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[ career-働き方 ]

デジタルネーティブの未来(下)社長は女子高生 
「父娘で企業経営」の新しい形

authored by 日経電子版「デジタルネーティブの未来」
デジタルネーティブの未来(下) 社長は女子高生 「父娘で企業経営」の新しい形

 ネット機器に囲まれて育った若者=デジタルネーティブへの取材を通じ、ネットの未来を探るシリーズ。3回目は中学3年生で起業し、今なお現役女子高生で社長を務める椎木里佳(17)さんを通じ、ネットが起業のあり方をどう変えたのかを分析する。(以下敬称略)

クリスマスに宣言、バレンタインデーに設立

 「あす、会社をつくりたいんだけど」

 2012年12月25日。当時中学3年生だった椎木里佳は都内の自宅のダイニングで朝食をとっていた父の隆太にこう言い放った。

 「えっ」

 隆太は唐突に告げられた言葉にあぜんとした。確かに娘は以前から「会社経営者になりたい」と言っていた。でもそれが、中学生の今だなんて。もっと先でもいいのではないか。

 「どうしてもあすじゃないとダメなの」

 もはや里佳に引き下がる様子はない。

社会人経験がない里佳さんにとって、先輩起業家で父親でもある隆太さんの存在は心強い

 「わかった。うちの会社の顧問の行政書士を紹介するから、手続きの相談をしにいきなさい」

 実は隆太はアニメ番組、CM制作を手掛ける東証マザーズ上場のディー・エル・イーの社長。自身も起業した経験を持つ。

 里佳はその足で、教えてもらった行政書士の事務所に向かった。いすに座って説明を受けると難しい言葉をたくさん聞かされた。登記に印鑑、定款......。すぐに会社はつくれない。いろいろな手順があることがわかった。

 いったん帰り、頭を整理した。事業内容はとりあえず「インテリアデザイン製品の製作・販売」などと書いた。会社設立日は翌年の2月14日に決めた。「忘れない日にしたかったので。バレンタインデーなら忘れることないですから」。会社名は「感謝」「謙虚」「全力」の英語の頭文字から取りAMFとした。隆太から資本金として45万円を借りた。