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ジョブヨク(1)学生と大人メンターの対話
活動リポート@上智大学

authored by ジョブヨク
ジョブヨク(1) 学生と大人メンターの対話活動リポート@上智大学

 ジョブヨクとは、大学生が「働くこと」と「生き方」について、大人メンター(協力してもらっている社会人のメンター)と考え、対話することによって、自主的に仕事や社会と向き合うきっかけを創る場である。この場には様々な働き方をしている大人メンターたちが重要な役割を果たし、現状の就活だけではない仕事・社会への視野を広げる一助となる仕組みがある。今回は、上智大学でのジョブヨク活動報告を紹介する。

 道ですれ違う大人、電車の向かい席に座っている大人、走り回っている大人。大人たちはどういう思いでその仕事をしているのだろう。なぜその職をえらんだのだろう。この世にはどのような職業があるのだろう。自分は将来何をしたいのだろう。きっかけがなければ話すことのない学生と大人。そのような学生と大人をつなげるきっかけを創る。その場がジョブヨク。

 職業の「職」に欲望の「欲」と書いて「職欲」。学生と大人がフラットな関係で「働き方」や「生き方」について語る場。学生が「働くこと」と「生きること」について、多様な大人メンターと共にフラットな関係で対話することにより、自ら考え、自主的に仕事や社会と向き合うきっかけを創る。大学生が多様な大人メンターたちと関わる中で、いつでも大人に相談できるという関係性を構築する。

 また、このジョブヨクは学生たちが自ら企画し主催する。面白いのが各大学単位で主催するということ。第1回目のジョブヨクは立教大学で開催され、関東学院大学、慶應義塾大学、桜美林大学、横浜市立大学、青山学院大学、上智大学、首都大学東京など、今までに13の大学で開催されている。これからも全国的にジョブヨクを主催する大学が増えるだろう。

テーマは「仕事に向き合う上でのブレない自分と新しい自分の発見」

 2015年4月25日土曜日。16時から上智大学主催のジョブヨクが開催された。会場に入ったらまず学生、大人メンターそれぞれ受付を済ませる。その際、テーブル番号を告げられる。そして、告げられた番号の席に座る。各テーブルは必ず学生と大人が半々になるように振り分けられている。2対2または3対2というように少人数グループである。

 学生は白い名札、大人メンターは水色の名札をする。その名札には自分の名前と自己紹介を書く。中には学生のような大人メンターもたまにいるので、このような名札はとても分かりやすい。

 話し合うテーマは主催大学によって異なり、その時に主催する大学の学生が話し合いたいこと、考えたいことがテーマとなる。今回、上智大学でのテーマは「仕事に向き合う上でのブレない自分と新しい自分の発見」であった。

 ジョブヨクでは毎回、本題に入る前にアイスブレイクを行う。今回は、みんなそれぞれ好きな色を決めて同じ色同士集まり、なぜその色を選んだのか、どうしてその色が好きなのかを話し合った。ただ、その色が好きだという人もいれば、自分は黄色レンジャーに似ているからという面白い答えもあった。このようにみんなの緊張を和らげ、ワークに入っていくのである。

自分の人生をプラス、マイナスで表現

 最初のワークは1枚の用紙にペンで線を引き、上をプラス、下をマイナスと書き、人生の一喜一憂を全て表したモチベーショングラフを作るものであった。生まれてから学校入学、受験、就職、結婚など自分の人生でプラスになったイベントや出会い、受験失敗などマイナスになったことなどを書いた。

 次に、グループの中で自分のグラフについて説明した。ここでジョブヨクではワールドカフェを取り入れている。ワールドカフェとは、それぞれが誰かの意見を否定することなく、思ったことを言えるカフェのような雰囲気の中で話し合うことである。ワールドカフェを取り入れることで、学生も大人もオープンに語ることができるのである。

 自分にとってどうしてあの時、あういうことが起こり、一喜一憂していたのかを一人で考えるより、グラフに書き見えるようにし、グループに共有することはまた違う面白さがあった。留学であったり、受験であったり、浪人であったり、大恋愛や大失恋であったりとメンバーそれぞれが自分の行動や出来事で上がり、下がりをしている。

 学生も大人メンターも真剣に聞きながら、時には共感し笑いあったり、時には恥ずかしそうに自分の話をしたりしていた。グループで共有したことで、自分自身だけが人生を一喜一憂しているわけではないと気付き、自分と似た経験を大人も学生もしているのだと分かった。似た経験を持つ人と話せたことで、自分の経験を整理でき自信に変えられるような気がした。次にその自分のグラフを見て、自分にとってのターニングポイントの前と後で気持ち的にどう変わったのかを付箋にまとめた。ターニングポイントを参考にこれから自分は何を目指し、何をしたいのか考えた。

自分を肯定し、自信を持てるように

 私のターニングポイントの1つは、今年の春に法政大学ジョブヨクに参加したことである。これに参加するまでは、人見知りで自分の意見も発言できなかった。それだけではなく、誰にいわれても曲げない意見や考えを持てていなかった。しかしこの場で、小さなことでも発言したらそれをしっかり受け取ってくれる、真剣に答えてくれる大人に出会ったのだ。そのような大人に出会えたからこそ、私は初めて自身を肯定できるようになり、今では自信を持てるようになった。

 新しい人に会い話をする中で、価値観や視野が広がる楽しさを知った。それから少しでも興味が湧いたものには、自ら行動に移せるようになった。一人で様々なイベントへ行くこともできるようになった。私自身この変わりように驚いているが、楽しく刺激的な毎日を送れているのはこのジョブヨクがきっかけである。

 そして、今の自分はジョブヨクのような場所を自分でも創りたいと考えている。不思議なことに、それが今回のテーマ「仕事に向き合う上でのブレない自分と新しい自分の発見」の答えである。今までの転機から得た経験が今の自分のやりたいことに繋がり、そこから芽生えた感情というのがブレない軸をつくり、その軸を中心に新しい自分が始まるのである。

 ジョブヨクはこのように、いくつかのワークを重ねることでその時のテーマに対する自身の答えが見つかるのである。主催大学によりテーマも違い、ワーク内容も異なるので毎回参加が楽しみとなる。その回ごとにテーマに興味を持った大人が集まるため、経験が多様な大人メンターの方々に出会える。また、大人メンターだけではなく学生同士の交流もできる。自分と近い世代の人とも意見を交換でき、新たな関係が生まれ、お互いに成長していく。

 いま打ち明けられない悩みを持つ学生に、現状を越え可能性を広げられる場があることを知ってほしい。ジョブヨクに参加したことで私は「人と人をつなげる場」を創りたいと思うようになった。ジョブヨクは自分から行動する機会を与え、自分から行動する勇気を与えてくれる。そして、必ず自分の為になる希望を与えてくれる。そこから未来の可能性を広げてくれる。それがジョブヨクである。

 次回ジョブヨクは5月31日、桜美林大学によるジョブヨクが江東区東大島文化センターにて開催予定。

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