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高浜原発の現場を見る
仮処分を安全考える機会に

高浜原発の現場を見る仮処分を安全考える機会に

 福井地裁が関西電力高浜原子力発電所(福井県高浜町)3、4号機の運転を認めない仮処分決定を出して間もない4月16日。報道陣向けに高浜原発が公開され、関電はこれまで実施してきた安全対策を改めて説明した。原子力規制委員会が再稼働を認めた判断を完全に否定する福井地裁の決定を疑問視する意見も少なくないが、関電による異議の申し立てなどが認められない限り決定は効力を持ち続ける。今回の決定で生じた時間を高浜原発の安全性をあらためて確認する機会として生かせるのではないだろうか。

津波対策に高さ8メートルの防潮堤

 高浜原発に着いて目を引いたのは、高さ8メートルもある高い壁だ。原発で利用した水を海に捨てる放水口のまわりに設けられた防潮堤で、長さは670メートルにも達する。海から見ると、高浜原発3、4号機がまるでオリに囲まれているようにも見える。

 この防潮堤が、関電が進めてきた多岐にわたる対策の中でも、最も力を入れた地震・津波への対策の目玉の一つだ。

 高浜原発に影響をもたらすとされる地震は、若狭湾から福井県の内陸部にかけて走る3つの断層が連動して動いた場合。海側から「FO―B断層」「FO-A断層」「熊川断層」と呼ばれる。関電は申請時には「FO―B断層」「FO-A断層」の2つが主に連動すると想定していたが、規制委側から3つが連動した場合を想定するよう求められ見直した。これにより津波の高さが最大2.6メートルから6.7メートルにそれぞれ引き上げられた。8メートルの防潮堤は、その対策として設けられた。

防潮堤(左下)の工事が完了した関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)

裏山の崖崩れにも備え

 海からの津波だけでなく、高浜原発特有の山側のリスクに対しても対策が取られていた。3、4号機の裏山の一部が削られ、土がむき出しになっていた。これは高浜原発が福井県の最西端にある内浦半島の狭い低地に建設され、地震によってもし崖崩れが起きると敷地内が土砂で埋まる恐れもあるからだ。関電は山を削り、土がむき出しになったのり面が崩れないよう自主的に補強する計画だ。