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TOEIC超勉強法(10)TOEIC公式問題集の効果的な活用法とは

TOEIC超勉強法(10) TOEIC公式問題集の効果的な活用法とは
authored by 千田潤一株式会社アイ・シー・シー代表取締役

 前回は第7の壁「ライティングの壁突破法」をご紹介しました。今回は「TOEICスコアの見方」と「TOEIC公式問題集の効果的な活用法」をご紹介します。

TOEIC is just a yardstick.

 皆さんはこの英文をどう訳しますか? 「TOEICは単なる"モノサシ"に過ぎない」です。これは、TOEICを発案した、故・北岡靖男氏が、英語でTOEICを語るときの決まり文句でした。北岡氏は68歳で世を去る直前、よくこんなことを言っていました。「英語の習得にはとても時間がかかる。その長い道のりを、励ますツールとしてTOEICを世に出した。ところが、"スコア"が自己目的化してしまい、励ますツールが、逆に元気をなくすツールになるケースが出てきた。残念でならない。」

TOEICスコアは、Totalスコアのみで見ない

 皆さんは、スコアを見て「下がってしまった。がっかり。もう英語やめよう!」と思ったことはありませんか?スコアの見方を変えるだけで、前向きになれますよ。  
以下、TOEICスコアを手にした人たちへのアドバイスです。
1.Totalスコアのみを見て、上がった・下がったと一喜一憂しない
2.ListeningとReadingを別々にみて、どちらかが上がっていれば良しとする
3.ListeningとReadingの過去の最高点を足せば、そのTotalは下がることが無い

 TOEICは受験者を励ますツールとして発案されました。学生の皆さんもTotalスコアのみを見て、自分のモティベーションを下げることが無いようにしましょう。

TOEICスコアの伸びの一般的傾向

 以下、TOEICスコアの伸びの一般的傾向をまとめてみました。
1.スコアは、UP・Downを繰り返して上昇する(学習曲線)
2.スコアが伸びなくなる時期が、必ず訪れる(スランプ)
3.その状態から抜け出せない状態が、しばらく続く(プラトー)
4.トレーニングが一定量に達すると、急に伸びる(壁突破)
5.大きく伸びた後は、大きく下がることもある(リバウンド)

 スポーツの練習効果に似ていると思いませんか?「英語はスポーツだ!」と考えるとわかり易いと思います。部活でスポーツをやってきた人には、ピンとくると思います。

変化に必要な"一定量"とは?

 英語のトレーニング効果は、すぐには出てきません。変化が出るまでの"一定量"の目安は、何時間・何十時間ではなく、何百時間・何千時間の単位になります。私は研修で「200時間で変化、2000時間で結果が出る。200時間までは変化を期待しない」を繰り返し、時間を日々積み重ねることの大切さを訴えています。

Time is your best friend when you learn English.
(英語を学ぶ時のベストフレンドは時間である)

「TOEIC公式問題集の効果的な活用法」

 本稿はTOEIC受験者、とくになかなか伸びずに悩んでいる"英語難民"の学生さんを念頭に書いてきました。今回は最終回ですので、"TOEIC難民"にならないようなアドバイスで締めたいと思います。TOEICに備える最高の素材は、「TOEIC公式問題集」です。その活用法のいくつかをPart別にまとめました。

 紹介したPart別トレーニングの組み合わせは、自由に変えてもOKです。

【リスニングセクション】
Part1: 写真描写問題
①Listen&Repeat:問題文と選択肢の両方を聴いてリピートする
②音読筆写:覚えたい表現は、音読しながら5回書きLook Up&Sayで確認する
Part2: 応答問題
①Dictation:問題を聴いて書き取り音と文字を一致させる
②Role-play:対話文を2人でパートを変えながら音読し、会話練習する
Part3: 会話問題
①Shadowing:問題文を聴こえた順に影のように追いかけながらリピートする
②Recording:自分の音読を録音し、CDの発音と比べ、発音を矯正する
Part4:説明文問題
①音で読む:CDを聴きながら、自分の声と重ねて読んでいく(発音チェック)
②日英速音読:英文と日本語訳を音読して時間を測り、その比率を比べる

【リーディングセクション】
Part5: 短文穴埋め問題
①サイトラ:問題文を意味の塊ごとにスラッシュを入れて読み下す
②文法理解:解答の解説文を熟読し、文法の理解を深める
Part6:長文穴埋め問題
①音読:正解文を音読し、自然なリズムの英文を刷り込む
②慣用句集:使える慣用句集を作り、使える言い回しを増やす
Part7: 読解問題
①全文模写:emailの英文を模写し、メールの書き方と表現を学ぶ
②速読:1分間200語以上で読めるよう意識して早く読む

 この活用法を見ただけでは、なかなか具体的なイメージが浮かばないと思います。「TOEICテスト公式問題で学ぶ実践英語トレーニング法」に、私の映像付きトレーニングが紹介されていますので、興味のある方はチャレンジしてみてください。

 社会人になり英語で苦労している人が口にする共通の言葉があります。それは「学生時代に、もっとやっていればよかった」です。学生の皆さん、今ならまだ間に合いますよ! 本連載が皆さんの英語力向上に少しでもお役に立てたならばうれしいです。
皆さんのご健闘をお祈りします。お付き合いありがとうございました。

「英語トレーニングのICC」代表 千田潤一
http://www.icc-chida.com

千田潤一(ちだ・じゅんいち) タイム、AIU、TOEICを普及する国際コミュニケーションズを経て、現在英語教育コンサルティング会社(株)アイ・シー・シー代表取締役。2000年より那須高原に「英語難民救済センター」を主宰。トヨタ・SONY・富士通・日本航空等の大手企業や英語教員・中高大学生向けの講演・セミナーは4000回以上、受講者は19万人を超す。NHK総合テレビの「英語でしゃべらナイト」や、教育テレビの「めざせ!会社の星」でも取り上げられた経歴を持つ。「TOEICテストスピーキング/ライティング問題集」や50万部を超すベストセラーとなった「英会話・ぜったい・音読」など著書多数。

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