうか。本コラムでは、選考の際の3つの視点をご紹介します。

視点1:志望動機が明確であるか

 あなたの街の政治家を目指し、選挙に立候補するということは大きな決断だと思います。どのような経験から決断を下したのかは選考する側としては知りたい点の一つです。就活でいえば、なぜ数多ある企業の中からその企業を選び、どのような想いを持ち、エントリーしたのかという志望動機の部分です。

 就活と違う点としては、「数多ある自治体から選ぶ」ということはあまりなく、基本的には在住している自治体での立候補ということには選挙の場合はなります。であれば、選んだ理由以外、なぜその職=企業を選んだのかという動機が重要点となります。「これまでの○○な経験から、政治の○○な部分に疑問点を感じた」「○○という分野が自分のこれまでの仕事の専門性であり、政治においても、この専門性を活かすことができる」などが簡単な例でしょうか。

投票ビギナーのための選挙がわかるワークショップにて

視点2:業界分析をしっかりと行えているのか

 エントリーをする企業が含まれる業界の状況や特質などを調べることは就活においては当たり前に行われています。地方選挙における業界といえば、「自治体」のことです。あなたの街のことを候補者としてどれだけ知っているのかは分析ポイントの大きな一つとなります。人口・産業・予算配分などの客観的な情報をきちんと把握しているか。そして、把握した情報のどこに着目し、どのように捉えているのか。これが選挙における業界分析です。
【具体例】
レベル1:○市全体の人口は減っています。
レベル2:しかしながら、○駅付近の地区では人口は増えています。
レベル3:それに伴い、駅付近の子育て事情が悪化しています。
3つのレベルに分けて具体例をあげてみました。"業界"を深く調べ、分析していることはその候補の本気度を表します。

視点3:自分のアピールポイントを打ち出せているか

 視点2の現状分析をもとに、各候補がどのような自分の"アピールポイント"を掲げているか。つまりは、"政策"は何であるのかという点が視点の三つ目です。政治家を目指している立場として、どのような街にしたいのか、当選後に何を行いたいのかは選考する側として最も重視すべきことです。取り組みたい政策がどれだけ選考側であるあなたを納得させ、共感させることができる内容になっているかをしっかりと見てください。

 そして、その候補が考えこんだ思考の深さと独自性のあるアピールになっているかも大事な点です。例えば、「誰もが笑顔で暮らせる街づくりを行います」と話す候補者がいたとしましょう。確かに、このアピールポイントは納得・共感はしますが、多くのエントリーがあるなかでこの候補を選ぶことはないでしょう。"誰もが笑顔で暮らせる"ために、どんな具体的な政策を行うのかが全くわかりません。また、着目点もありきたりのもので、他の候補との違いが伝わりません。選考する側としては、「とにかく子ども政策が一番重要。子どもの健やかな育成のために、○○と○○を行いますといった、深さと独自性が目を引くポイントです。

番外編:候補者情報の入手方法

 就活と違い、様式や項目の定まったエントリシートが手元にあるというわけではない点においては、選考する側は大変です。エントリシートに近いものとして「選挙公報」があります。全立候補者が、定められた広さの中で自由に自分の想いを表現したものがまとまっているものです。ほとんどの自治体が発行をしており、自治体のホームページや新聞折り込み、公共施設での配布がなされています。一覧性が高く時間をかけずに、全候補者の主張を見比べることができます。

投票ビギナーのための選挙がわかるワークショップにて

 ちなみに、私が拠点としている東京・中野区の選挙公報はこちらです。皆さんも選挙公報を見て候補者を選考してください。

 また、少し大変かもしれませんが、各候補者のホームページを見るのもいいでしょう。発信側に字数や様式に制限がないため、選考する側として上記の三つの視点に関わる内容をしっかりと吟味することができます。他にも駅前での演説を3分でいいから聞いてみることなでによっても、候補者の情報を得ることができます。

 以上、三つの視点と候補者の得方を書いてみました。選考する側の体験を楽しみながら、主権者の一人として選挙に関わってみてください。

【ハラケンの「政治を動かす」】
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