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カフェ巡りで女子力磨く男子~薄れる男女の境界線

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NIKKEI STYLE

LINE、Instagram、自撮り棒、、、続々と新しいスマホ周辺機器、新アプリSNS等が登場し、出てくるものには全てに飛びつくのは女子高生や女子大生。そんな彼女達に最も影響されて、密かに進化し現れたのが、「女子力男子」です。社会的にも主夫、お弁当男子、育メン等家事協力系男子が注目されていますが、最近のDK(男子高生)の女子力っぷりには驚かされます。

バレンタインのお返しにホワイトデーに手作りお菓子をつくるなんて当たり前。友チョコや義理チョコで貰った子にも手作りで返しちゃいます。これはここ2~3年で一気に増えました。受けとる女子側から、女々しくて嫌なんて声はなく、みんな口を揃えて「普通だよね、カワイイし、嬉しいし、いい」と言います。

カフェ巡りで女子力磨く男子

女子力男子のお菓子作りは、クオリティーが高いものから手作り感満載で愛おしいタイプと様々ですが、前者の男子には秘密があります。それは「カフェ巡り」。まるで女子のように男子だけで隠れ家的なカフェや、行列のできるパンケーキ屋さんに行っているのです。しかも、注文したものはオシャレに写真を撮り、インスタグラムへ"タグ付けをして"投稿します。

周りの女子の写真を日々自動的に見せられているだけあって、写真のセンスもなかなかです。そうして彼らはオシャレなカフェでかわいいスウィーツに触れ、デコレーションやパッケージのチョイスのセンスを磨いているのです。もちろんこれは彼らが意図しているわけではなく、結果としてSNSが与えた興味深い影響です。

そんな男子の女子化は、女子が求めていたからこそとも言えます。女子が「カフェカフェカフェカフェ」と、こぞってカフェを求めてきたここ数年。デートにもカフェは欠かせないのです。よって、カフェに詳しい男子、一緒に新しいカフェに行くことを楽しんでくれる男子の方が「一緒にいて楽しいし付き合いやすい!」という流れになりました。男女の境がどんどん薄れていくように感じます。

"男らしさ" "女らしさ"はない?

さらに、女子力男子の面白い行動として、"自撮り"があります。自撮りといえば、女の子が"盛れた"自分をスマホで画像加工してSNSに投稿したり、アイコンにして楽しんだりしているイメージが強いですが、今では男子までもがカッコよく"盛れた"自分の写真をInstagramやTwitterに投稿しています。

多くの大人が、なぜ自分の私生活を公開しているのか疑問に思っているでしょうが、彼らは、報告した方が直接会った時のコミュニケーションが円滑になると考えています。仲間や友達に話したいことをその瞬間に報告したいのです。直接会った時に話したいこと、伝えたいことを忘れてしまうことを恐れているとも言えるでしょう。

自撮りが若者に定着したのも、「こんなに可愛く、かっこいい今の自分を忘れてほしくない」「自分でも記録に残しておきたい」からではないかと思います。

10代~20代の女の子に、男友達と彼氏の違いはなんだと思うか聞いてみると、「よく分からない~」など、ふわっとした回答ばかりあがってきます。男女平等教育の下、出席番号も男女混同で育った彼女らにとって、男女の差とはとてもあいまいで、"男らしさ"、"女らしいモノ"という表現に違和感を抱く子も多いようです。

大人が"男らしく"と言っているということはおそらくこんな事だろう......と、想像してそれに合わせているので、我々大人はそんな彼らの違和感を感じることはありません。しかし、実際のところかなり大きな意識や感覚の違いがあります。

ドライブデートでは彼女が運転、彼氏が助手席、食事はもちろん割り勘。「私はブルーが好きだから、色違いのマグカップは彼がピンクで私がブルー」なんてことも普通。行動も色の好みも、男女という区別や決めつけなく、自分で選んで育ってきました。

報告魔が男友達と彼氏の壁を薄くする

半年付き合っていてもキスもしないというカップルもあるようで、男女としての関係よりも、人としての魅力、人間力や居心地の良さに重点を置いているのが最近の若者の恋愛の特徴とも言えます。常にSNS上で"なう"な私をつぶやく報告魔な彼らは、仲間同士で互いの行動パターンを大体把握しています。その中に"特別"はなく、情報は平等に報告されているのです。

一昔前であれば、彼氏とは、おはようから始まり、放課後の部活で起きたハプニング、どんなテレビを観たかなど、何もかもを随時メールでやり取りしていました。そんな、なんでも知っている一番のメル友が彼氏でしたが、今ではその報告は彼氏だけでなく、フォロワー中に渡ります。

もちろん、全てを報告するわけではありませんが、確実に10年前と今を比べると、男友達と彼氏の壁はとても薄くなっていると言えそうです。

恋人としての関係性があいまいになる理由は他にもあります。

彼氏と別れても、SNSの繋がりが完全に切れて終わることはまずないのです。SNSジャングルに生きる彼らにとって、誰かと完全に連絡を絶つ、離れることは体力も気力も要します。完全に連絡を絶つには周りの友達をもブロックするか、SNSを完全にやめるしかない。もちろんどちらも今の彼女達には不可能な選択です。だからこそ、最初から関係に大きな違いをつくらず平等を保つことで、関係が拗れたときのショックや面倒くささを緩和しているのです。彼女たちにとって「縁が切れる」という言葉はなくなりつつあるのではないでしょうか。

敬語を使うことは失礼?

また、『男女』だけでなく『年齢』の意識も低いのが特徴です。イベントに参加したり、ネットで大人と接することによって、日ごろから年の差を感じずに生活している彼らは、部活動に励む体育会系を除き、先輩後輩の壁はなくなりつつあります。先輩のことを名前やあだ名で呼ぶことはもちろん、高校生が大学生とタメ語で友達のように接している姿もよく目にします。これも、ネット上でのコミュニケーションが大きく関わっています。つぶやきはもちろん口語でタメ語。情報交換時の敬語や謙譲語はただのお邪魔虫で、時間のムダと感じるのです。伝えたいことがどれだけムダなく確実に"速く"伝わるかを最も重要視するのが、この世代。むしろ、敬語を使うのは相手に対して距離を置く態度なので、「(相手に)失礼なのでは?」と思ってしまう子も多いようです。

ただ、敬語は大事だと思っている様子も見られます。自分達には必然性はないけれど、それを必要としている世代もあり、上手くコミュニケーションをとるために相手の年代をみて言葉を使い分けるようにしている......など。

男女平等教育の下で育った世代が、ついに新世代として新しい価値観を社会に生み出し始めています。性別よりも個人個人の"人"を見る社会作りが進む中で、この平等平和主義な世代がどんなアイデアを投げかけてくるのか、楽しみながら見守り、応援したいと思います。

中村泰子(なかむら・やすこ)
 ブームプランニング社長。山口県出身。1986年に企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を発足、女子高生ビジネスを立ち上げる。88年、株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、様々な業種で企業の商品開発にかかわる。活動に関係した女子高生は10万人。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』など。

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