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10年後の未来を生き抜くために

僕ら流・社会の変え方(7)

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NIKKEI STYLE

前回はNPOと株式会社の違いをご説明しつつ、NPOに就職することについて、また社会をよくする働き方についてお話しました。今回はこの原稿をご覧になっている学生の皆さんが、これから社会の一員となって働くことを踏まえ、多くの人が仕事の傍ら社会活動に参加し始めている現状について話したいと思います。また、なぜ今、僕らが社会活動に目を向ける必要があるのかについても説明します。

6割のポテンシャル

最近、ありがたいことに大学での講演の話を多くいただくのですが、基本的に学生さん向けのものは2つ返事でOKしています。理由は簡単。社会的な活動、いわゆるソーシャルな分野で活動する仲間をどんどん増やしていきたいからです。柔軟な思考をもった高校生や大学生の皆さんに、その意義やメリットを少しでも伝えることができればと思っています。

そこで僕が必ず話すことの一つは「6割のポテンシャル」についてです。

内閣府の調査などを見てみると、「あなたは社会活動に参加したいですか?」という問いに対して、「既に参加したことがある人」が2割。「そんなの偽善だ、関係ない」などと答える人が2割。そして「機会があったら参加したいという人」が6割となります。僕はこれを「2:6:2の法則」と呼んでいます。この2:6:2は東北で大地震が起こった後は、概ね3:5:2になりました。

機会があれば社会活動に参加したい人5(6割)と、すでに参加している人3(2割)。合計8割の人がどう動くかが、これからの社会をよくするカギだと思っています。社会活動にすでに参加している人の30%というのは、20代の若者の国政選挙の投票率と同じくらい。そこに50%が加われば、なんと20代の投票率は80%になるのです。すごいポテンシャルですよね。「シルバー民主主義」も怖くない。だから僕は特に、この5割(6割)、50%(60%)の人たちが自然と動ける世の中をつくりたいと思って活動しています。

今の「満足」は10年後も存在するか

また、別の調査では「今の生活に満足していますか?」という問いに対して、8割の人が「満足している」と答えています。満足していない人の割合が2割です。これは、多くの人が「色々なことはあるけれど、ある程度今の生活には満足している」ということです。満足していれば、自ら進んで社会活動に参加しようという外向きの気持ちはなかなか働きづらいですよね。若者の投票率が低い現実にも少し納得がいきますし、無理矢理課題を探して、社会活動に参加する必要はないという意見もあります。

しかし、「今」は満足していたとしても、この先10年後も「満足」が続くと胸を張って答えられる人はどれくらいいるでしょうか。

例えば、全国平均に比べて高齢化率が低いと言われる東京都内でも、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる平成37年には、高齢者の4人に1人に介護が必要となり、保険費負担が増加するという試算があります。これを支えるためには、現役世代(15~64歳)の35人に1人が介護職に従事しなければならない。皆さんが現役バリバリの社会人になっている頃のことです。今、毎年約10万人の人が親の介護のために離職している(介護離職)という現実もあります。

これはほんの一例ですが、上にあげたような社会課題は、10年後、山積みになっているのです。社会活動に参加している人が3割では、とてもとても足りません。

人は減っても、課題は増える

みなさんもきっとどこかで耳にしたことがあると思いますが、これから少子高齢化はますます進み、働き手や社会保障の負担者はどんどん少なくなっていくと言われています。

これらの課題が目に見えて明らかになった時初めて、「政治は何をやっているんだ」「制度はどうなっているんだ」という話になっても、もう遅いのです。投票率が30代、40代になってだんだんと上がっていくのは、子どもが産まれ、親の介護も視野に入り、だんだんと社会の抱える課題が見えてくるからだと言われています。しかし、先ほどの数字を見た皆さんはすでに対策をとっておく、あるいは「今から自分ができること」について考えを進めておくことができます。

大切なことは、10年後に押し寄せてくる課題に対して、決して人ごとにせず、これをどうにかしようと自ら動くことです。10年後になって「政治が悪い、制度が悪い」と嘆いていては手遅れです。「人ごと」にしようにも、その「人」が足りない社会が確実に来ます。そんな時に備えて、自分たちで意志をもって社会をよくしようと動こうとする人を増やす、つまりその「担い手」を増やすことが必要です。人口減で絶対数は減ったとしても、「潜在性のある6割」の人が少しずつでも行動するようになれば、社会の課題は少しずつ解消に向かうのではないかと思っています。

だからと言って、学生の皆さんに「だから今すぐ社会活動に積極的に参加しよう!」と叫んで、善意だけに期待するのは少し無理がありますよね。そこで次回は、自分の博報堂時代の話を踏まえ、社会活動の担い手になることのメリットについて、またその方法について話そうと思います。

横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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