日本経済新聞 関連サイト

OK
career-働き方

内定者インタビュー(2)国家公務員を捨てて
JICAを選んだ理由とは?(上)

内定者インタビュー(2) 国家公務員を捨ててJICAを選んだ理由とは?(上)
authored by Co-media

 今回はJICAに就職される京都大学の大河原誠也さんにインタビューさせて頂きました。なぜ彼がJICAに就職する事にしたのか。JICAとはどのような組織なのかに迫りました。

大河原誠也(おおかわら・せいや)さん
京都大学法学部2014年9月卒業
JICA(国際協力機構)内定
はじめまして。京都大学法学部を2014年9月に卒業した、大河原誠也と申します。出身は埼玉県です。小さい頃からサッカーをしたり、自然公園で虫を追い掛けたり、外で遊んだりするのが大好きでした。高校は県立浦和高校という男子高で、爆発的なエネルギーあふれる行事の数々に心身ともに鍛えられました。修学旅行で訪れた京都という地に惹かれ、浪人を経て、京都大学を学びの場として選択し、今に至ります。

――学生時代の大河原さんの活動についてお聞かせください。

 いまは大学生活5年目になるのですが、最初の2年半はいわゆる普通の大学生の生活をしていました。勉強を中心に、サークルはサッカーとガイドボランティア、あとはバイトという生活です。

 2年半続ける中で、サッカーサークルのキャプテンということもあり、長期休みの期間も練習を休めなかったんです。それでウズウズしてきて、大学生活後半の2年半は吹っ切れて、留学や海外ボランティアなど色々好きなことをして過ごしました。

――大学生活前半は具体的にはどういった活動をされていたのですか?

 サッカーサークルで代表を務めていたのですが、「リーダーとは何だろう」とか、「チームって何だろう」とずっと考えていました。みんなで理念を考えて、リーダーとして具体的に何が出来るかを考えるのですが、僕のサッカーサークルは少し変わっていました。というのは、男子サッカーと女子フットサルのチームがあり、いろいろな大学のメンバーがいました。サッカーを初めてするような女の子もいましたね。そういった様々なメンバーがそれぞれの想いを持ってサークルに集まっているわけです。その中で、「それぞれのメンバーがこのサークルで何を成し遂げていくのか」であったり、「そのためにリーダーとして自分には何ができるのか」という部分をじっくり考えて、できることをやり切るといった経験を1年間続けられたのは大きかったです。

――大学生活後半はどのようなものでしたか?

 やったことを簡単に羅列します。1.WWOOFというネットワークを利用してオーストラリアのエコヴィレジに20日間ほど半自給自足で生活 2.インドネシア・ティモール島の友人を訪れて幼稚園で子どもたちと遊んだ 3.京大生が自分の大学生活における活動や想い、そこからの学びなどを書きおこすリレーブログ形式のフェイスブックページ『京大わらしべ』〈現、京都わらしべ)を立ち上げた 4.スウェーデン・ウプサラ大学に半年間交換留学で行った 5.帰国後、国家総合職の試験勉強と就職活動 6.進路決定後、地域という場で出会いを通じた遊びと学びの場づくりを行う『マチカドsozo館』の立ち上げた 7.関西圏の"志"溢れる中小企業経営者・個人事業主と学生の交流から企てを生み実行まで導く"Credo Community"事業の企画運営に打ち込んでいる 以上が、大学生活後半をまとめた内容です。

――大学生活後半のほうが前半よりも充実しているように感じたのですが、大河原さんにとってはどちらもいい経験だったのでしょうか?

 どちらも良い経験だったと思っています。周りから見ると海外にいるほうがいい経験をしていると思われるかもしれませんが、でも僕はサッカーサークルから得られたことのほうが実感として大きいと感じています。JICAに入ることに決めたのも、サッカーサークルから学んだことが大きく影響しています。

――サッカーサークルでのどのような経験がJICAさんに行かれるきっかけとなったのでしょうか?

 JICAの職員の方とお話しした内容なのですが、舞台があるとすると「役者さん」「お客さん」「台本を書く裏方」の方がいるじゃないですか。その裏方がJICAなんです。お客さんは住民の方々で、役者さんは開発コンサルタントと言われる方や民間企業、各専門家です。JICAは台本を書く、シナリオを書くといったことを行うのですが、まずはお客さんに満足してもらわないといけません。「現地の人たちにとって発展とは?」「本当の幸福とは?」を問い続けることがこれに当たります。

 そして他方、お客さんに満足してもらうための台本を書くには、役者さんの強みや得意なところを考えないといけないんです。「こういう風に起用しよう」とか「こういう絡ませ方をしよう」というように、強みを理解してそれを活かすのが重要で、役者さんとお客さんの両方を見ないといけないんです。ですからJICAは最高のシナリオを描くために、ニーズを拾ってきて、人と人を繋いで、プロジェクトをより良いものにしていくといった仕事をするポジションですね。色んな人との共同の中で、プロジェクトをコーディネートする立ち位置だと思います。そういった介在価値を体現できる存在でありたい、これが大きな志望理由です。

 これは意外とサッカーと似ていると思います。サッカーは多くの場合フォワードが点を取りますよね。様々なポジションがある中で、フォワードがゴールを取るためには、足元にパスを出したほうがいいとか、逆にスペースに出してあげた方がいいとか状況によって変わるじゃないですか。その時の試合の流れや選手の特徴まで理解していないと状況に応じたプレーはできないんです。

 僕はボランチというポジションだったので、パスを出しながら試合全体をコーディネートする役割を担っていました。そういった自分自身の立ち位置と、社会におけるJICAの役割が似ていると感じたんです。調整型のリーダーと言いますか、一人一人の色んな思いを汲んで考えるポジションですね。

 サークルですと、メンバーがそれぞれサークルに求めるものが異なっている中で、このサークルをどういうものにしていきたいかというゴールをメンバーと共に設定して、一緒に前進していくという形ですね。掲げた理念を実現したり、問題を解決したりといったプロセスの、プロセスメイカーあるいはコーディネーターといった役割が、JICAでの働き方にぴったり当てはまると思いました。

 サッカーサークルでは、女子大生もいたので、メンバーによってサークルで求めるものの違いはもちろんありました。途上国というフィールドのなかで、現地の政府やNPO、住民という色んな方を巻き込むことのほうがより難しいことですが、サークルでの活動と似ていると感じています。だからこそ、色んな方を巻き込んでゴールを目指す仕事に魅力を感じました。
(Co-media2014年12月30日掲載)

Co-mediaは「学生に特化した情報プラットフォーム」です。インターネットの発展により、個人の情報発信力に対する価値が高まり、一人の発言によって世の中にムーブメントを起こすことができる時代です。ただ昨今では、若者が自らの意見を主張する場が限られており、情報発信の影響力が最大限生かされていない状況です。学生が「自らの主張を等身大で発信できる」と同時に「他の学生の意見に触れられる」場としてCo-mediaが存在しています。これからも皆さんと共に、日本の学生が盛り上がる場を創り上げて参ります。
サイトはこちらから

【関連記事】
「内定者インタビュー 宇宙への行き来を当たり前に。誰にも負けない情熱でJAXAへ」
「キャンパスドリーマー 5年以内に紅白出場を目指す、青学シンガーソングライター」
「後輩たちへ 「大学に行く方がリスク」 2018年サッカーW杯からの逆算」

「日経College Cafe」のお勧め記事はこちら>>