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「会社員」から「社会人」へ 社会の一員として働く意識を

僕ら流・社会の変え方(8)

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NIKKEI STYLE

前稿では主に、人口が減り社会課題が増える中で社会活動の担い手を増やすことがなぜ必要なのかという話をしました。今回は、僕の会社員時代の経験を踏まえつつ、これから社会に出る皆さんにとって仕事の内外で社会活動に携わることがどんなメリットをもたらすのか、また僕が考える新しい働き方についてお伝えしたいと思います。

ひたすら「ソーシャル」を提案した日々

僕は学生時代、アメリカ留学の後、9.11で大切な人を亡くしたことを契機に、NPOやNGOの活動をすることになりました。そこで感じていたことは、いわゆる「ソーシャルセクター」におけるプロモーション力の欠如でした。せっかく「いいこと」をやっているのに、お金も人も集まらないという現状。その背景には、彼らが「より多くの人に伝える」ことにあまり多くの時間を割いていないことがあるのではないかと感じました。もし、彼らがもっと自分たちの活動のプロモーションに力を入れ、普段その分野にあまり関心を持っていない人にも届ける努力をしたら、今100人救えている命は、1,000人、10,000人......と何倍にも増えるのではないかと思ったのです。

プロモーションという武器を手に入れるために入った広告会社の博報堂で、僕が毎朝早く出社して取り組んでいたことが2つあります。ひとつは、社会課題を解消するための事業アイディアやNGO・NPOとコラボして企業の社会的価値を高める方策についての企画書をひたすら書きまくること。もうひとつは、自社のCSR活動についての提案です。先輩たちに相談しつつ、直属の上司や役員に、とにかく提案し続けました。

学生時代に関わっていたNGOやNPOなどにも足を運び、彼らのキャンペーンもやらせてもらいました。自動車会社担当の広告営業からはじまった僕のキャリアでしたが、積極的にソーシャルな活動を行っていたことから、「ソーシャルといえば横尾」と言われるようになり、次第に社内外から相談されることも多くなっていきました。

これからも売れるモノとは?

僕が会社を辞める頃には、「自社のブランド価値を高める」ために消極的にNGOやNPOと付き合うのではなく、社会課題を解消する商品やサービスの開発に積極的に取り組む企業も数多く生まれていました。現在ではむしろ、商品やサービスの開発時に社会的な影響を考えない方が一般的でないと思われている気がします。

今は、モノが溢れている時代だと言われています。「洗濯機」「冷蔵庫」「テレビ」といった「三種の神器」などにみんなが憧れる時代は終わり、ほとんどの人が最低限の生活必需品を手に入れました。多くのモノが「コモディティ化」した現在では、どこのメーカーのどんなモノにも大きな差はありません。ちょっとした違いがトレンドになり、その時代時代の空気感で売れ行きが左右されるほど。本質的には、生活者はもうモノを欲していないのです。

しかし、そんな中でも必ず求められるモノがあります。それは、社会課題を解消する商品やサービスです。

例えば、事故で足をなくしてしまった方にとっては、自分の足のように動く義足は本当に必要なものでしょう。介護用のロボットや進化した防災グッズ、高齢者でも楽々使えるスマートフォンも、これから必要不可欠なものになるかもしれません。日々の生活課題を解消してくれるモノには必ず一定のニーズがあります。時には、マイノリティの声なき声が、そうでない人にとっての需要を生み出すこともあります。

そう考えると、会社員にとっても、社会にどんな課題があるかを常に考えることが大切です。課題を解消するためのヒントも、日常の社会、地域の中にたくさん転がっています。

社会課題の解消はビジネスにつながる

先日、就職活動中の学生さん向けのイベントに呼んでいただいた際、同じパネラーだった通信会社の方が、とても印象的な話をされていました。それは、「東日本大震災の被災地には、特に優秀な社員を派遣するようにしている」という言葉です。

東北には今、地域の担い手不足をはじめ、今後全国各地で僕たちが直面するであろうたくさんの課題がある。課題は必ず解消しなければならないのだから、裏を返せば、そこにはイノベーションの源泉がたくさんあるということだと。つまり、この地が抱える課題を解消する商品やサービスを生み出すことができれば、今後自社のビジネスにもつながるということです。「社会のために」というのは一見利他的に見えて、実は利己的なことにもつながるのです。

会社員から社会人へ

この原稿を通じて、将来就職するにせよ、NPOなどを立ち上げるにせよ、社会の一員として働くには結局ソーシャルな視点を持つことが大切なのだということが伝わったなら嬉しいです。

「会社員」は会社から評価されている人です。しかし、これから皆さんにはぜひ「社会人」として生きるという視点を持ってもらいたいと思います。働きながら自分の社会的価値を高め、社会から評価されるにはどうすればいいか、日々考えてもらいたいです。

例えば10年前、就職ランキングで1位だった企業は今どのくらい残っているでしょうか。もし会社がなくなったら、会社の中の評価だけ動いている人は、きっと路頭に迷ってしまうでしょう。でも、会社の内外で「社会人」としての評価を高めている人は、恐らくfacebookやTwitterなどのSNSやその他の様々なコミュニティでも有名で、転職にもさほど困らないでしょう。社会のためにと考えて、社会との接点を増やしておくことは、自分自信の価値の向上につながります。

とはいえ、何から始めればいいか分からない人は、まずは街に出てみましょう。生活者が何に困っているのかを知ったうえで、小さく動いてみることが大切です。

次回は、誰でも簡単にできる社会との関係の持ち方をご紹介します。

横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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