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TOEIC超勉強法(2)TOEIC高得点へ7つの壁

千田潤一 authored by 千田潤一株式会社アイ・シー・シー代表取締役
TOEIC超勉強法(2) TOEIC高得点へ7つの壁

 前回の第1回では、日本人のTOEIC平均点や最多得点層、大学生の平均点や履歴書に書けるスコア、スコアレベル別7つの壁などをご紹介しました。今回は7つの壁の特徴と、壁を乗り越えるための「トレーニングの基本素材」をご紹介します。

第1の壁:TOEIC220点〈単語の壁〉

 TOEIC220点は単語の壁です。知っている単語の数が少いのに、大学の難しい教科書を、辞書を引き引き間違いだらけの訳を繰返し、訳はできたけど意味がさっぱり分からず、疲れ果てて挫折するのがこのレベルです。辞書をめくる指先のトレーニングにはなっても、英語のトレーニングにはなっていないことに気付いていません。時間ばかりかかって成果が出ないという英語難民の姿が浮かびます。このレベルでのトレーニングの基本素材は、中学1年の教科書レベルのモノです。

第2の壁:TOEIC350点〈文法の壁〉

 TOEIC350点は、文法の壁です。文法とは単語の並べ方です。単語を正しく並べて文章を作るときの法則が文法です。文法用語が頭の中でぐるぐる巡り、英語が嫌いになる人が多いのがこのレベルです。TOEIC350点は、企業でも最多得点層です。「英語は聞き流すだけでものにできる・・・と信じてやったが、まったく伸びない」という声は、社会人・学生を問わずこのレベルの人から多く聞かれます。この壁を突破するための基本素材は、中学2年の教科書レベルのモノです。

第3の壁:TOEIC470点〈音法の壁〉

 TOEIC470点は、音法の壁です。文字では理解できるが、音になると耳が空回りします。Take it easy!を、「テイク・イット・イージー」と言ってもらえば分かるが、「テイキッドゥイーズィ」と話されると、音の変化に耳がついてきません。私はこの音の変化の法則を、「音法」と名付けました。学校で文字中心の勉強をし、受験英語はできるがリスニングに弱いという学生さんはこの壁で苦しんでいます。トレーニングの基本素材は、中学3年生の教科書レベルのモノや、洋楽などです。

第4の壁:TOEIC600点〈リスニングの壁〉
TOEIC600点は、リスニングの壁です。ゆっくり話してもらえれば解るけど、ふつうのスピード(1分間150語~200語)で話されると途中で耳がついていけなくなり、文脈を失ってしまうというレベルです。耳の瞬発力強化が課題です。TOEIC600点は、企業では海外出張レベルとされていますが、トレーニングの基本素材は、高校1~2年生の教科書レベルのモノや、英語Newsなどです。

第5の壁:TOEIC730点の壁〈スピーキングの壁〉

 TOEIC730点は、スピーキングの壁です。何とか聞けるが英語が口からすっと出てこないレベルです。言いたいことを頭の中で英作文しているうちに、話が先に行ってしまいます。TOEIC730点は、企業では海外駐在レベルとされています。トレーニングの基本素材には、NHKのラジオ・テレビ講座や洋画がおススメです。

第6の壁:TOEIC860点の壁〈リーディングの壁〉

 TOEIC860点は、リーディングの壁です。英語を英語のまま自然な速度(1分間150~300語)で読めないレベルですが、海外で1~2年学んだ帰国子女はこのレベルに多く見受けられます。トレーニングの基本素材は、英字新聞や英語Newsを素材にした月刊の英語学習誌、そしてペーパーバックなどです。

第7の壁:TOEIC950点の壁〈ライティングの壁〉

 TOEIC950点は、ライティングの壁です。英作文はかなりできますが、どうしてもネイティブのように自然な英文が書けないという贅沢なレベルです。目にした英語を真似ながら書きまくるしかありません。使える英文の模写がおススメです。トレーニングの基本素材は、英文レター・emailの例文集・エッセイなどです。

 いかがですか? 自分の壁とトレーニングの基本素材は見えましたでしょうか? ここで、多くの人から頂く質問をご紹介します。

中学の教科書を音読しよう!

「学校の教科書? NHKの語学講座?レベルが低くないですか?」
「中学の教科書をやったって、TOEICで高い点は取れないでしょう?」

 私はかつて、海外経験なしにTOEIC900点以上取った社会人や学生さんを集めて、どのように学習してきたか聞いたことがあります。共通点は、「中学の時に先生に言われて、中学の教科書を喉がカラカラになるまで音読した」でした。

 同時通訳の皆さんも、口をそろえて中学英語の大切さを説きます。昨年亡くなった同時通訳の神様・國弘正雄先生も中学校の教科書を500回音読したそうです。

 中学の教科書なんて、という方は、1ページでいいですから暗誦してみてください。いかにできないかが、わかると思います。「わかる」と「できる」は全く違います。意味の分かった英語が、口からさっと出てくるまで繰り返し音読してみましょう。

 今の皆さんが使っている素材や、重点トレーニングは合っていますか?合っていないと壁は突破できませんし、できてもとても時間がかかります。もちろん、人それぞれの学習目的や、好みがありますので何をやってもいいのですが、もし長い間自分の壁が見えないままに悶々と悩んできた方は、ぜひ今回ご紹介した「7つの壁」別のアドバイスを参考にしていただきたいと思います。

 次回以降は、それぞれの壁別トレーニング法をもう少し詳しくご紹介します。

「英語トレーニングのICC」代表 千田潤一
http://www.icc-chida.com

千田潤一(ちだ・じゅんいち) タイム、AIU、TOEICを普及する国際コミュニケーションズを経て、現在英語教育コンサルティング会社(株)アイ・シー・シー代表取締役。2000年より那須高原に「英語難民救済センター」を主宰。トヨタ・SONY・富士通・日本航空等の大手企業や英語教員・中高大学生向けの講演・セミナーは4000回以上、受講者は19万人を超す。NHK総合テレビの「英語でしゃべらナイト」や、教育テレビの「めざせ!会社の星」でも取り上げられた経歴を持つ。「TOEICテストスピーキング/ライティング問題集」や50万部を超すベストセラーとなった「英会話・ぜったい・音読」など著書多数。

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