就活の「黄金の方程式」って何?
「コミュ力」に悩む学生へ贈る言葉(1)
大学生のみなさん、初めまして。大学講師でキャリアコンサルタントの上田晶美です。みなさんの大学生活が充実したものになるように願って、この講座を開講します。よろしくお願いします。
高校と大学の違いとは
みなさん、大学生活の滑り出しは上々ですか? いざ始まってみると、何かと戸惑っている人もいるかもしれません。大学生活は高校生活とはいろいろと勝手が違いますね。大学の講義(授業)ひとつとっても、時間割が与えられるわけではなく、自分で科目を選んで登録し、次々と講義室を探しては移動して行かなくてはなりません。高校時代までのように、自分のホームルームに座っていれば、いつものクラスメイトがいて、次々に先生が来て授業をしてくれるというわけではありませんね。講義ごとに違う教室で、違う講師から、違う仲間たちと講義を受けることになります。そんな中で友だちを作っていくというのは大変だな、と孤独を感じる人もいるでしょう。気軽に誰にでも声をかけ、すぐに友だちができる人ばかりではありませんから。
私は大学の講師をしています。主に就職活動の方法やキャリアデザインを教えていますが、1、2年生向けには、「コミュニケーション」についても講義しています。私の教えている大学生のほとんどは、オシャレしてジャラジャラとアクセサリーをつけたり、髪の毛を緑色に染めてみたり、サークル活動なのか大きなギターを抱えて来たり、といつも楽しそうにはしゃいでいます。それぞれに「好き」を追求していていいな、大学生活を謳歌しているなと感じます。でも中には、大学に馴染めなかったのか、姿を見せなくなる人もいて、とても残念です。もちろんできるだけ相談に乗るようにしていますが......。
就活がうまくいく黄金の方程式
なぜ私がみなさんの大学生活を心配しているのかというと、大学生活が終われば社会に出ていくことになるからです。大学時代はその後の人生を決定づける大切な時期です。大学生活を謳歌してほしいというのは、ぐだぐだと遊び放題でいい、ということではありません。学業、部・サークル活動、アルバイトなど多くの活動を通して、人間形成がなされ、ひいては卒業後の人生、仕事につながっていくのです。
もっとわかりやすく言えば、この4年間の過ごし方で、就職が決まります。大学生になったみなさんの次なる目標は就職ではないですか? 「入ったばかりで、もう就活の話?」と、げんなりしないでください。そんなことをここで言うつもりはありません。実は「大学生活が充実している人は就活もうまくいく」という方程式があるのです。就活を教えて21年の私が、延べ2万人の学生を教えてきた経験から編み出した「黄金の方程式」です。
具体的に就活に役立つことをすぐ始める必要はありませんが、まずは大学生活を充実させ、謳歌するための基本スキルを身につけてほしいと思います。その1つがこの講座のテーマであるコミュニケーション能力、略して「コミュ力」です。高校生活と違い、大学生活は人間関係が広がり、多くの人と関わるようになる。すなわち、様々なコミュニケーションを取ることが必要になってきます。
コミュ力に過敏になっていない?
みなさんは「自分は人見知りだから」とか「コミュ障(コミュニケーション障がい)なんで......」ということをよく言いますね。それはハードルを下げておいて、「だけどけっこうできる」と見せたいだけかもしれません。テレビの影響なのか、「滑舌が悪い」とか、「噛まないように話したい」など、コミュニケーションについて関心の高い会話もよく耳にします。
みなさん、コミュニケーション力に過敏になっていませんか? みなさんの目標がテレビタレントでないのなら、普通でいいのじゃありませんか? みんながみんな、そんなにコミュ力が高くなくてもいい。少なくとも「普通のコミュ力」があれば、大学生活は謳歌できます!
でもその「普通」がけっこう難しいと感じている人もいるだろうし、できていると思っても、実はできてない人もいるように思います。さあ、私といっしょに「普通のコミュ力」を目指して、学生生活をスムーズに送れるよう、この日経カレッジカフェの講座を進めていきましょう。よろしくお願いします!
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