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TOEIC超勉強法(1)新入社員のTOEIC平均点は何点だと思いますか?

千田潤一 authored by 千田潤一株式会社アイ・シー・シー代表取締役
TOEIC超勉強法(1) 新入社員のTOEIC平均点は何点だと思いますか?

 私は、英語学習法に関する講演やセミナーを通じ、過去25年間TOEIC(R)テスト(以下TOEIC)普及のお手伝いをしてきました。大学での講演で「日本人のTOEICの平均点は何点だと思いますか?」と聞くと、ほとんどの方が答えられません。

 日本人の英語力の実態を、TOEICのデータで見てみましょう。TOEICの平均点のデータは、一般財団法人・国際ビジネスコミュニケーション協会から2つ公表されています。1つは公開テストの平均点、もう一つはIPテストの平均点です。

 2013年のデータでは、公開テスト受験者約90万人の平均点が580点、IPテスト受験者約125万人の平均点が463点です。公開テストは、基本的に自ら進んで受けた人たちの平均点、IPテストは、企業や団体で受けさせられた人たちの平均点ですから、IPテスト平均の463点が日本人の英語力の実態をより正確に示していると言ってもいいでしょう。

最多得点層と大学生の平均点は?

 IPテスト受験者の最多得点層は、何点でしょう?図①のIPテストスコア分布を見てください。345点~のところです。その前後2つの層(245点以上~495点未満)を合わせると54.1%となります。ここにIPテスト受験者の半数以上の方がいます。英語が不得意で理系に進学した学生さんはこのあたりに多く存在しています。

 では、IPテストで見た大学生の平均点はどのくらいでしょう? 短大が388点、大学が440点、大学院は512点となっています。就職が決まりめでたく入社した新入社員の平均点は、例年500点位です。就職が内定した学生の平均は、2011年度524点、2012年度525点、2013年度558点、2014年度557点と次第に600点に近づいてきています。

 就職時にTOEICスコアを考慮する企業が多いことから、大学時代にTOEIC受験準備をしていることが平均点上昇につながっているのではと推測されます。ちなみに、大学生がTOEICを受験する理由のNO.1は、「就職に有利だから(61.8%)」でした。

履歴書に書けるTOEICスコアは何点から?

 就活を控えた皆さんからよく聞かれるのが、「エントリーシートや履歴書に書けるTOEICスコアは何点からですか?」です。企業は英語力だけで採用するわけではありませんし、TOEICスコアが高い人だけを選んで採用するわけでもありません。学校での成績や、基本的なコミュニケーション能力、その人に備わった特殊な知識や技能などを優先的かつ総合的に見て採用の判断基準にしています。

 しかし、それらが同じ程度であれば、グローバルな舞台でより活躍できる可能性を持った人を選ぶことになります。そこで、TOEICスコアが基準として利用されます。私は企業の英語研修をしている関係で、様々な会社の人事部の皆さんと話すのですが、履歴書に書けるかどうかは次のようなところに落ち着きそうです。採用担当者の皆さんの本音をうかがうことができますので、1つの参考として紹介します。

履歴書に書けるTOEICスコア
①500点未満:書かない方がいい。英語ができない証明になるから。
②500点台:書いてもOK。真面目に勉強する人だと分かるから。
③600点台:書いた方がいい。基礎はできていると分かるから。
④700点台:書くべき。ここまで来れば、あとは使って伸ばせると分かるから。
⑤800点台:有利になる。ただし、英語以外の科目の成績も良ければ。
⑥900点台:かなり有利。ただし日本語でもしっかり意志疎通できれば。

 これを⑥から読み下していくと、「日本語でしっかりコミュニケーションができ、英語以外の科目もしっかり学び、その上で英語もできる学生を採用したい」という企業のメッセージが浮かんでくると思います。

TOEICスコアレベル別7つの壁

 最近、大学生の皆さんから、「一生懸命英語の勉強をやっているけど、何か壁にぶち当たっている。でもそれが何の壁かわからない」という声を聞きます。ほとんどの人が、今自分がどんな壁でもがいているかわからずに悩んでいるのです。

 本稿では英語学習者のレベルごとに、どんな壁にぶち当たっているのか(課題)と、その壁突破のためのトレーニング法(解決策)をご紹介していきたいと思います。本稿で紹介する壁やその突破法は、絶対的なものだとは思いませんが、「TOEIC説明会」受講者の悩みや解決法を分析して見えてきたものです。皆さんのこれからの英語学習の参考にしていただければと思います。

では、早速TOEICのスコアレベル別にどんな壁があるのか確認して見ましょう。

第1の壁:TOEIC220点〈単語の壁〉
第2の壁:TOEIC350点〈文法の壁〉
第3の壁:TOEIC470点〈音法の壁〉
第4の壁:TOEIC600点〈リスニングの壁〉
第5の壁:TOEIC730点の壁〈スピーキングの壁〉
第6の壁:TOEIC860点の壁〈リーディングの壁〉
第7の壁:TOEIC950点の壁〈ライティングの壁〉

 本来であれば、TOEICのリスニングスコアとリーディングスコアのバランスによって分けるべきなのですが、複雑になりますので便宜上、リスニングのスコアとリーディングのスコアは同じとして、トータルスコアで7つに分けてあります。

 次回からは、7つの壁の特徴と、壁を乗り越えるための素材をご紹介します。

「英語トレーニングのICC」代表 千田潤一
http://www.icc-chida.com

千田潤一(ちだ・じゅんいち) タイム、AIU、TOEICを普及する国際コミュニケーションズを経て、現在英語教育コンサルティング会社(株)アイ・シー・シー代表取締役。2000年より那須高原に「英語難民救済センター」を主宰。トヨタ・SONY・富士通・日本航空等の大手企業や英語教員・中高大学生向けの講演・セミナーは4000回以上、受講者は19万人を超す。NHK総合テレビの「英語でしゃべらナイト」や、教育テレビの「めざせ!会社の星」でも取り上げられた経歴を持つ。「TOEICテストスピーキング/ライティング問題集」や50万部を超すベストセラーとなった「英会話・ぜったい・音読」など著書多数。