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[ career-働き方 ]

デジタルネーティブの未来(上)29歳で執行役員 
ネット20年、出世もドッグイヤーに

authored by 日経電子版「デジタルネーティブの未来」
デジタルネーティブの未来(上) 29歳で執行役員 ネット20年、出世もドッグイヤーに

 ウィンドウズ95の発売を機にインターネットが爆発的な普及を始めて20年の節目を迎えた。ネットは世の中をどのように変え、今後どう変えようとしているのか。日経電子版創刊5周年の新企画「『ネット20年』その先へ」では、さまざまな角度からネットの過去を掘り下げ、未来を浮き彫りにする。まず、子供のころからネット機器に囲まれて育った若者=デジタルネーティブを取材し、ネットの明日を探る。第1回は、代表的なネット企業サイバーエージェントで29歳(当時)で女性初の執行役員に上り詰めた横山祐果さんを取り上げる。(以下敬称略)

入社7年目で80人のリーダーに

 「おぉ、ヨコヤマかよ。すげぇ」「ユカ、やったね」

 2014年10月、サイバーエージェントが都内で開いた社員総会。社長の藤田晋が発表した役員および執行役員の新体制のリストをみた社員たちは一時騒然となった。誰もが一目置く若手社員が同社初の女性執行役員として選任されたからだ。

 その人物こそ、アメーバ事業本部プロデューサーの横山祐果。2008年入社の7年目ながら、すでに抱える部下は約80人。横山が12年にリリースしたスマートフォン(スマホ)向けゲーム「ガールフレンド(仮)」は、約600万人が遊ぶいまや同社を代表するヒットゲームだ。学園を舞台に様々な女の子と出会い、試練に挑みながら恋愛を成就させていくもので、約80人以上の女性声優たちが各場面で声で話しかけてくれる斬新さが消費者の心をつかんだ。14年10月からはテレビアニメ化もされ周辺ビジネスも立ち上がる。

アメーバ事業本部のプロデューサーとしてスマートフォン(スマホ)向けゲーム「ガールフレンド(仮)」を統括する立場にある横山祐果さん。約600万人が遊ぶ大ヒットゲームを一から育て上げた。現在の部下は約80人だ

 チームが数人だった当初から今日までリーダー役として開発現場で陣頭指揮を執り、類まれな才能には社内外でも評価が高い。社長の藤田も「徹底的に消費者目線に立った、サービスづくりにたけた人物だ」と太鼓判を押す。

 ネットが20年をかけて変えたものの一つが、出世スピードだ。ネット黎明(れいめい)期、ネットの日進月歩の進歩を犬の1年が人の7年に当たる「ドッグイヤー」に例えて表現した。ドッグイヤーは主に技術関係の変化を指したが、その影響が人事のあり方にも及んできたといえる。以前なら入社後30年前後かかった取締役や執行役員への道が、入社数年の20代にも広がりつつある。

 データにも徐々にだが、表れつつある。日本能率協会グループによると、上場企業の新任取締役の平均年齢は、1998年時点で52.8歳だったのが、11年には50.05歳と50歳を切る目前まで迫った。取締役ではないが、20代での執行役員就任は珍しい。