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ハラケンの「政治を動かす」(8)2016年を「若者が動き出した」年に
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ハラケンの「政治を動かす」(8) 2016年を「若者が動き出した」年にしよう!
authored by 原田謙介NPO法人YouthCreate代表

歴史に残る来年2016年の選挙

 来年2016年は日本の歴史の中でのメモリアルな年の一つして今後認識されていくでしょう。選挙権年齢が18歳・19歳が初めて選挙に行った年として。国会で、公職選挙法の改正案が6月17日に可決され、おそらく来年夏の参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上へと引き下げられることになったためです。

 しかし、当事者の来年18歳・19歳の方ならまだいざ知らず、すでに20歳以上の人にとっては特に何も感慨もないかもしれません。人によっては選挙権年齢の引き下げに反対の人もいると思われます。20歳になった自分でも政治・選挙のことをよくわからないのに、さらにわからない10代に選挙権を与えて何の意味があるのかと。歴史には残るだろうが、今を生きる若者に何を残すことになるのでしょうか。

「選挙」のみの影響は限定的

 選挙で何の変化が出るかというと、18歳・19歳の約240万人が新たな有権者となるということ。全有権者数から考えると影響は大きいとはいえません。単純な数の理論で考えれば、若者の数は高齢者の数には依然として全くかなわない。もちろん、単純な数の大小だけで政策が決まるわけではありませんが。

 さらにいえば、被選挙権は25歳、あるいは30歳のまま現状維持。選ぶ側の若者枠がすこし広がったが選ばれる側に若者枠の拡大はなく、学生枠も基本的にはないと考えていい。先日の下院議員選挙で20歳の女子大生が当選したイギリスなんかと比べると違いは明確です。投票する側、投票される側のどちらにおいてもまだまだ若者の力は限定的です。ちなみに、自分は選挙権・被選挙権共に義務教育終了後までに引き下げれば良いと考えています。

「若者」に注目が集まる

 選挙での影響力は限定的であると先程述べましたが、限定的な影響力を超えて、「若者」に注目が集まるタイミングであることに疑いありません。新たに選挙権をもつ18歳・19歳含めて、若者全体の政治参画や投票行動が社会から着目されます。また、インターネット選挙運動が2013年に解禁された際に、政党・候補者・政治家のSNS利用やインターネット戦略が強化されたように、若者の支持を増やすための動きが加速することも間違いはないといえます。

 また、中学生・高校生に政治・選挙について主体的に考え投票する判断力を持つための教育をどのように行うかということはすでに大きな議論となっています。全員が選挙権年齢に達している大学での取り組みについても徐々に話題になってくるでしょう。

受け身で注目を待つのはもったいない

 せっかく注目が集まるとはいえ、"大人"側のストーリーに学生がのせられる必要は全くありません。注目を逆手にとってどんどん学生から仕掛けていくのはどうでしょうか? 選挙権の引き下げという政治的な流れからの注目ですが、別に政治的な仕掛けに限定する必要もない。政治は社会のあらゆるところと関わっています。まちづくりでもいい。環境でもいい。就活への問題意識でもいい。社会の一員として、その社会をより良くするために自分たちなりの考えをもち、行動しているかが大切なのです。決して大きな社会を意識する必要もありません。あなたの大学のある街のことでも十分。

 大学生には大学生なりの観点があり、"大人"とは違います。そして、社会を構成する主権者の一人であることを理解していること。ここが大事です。

選挙に行くかどうかは指標の一つでしか無い

 投票率が低いのは嫌だ。しかし、ただ選挙に行く人が増えれば良いというものではもちろんない。それぞれの人が自分の生活から感じたことをもとに、考えを持ち、社会の主役として行動してください。その行動の中に投票が入ってくる。2016年が「18歳・19歳に選挙権が"与えられた"」ではなく、「若者が主体的に"動き出した"」年として歴史に残ってほしいと願っています。

【ハラケンの「政治を動かす」】
(1) 「どうせやったって変わらない」と思っている、あなたへ
(2) 若者たちよ、仕掛けよう 日本が危機から脱するために
(3) 「アウェー」の場に乗り込もう
(4) インターネットと政治① ネット選挙運動解禁まで
(5) インターネットと政治② 「投票日告知プロジェクト」の成否は...
(6) 統一地方選挙で選ぶ側の立場を体験しよう!
(7) 「都知事候補だけど質問ある?」~有権者が候補者にツイッターで質問
(8) 2016年を「若者が動き出した」年にしよう!
(9) 政治を身近な位置に置く方法~まずは質問から始めよう
(10) 参院選までに準備したい2つのマイ争点(上)~少子高齢化に注目
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